最終更新: 2020年12月6日

スペインのインディー・ロックバンド、Mourn(モーン)。彼らは10代でNYの名門レーベルCaptured Tracksと契約した、破格の新人バンドである。

Mournのデビューアルバムであり、セルフタイトルとなった『Mourn』はわずか2日のレコーディングで完成したという。

そんな初期衝動溢れるMournのロックアルバムについて、Carlaにメールインタビューを行った。

Mournインタビュー

Artist:Carla Interviewer:桃井かおる子 Translate:Yada Mayumi

-今作のタイトルはバンド名が付けられていますが、どのような意味が込められているのですか?
Carla:ファーストアルバムだし、バンドとして私達が初めて世に出す楽曲が入っているから自分たちを紹介するのにもってこいだと思ったの。

-“Mourn”は動詞で“嘆く”、“悲しむ”という事を意味していますが、バンド名としてなぜこの言葉を選ばれたのですか?
適当に選んだわ。目を閉じて辞書を開いて指した単語が”Mourn”だったの。音が気に入ったし、もちろん意味もね!

-バンドの結成について詳しく教えてください。
jazzとcarlaは学校で知り合って、一緒にプレイするようになったの。曲を書くようになって1年経った後、antonioとleiaを一緒にやらないかって誘って、それがバンドの始まり。そこから一緒にプレイして自分たちの曲をレコーディングすることについても考え出したの。

-写真でもラモ―ンズのTシャツを着ているように、彼らからの影響も受けているようですね。皆さん若いのに、何故自分達が生まれる前の音楽に興味を持つようになったのですか?
どんな音楽でもすぐに聴けるラッキーな時代に生きてるからよ。パンクにはいつでも惹かれるわ。

-スペインでは、あなた方と同世代の人たちはどんな音楽を聴くのですか?
ティーンエイジャーといってもたくさんいるからね!ガレージ、インディーロックミュッジックやエレクトロニカを聴く子もいるわ。だけど大半は商業的な音楽を聴いてるわね。

-楽曲の歌詞は、“死”や“怒り”などの負の感情を連想させる内容となっていますが、なぜこのような内容を歌おうと思ったのでしょうか?
時々そういうことを感じることがあるし、そういう感情を外に向けて表現することが必要だから。でも私たちはハッピーな人間よ!

-今後、“希望”などをイメージさせる明るい内容を歌いたいと思いますか?
すでにこのアルバムにもポジティブなことがたくさんつまってるわ(笑)。うん、十分起こり得ることよ。

-歌詞の内容にふさわしく、演奏も重く暗い空気が感じられます。演奏面で気をつけていることは何ですか?
パワーと強い怒りや熱望の感情、アントニオのドラムと私たちの笑顔ね。

-ジャケットのお二人の表情がとても意味深で何か言いたげな印象があるのですが、どんな気持ちで撮影に臨まれたのでしょうか?
誠実さよ。

-なぜCaptured Tracksと契約したのでしょうか?
Captured Tracksのようなレーベルに所属できるって素晴らしいと思ったから!もちろん、ツアーやライブについてのアイディアも気に入った理由の1つよ。

-今後、どんな風に成長していきたいと考えていますか?また具体的に目標としているバンドはいますか?
これからどうなってくかはわからないけど、クールで輝きのある何かがバンドに訪れるといいと思ってるわ。自分たちの人生を生きてるから、ロールモデルについて考えることはあまりないかな。人って変わっていくもので、私たちももちろんそうだし、みんなそれぞれいろんなタイプの音楽が好きなの。いろんなことを試していきたいと思ってるわ。

-Haimやスカイ・フェレイラなどのガールズバンドや女性ロックシンガーが今の音楽シーンで注目を集めていますが、彼女達と自分たちの明確な違いはどこにあると思いますか?
音楽の世界には女性はたくさん存在してるから、それは特別新しいことではないと思うの。Haimの曲に合わせて踊るのは大好き。

-今作を特にどんな人に聴いて欲しいですか?
みんなよ!

-あなた方のルーツに当たるアルバムを3枚教えてください。
特別影響を受けたってアルバムはないわ。単純に私たちがすごく好きなのはSunny Day Real Estateの『Diary』、Patti Smithの『Horses』、Nirvanaの『In Utero』、Sebadohの『Bakesale』とか他にも何千もあるわ。

-最後に日本のファンに一言お願いします。
日本のファンのみんなこんにちは。日本で私たちの音楽を聴いてくれてる人たちがいるなんてほんとにほんとにエキサイティング!ありがとう、早く日本でプレイできるといいわ!

リリース

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収録曲:
1. Your Brain Is Made Of Candy
2. Dark Issues
3. Philliphius
4. Misery Factory
5. Otitis
6. You Don’t Know Me
7. Marshall
8. Squirrel
9. Jack
10. Silver Gold
11. Boys Are Cunts
(Bonus Track for Japan)

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プロフィール

“メンバー全員が2015年時点で15~18歳のスペインはバルセロナ出身のロックバンド、MOURN(モーン)。マック・デマルコやDIIVで知られるNYの人気インディーレーベルCaptured Tracksとサインし、世界中にその名を知らしめようとしている驚異の10代4人組。その成り立ちは、1996年生まれのJazz Rodríguez Bueno(ジャケッ ト左:ギター&ボーカル)とCarla Pérez Vas(右:ギター&ボーカル)という2人の若き才能の出会いに遡る。授業やクラ スの男子のバカ話に退屈したという2人は 「外国の過去の音楽」である90年代イン ディー・ミュージックによって結びつき、 楽曲制作に取り掛かる。後に加入したドラマーのAntonio Postiusはクラスメートで ある。また、15歳の最年少メンバーとなるLeia Rodríguezはバンドの中心核でもあるJazz Rodríguez Buenoの妹。レコーディング期間僅か2日間で制作した渾身のアルバムがセルフ・タイトルでもある本作だ。 デビュー・アルバムの収録曲「Otitis」 「Silver Gold」は早くも辛辣な米音楽サイトPitchforkからBEST NEW TRACKの高評価を獲得!!サヴェージズのジェニー・べスを彷彿とさせる攻撃的なボーカル、ラモーンズへの憧憬、Pixies テイストな洗練されたメロディ・ライン。この世代にしか表現出来ない程のエネルギーが詰まった規格外のデビュー作! !今最も目が離せないバンド、それがMOURNだ。”

引用元:Mournプロフィール(Tugboat Records)