10.Battles – La Di Da Di
バンド初の全編インストアルバムにも関わらず、聴きやすい本作『La Di Da Di』はBATTLESの本質部分であるストイックさとユーモアのバランスが取れたからこそ実現できた奇跡的な作品。まるで彼らの人柄を音楽に落とし込んだような本作は、インストでありながらもリリックのある曲よりもメンバーのキャラクターが伝わるのではないかとすら思える。ルーツとなる音楽だけでなく、メンバーの人柄をも音に落とし込んだ本作はBATTLESにしか作れないものとなった。

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9.Royal Concept – Smile
前作の1stアルバムは世界的にプロモーションをかけたアルバムというのもあって、キャッチーでトレンドを押さえたインディーロックであったが、このEPではゴスペルやヒップホップのビートを用いた曲も多く、テンポもゆったりしたものが中心である。思うにロイヤル・コンセプトはリリースの形態に合わせて、作る音楽の内容も変えているのではないか。もしそうであればこのEPは、彼らのミュージシャンとしてのポテンシャルを存分に発揮した作品ではないかと思う。インタビューの時に語っていた、音楽のベースはジャズにあるって話はどうやらマジのようだ(あの時は本当かなぁ?と思っていたが、良い意味で期待を裏切られて嬉しい限りだ)。


8.Coldplay – A Head Full of Dreams
Coldpalyはミーハーなバンドだと思う。前作『Ghost Stories』はブームの渦中にあったEDMを取り込んだ残念なアルバムであったが、今作も今作でここ最近のブームであったブラックミュージックをふんだんに取り込んでいる。やっぱり流行の音楽へとシフトしているのだが、今作が前作と違うのは中途半端ではない熱量(音楽への愛)があるからではないか。ここ最近のファンクブームの火付け役であったDaft Pankの『Random Access Memories』は、トーマとギ=マニュエルが夢見た世界・・・。敬愛するミュージシャンと共に音楽を鳴らすという夢を実現させたアルバムと言われているが、本作にもその思想が受け継がれているのではないか。ビヨンセ、ノエル・ギャラガーらも本作に参加し、本作のリード曲「Adventure Of A Lifetime」のギターリフは彼らが大好きだというGuns N’ Rosesの「Sweet Child O’ Mine」を目指したとボーカルのクリスは語っている。つまりは彼ら自身もリスナーも夢で頭がいっぱいになるような作品だ。そんなDaft Pankの意思を受け継いだのがColdpalyだったという訳だ。つまりはミーハーの完全勝利である。


7.never young beach – YASHINOKI HOUSE
ロックバンドらしからぬ事を歌うご機嫌なバンド、never young beachの歌詞はびっくりするくらい些細な事で埋め尽くされている。サウンドはヘロヘロだけど、トロピカルな多幸感で溢れている。“家事や洗濯物を干している時間が幸せ”というフロントマン、阿部の人柄が最大限出でた歌詞とどこかはっぴいえんどを思わせる昭和っぽいボーカルがとても魅力的だ。


6.!!!(chk chk chk) – As If
前作『THR!!!ER』のダンスビートはそのままに今までで一番ポップかつ開放感のある『As if』を聴くと、彼らがアーティストとしての黄金期を迎えているのではないかと確信できるだろう。今作には決して派手さはない。しかし確かな技術と経験に裏付けられた職人技を感じるファンクアルバムとなっており、ブームにのっかったバンドには決して出す事のできない奥行きのある作品となっている。これを書くまでに何度もファンクの話をしてきたが、!!!はブームになるよりも遥か昔にファンクとオルタナティヴ・ロックの融合を実現させてきた。そんな小難しい話を抜きにしても彼らの生み出すダンスビートの前では誰しも踊らざるを得ないだろうし、パイオニアでもある彼らが満を持してドロップした本作は間違いなく今年を彩る一作であろう。


5.Neon Indian – Vega Intl. Night School
Washed Outが牽引してきたチルウェイヴというジャンルのもう一つのパイオニアである、Neon Indianことアラン・パロモが作り出した音楽は80’sのチープなシンセサウンドとファンクで成り立っている。それはまるでネットの断片化したデータから組み立てられたマイケル・ジャクソンのように不思議な音楽だ。パソコン上のゴミ箱に捨てられた音楽データで構成されたような本作は奇怪であるが、聴けば聴くほど発見があり、緻密に作られた作品だと分かる。細かく丁寧にジャンクな音楽を組み立てつつ、その振り切れたテンションで進行する楽曲群は、昨年リリースされたJulian Casablancas + The Voidzの『TYRANNY』ともリンクするような感覚すらある。


4.Hot Chip – Why Make Sense?
無類のポップさを誇るファンクアルバムであった前作『In Our Heads』をより実験的かつ、オールディーズ・ゴスペル色を強めたのが本作『Why Make Sense?』である。今年も80’sのファンクが大流行していたが、彼らはその先を行くアイデアが作品の随所にちりばめられていた。特に「Started Right」では、絶妙なバランスでファンクとオールディーズの混ざり合いが楽しめ、こういう芸当ができるのもHot Chipならではの技ではないか。本作のアルバムジャケットはバックカラー501色の中からランダムに作成されており、全てのデザインが違う仕様なっている。まさにアルバムジャケットも音楽も唯一無二だと言える。


3.THE NOVEMBERS – Elegance
あのBLANKEY JET CITYの第四のメンバーとも言われた土屋昌巳が手掛けた、THE NOVEMBERSの新作『Elegance』は想像を超えたポップなアルバムに仕上がった。インタビューでも小林が答えているように、今作は無駄なものを省いた作品であり、素朴ながらも洗練されたものとなった。THE NOVEMBERSは大きく変化した。変化したというよりは土屋が彼らのポテンシャルを引き出したというのが正しいのだろう。彼らが導き出したポップさは日本のポップミュージック史に刻まれるであろう普遍性を獲得した。


2.Tame Impala – Currents
「Get Lucky」以降、ファンクという音楽が再評価されるという流れで今年の初めにリリースされたMark Ronsonの『Uptown Special』に参加し、本作への布石となるような楽曲を披露していた。その結果リリースされた本作は以前までのサイケデリックミュージックからは大きく変化し、ブラックミュージックが根底にある普遍的なポップミュージックへと着地した。この変化こそが最も重要でこの“ポップさ”こそが本作を名盤たらしめている。おそらくケヴィン・パーカーはそもそもサイケデリックミュージックを作ろうとして音楽をやっていたわけでなく、作ったものが周りからサイケと呼ばれていただけではないだろうか。だからこの変化は彼にとっては自然であり、誰にも真似できない秀逸なポップアルバムを作り出せたのだろう。

foals what went down
1.Foals – What Went Down
今年はとにかくギターロックバンドに活気がないと感じた年であったが、Foalsの新作はそんな状況に対して最高の答えを出してくれた。ダンスビートを随所にちりばめ土臭さを前面に押し出した作風はフェスで映えるだけでなく、イギリスを超えてアメリカにまで打って出ようとするバンドの気概が感じられる。本作のプロデューサーはあのArctic Monkeysの『AM』を手掛けたジェームス・フォード。『AM』の場合は男の色気を感じさせる内容になったが、Foalsの場合は逆に男臭さ溢れる作品となった。同じプロデューサーが手掛けたにも関わらず、こういう違うが結果として出たのは面白い。しかしそれこそがこのバンドの魅力だと思うし、フェスのトリで見たいと心底思えるアルバムであった。

【Writer】yabori (@boriboriyabori)
BELONGの編集長やってます。
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