最終更新: 2020年11月22日

The Kooks(yabori)
The Kooksの「Down」の映像が公開された時、その珍妙なサウンドに往年のファンは皆、震え上がり、爆笑したに違いない。かく言う自分もその一人だったのだが(笑)。デビュー当時の彼らは、アコースティックサウンド中心の素晴らしいソングライティングで評価されたバンドであり、奇しくもArctic Monkeysと同日に1stアルバムを発売。それ以来比較され続けてきた。ブリットポップ期でいう所のBlurとOasisのようなものだろうか。比較された時点で、彼らはアコースティック色の強いバンドという印象がついたのだろうと今では思う。

そして「Down」が先行シングルとなった最新作『Listen』が発売される。当初、ヒップホップに傾倒したサウンドにびっくりし、「ルーク、ご乱心か!?」と思ったのもつかの間、今作はブラックミュージックに傾倒したサウンドを展開し、シングルカットされたゴスペル色の強い「Around the town」のかっこよさにはぶっ飛ばされた。こうしてブラックミュージックという新しいテーマで作り上げた『Listen』は、彼らの過去の作品の中で一番実験的な内容であり、やりたい事をやりきったアルバムとなった。

【interview】The Kooks史上、最高にダンサブルでグルーヴィな新作『Listen』

PJ Harvey(Chappy)
1992年にデビュー以来、ニルヴァーナのカート・コバーンをも虜にしたイギリスのロック界の代表でもあるアーティスト、PJ Harvey。彼女のデビューアルバムは音楽のみならず自身のヌードを裏ジャケットにした事や挑発的な歌詞でも話題を呼んだ。彼女ならではの変拍子リズムやブルース、パンクさも感じるハードに掻き鳴らす音にはロックンロール魂が漲っている。何年経て聴いても格好良さの詰まったアルバムだ。

以降のアルバムではレディオヘッドのトム・ヨークとコラボし、その影響もあってかロックではあるが、ピアノを中心とした作品を作り上げることとなる。ボーカルのあり方を180度変えたアルバム『White Chalk』は彼女の美声が際立っていて、初期作品と比べると同じ人とは思えなかった。今年1月には新アルバムのレコーディングを一般公開しており、彼女の挑戦的な音楽がどうなるか今後も楽しみで仕方がない。

Mumford & Sons(ohamu)
メンバー横並びになり、バスドラのみ足元に置くスタイルも絵になるマムフォード・アンド・サンズ。カントリーやブルーグラスのバンドと呼ばれ、2ndアルバム『Babel』は第55回グラミー賞で最優秀賞アルバムを獲得。一昨年のフジロック、グリーンステージで合唱した「I Will Wait」もまだ記憶に新しい。

その『Babel』を出してから活動休止となっていたが、復帰の知らせのように新曲が先日アップされた。が、しかし様子がおかしい!バンジョーの音は聞こえないし、後ろでシンセがファンファン鳴ってて、そして泣きのギターソロまで。そう言えば一昨年、”マムフォード・アンド・サンズ、次作ではラップに挑戦”という奇妙な情報を目にしたことを思い出した。…そうか!これが休止前に言っていたことか!でも変革するにあたり、この曲のサプライズはきっとまだ序章に過ぎないだろう。ジェイZからアドバイスを貰ったという噂のラップは、この先見ることが出来るのだろうか。