最終更新: 2014年11月16日

毎回それまで自分たちがやったことない何か違うものを作りたいし、新しいサウンドっていうのも出したいと思う。常に向上して、自分たちにとっても新鮮な音を出してバンドとして進化していきたいな。

アーティスト:バーリー・カドガン(Vo,G)、ルイス・ワートン(B)、ヴァージル・ハウ(Dr) インタビュアー:ohamu 撮影:Masahiro Arita

-先日、FRED PERRY主催のライブイベント「Sub-Sonic」へ出演したということですが、自分たちのライブはいかがでしたか?
バーリー:良かったよ。(30分という)短い時間だったけど、普段と違うお客さんの前で出来たことがとても楽しかった!

-ライブをするにあたって意識していることがあれば教えてください。
ヴァージル:他の2人は前で演奏しているからお客さんの反応や表情を見えてライブを楽しんでいるかどうかを肌で感じることが出来るけど、自分の場合は少し後ろに居るから自分で叩くことに夢中になって首や頭振ったりするんだけど、夢中になっているばかりにお客さんの温度差を掴めなかったりする時もある(笑)。
ルイス:基本的に気持ちをリラックスして音楽をしっかり感じながら演奏することに心掛けているよ。それがお客さんに伝わっているのか、お客さんも同じように音を感じているようにも見える。気持ちが盛り上がってくればバーリーも曲をその場のアドリブを長めに伸ばしてくれる。それは自分たちが乗っている証拠だからね。するとお客さんも盛り上がって凄く良いショーになるよ。
バーリー:リラックスすることももちろん大切なんだけど、適度な緊張感があるのも大事だよね。考えすぎないこともね。曲も伝えたいけど、自分たちの演奏から伝わるエネルギーもお客さんに伝えたいなって思っているよ。

-「Sub-Sonic」では日本のアーティストが多数出演しましたが、日本で気になるアーティストやバンドはいますか?
ヴァージル:「Sub-Sonic」では自分たちのあとに東京スカパラダイスオーケストラが出たんだけど、上手だった。
ルイス:ギターウルフかな。
バーリー:去年、フランスで(元CAN)ダモ鈴木と一緒に共演したよ。ケルンに住んでいるらしくて、自分たちがケルンでライブをした時に見に来てくれたんだよ。ライブ先のロシアンバーに連れて行ってくれた(笑)。
ヴァージル:BO NINGENってバンドも知ってる。イギリスで評価が高いよね、ロンドンでの公演を見たことがある。今回この「Sub-Sonic」に出たのもせっかくだから日本のバンドも知りたいなって思って出演したんだ。

-日本だけでなく海外全体で今、気になるバンドなどはいますか?
バーリー:Thee Oh Sees、彼らはアメリカの西海岸の方かな。
ヴァージル:Deap Vally、それとTame Impala。
ルイス:えっと…好きなアーティストが居るんだけど名前忘れて、「Family」って曲をやっていた。
バーリー:そんなバンドたくさんいるよ(笑)。
ルイス:最近Youtubeで発見して凄く気に入っているんだけど名前が思い出せない…変わった名前なんだけど、一生懸命調べるよ!
バーリー:The Brian Jonestown Massacreの新作が今年出て、それも良かったね。
ルイス:(検索して)出てきた、Hanni El Khatibだった!

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-ありがとうございます(笑)。今回はFRED PERRYでしたがLittle BarrieといえばPaul Smithでの写真展も記憶に新しいです。ファッションと音楽の結びつきについて、思うことやこだわりがあれば教えてください。
バーリー:それは本当に密接に繋がっているものだと思うよ。それは音楽の歴史が始まって以来、それはずっとそうだと思う。音楽というのはイメージが付くものだからね。時代共に日々変化していくもので音楽とファッションは密接に繋がっていると思うな。
ヴァージル:服が無ければ裸で演奏することになるしね(笑)。

-Little Barrieは東北の震災直後の沢山のアーティストが来日をキャンセルをする中、来日をしてくれた印象も強いです。皆さんにとってあの時の来日公演はどう映りましたか?
バーリー:反応がとても凄まじかったよね。日本で自分たちがやったライブの中でも最高のライブだったんじゃなかったかな。やはりあれだけ大変な震災の後だっただけに、それを忘れて羽を伸ばして思いっきり楽しみたいっていう想いがお客さんの中でもあったんじゃないかな。2本しかライブはやらなかったんだけど、お客さんからは強い力を感じたよ。

-バーリー・カドガンと言えば、ギブソンES-330のギターを持っているってイメージを持っている人も多いと思います。それを手に取り、選んだエピソードがあれば教えてください。
バーリー:チャック・ベリーが弾いているギターに似ているっていうところかな!まったく同じ型じゃないんだけど似ていて、見た目が気に入ったというのとサウンドも凄く気に入ったんだ。69年にストーンズがハイドパークのライブでキースが弾いていたと思うんだけど、その時の音も凄く良かった。12年か、13年くらい長く弾いているギターだな。残念ながら今回は日本に持って来れなかったけど。

-私も本当に格好いいギターだと思います!
バーリー:凄く良いギターだよね、何より見た目でも一番格好いい。

-ギタリストで特にインスパイアされた人は誰ですか?
バーリー:ジョン・スクワイアが一番最初にギターを弾きたいと思わせてくれたギタリストだよ。それとさっき話したチャック・ベリーをテレビで見てあのギターを持ったというのもあるけど。ジョン・スクワイアは本当に良い曲も書くし、バランスが凄く良いと思う。メロディも効いているし、流れるようにギターを弾くからね。それとジョニー・マー。彼は他の誰にも真似できないオリジナルであるところ。エレキギターで出来ることはやり尽くされたとみんな思った時に出てきたのがジョニー・マーで、完全にまた再開発というか新しい道を切り開いていったよね。そしてシンフォニックなんだ。音を重ねていく、その中にメロディがあって非常にリズムも作られていて、そういうサウンドをブレンドさ せるのが凄いと思う。みんな同じようなことをやっても誰も彼(ジョニー・マー)には追いつかない。あと、ダイナソーJrのJ・マスシス。メロディーを弾きながら爆音でも弾くというその両極端の組合せ方が好きで、何本か去年ダイナソーJrとライブもやったな。あとはありきたりかもしれないけど、ジミ・ヘンドリックスだね。

-クランチでブルージーなロックをしたり、ファズを使ってサイケなものにしたりとアルバムによってサウンドのテーマを感じます。ソングライティングをするにあたって大切にしていることがあれば教えてください。
バーリー:大切にしていることはひとつだけとは限らないけど、良い曲を書こうとやっているよ。毎回それまで自分たちがやったことない何か違うものを作りたいし、新しいサウンドっていうのも出したいと思う。それは自分に限らず、他の2人にもそれぞれの楽器で新しいタイプのやり方っていうのを考えていると思うね。やはり常に向上して、自分たちにとっても新鮮な音を出してバンドとして進化していきたいな。

-有名ミュージシャンのスタジオワークやツアーに参加する中で、自分のバンドとの様々な違いを感じると思います。自分のバンド”Little Barrie”ならではだなと思うことってありますか?
バーリー:やっぱり3人しかいないということだよね。プライマル・スクリームだったら最低でも6人、多いときは8人。エドウィン・コリンズだったら6人くらいバンドメンバーがいる中でやるわけだから。やっぱり3人しかいない、3人の中で音を出すというのは他には無い独特のアプローチがあるんだよね。3人でやるときの関係が違うし、自分にとって魅力を感じている。この3人でやっていてそして3人でぴったり息が合った時はもの凄くパワーを感じるんだ。もちろん他のバンドでやることも良いことだよ。プライマルなどで2本のギターでやるっていう経験があると刺激を受けるし、他の人たちと曲の作り方やアレンジ、サウンドとかレコーディングのやり方を見てくれて凄く学ぶことが多いよね。
ヴァージル:3人だと隠れるところが無いから。それぞれの楽器はやっているのは自分しかいないわけでしょ?手を抜くことも誤摩化すことも出来ない。自分が精一杯頑張るしかないんだ。しかも3人しかいないとライブで自分が見られる確率が格段に高いからね。ホーンとかバックヴォーカルとかいるバンドだとするとライブ中に誰も自分のこと見ないって可能性もあるかもしれないけど、3人しかいないと確実に見られている。だからそれが逆に自分を駆り立ててくれるというところがあるよ。
バーリー:あとスタジオではギターを重ねてみたりヴォーカルも重ねてみたり、いろんな実験的なことするんだけど、それをライブで、しかも3人で再現する方法を見つけなきゃいけないんだ。そういうプロセスもトリオならではかもしれない。スタジオでやる事とライブでやる事との違いも面白かったりするんだよね。

-まさにこれから再日公演最終日。そしてソールドアウトということですが、意気込みをお願いします!
バーリー:凄く楽しみにしている!イギリスからどれ位離れているか分からないけど、非常に離れた日本で、自分たちにとっても日本は特別な場所なので凄く良いライブになることを期待しているよ。

『Shadow』