最終更新: 2016年5月13日

walkings (1 - 12)
去年のフジロックのルーキーステージに出演し、全ての時代に通用するロック“全時代ロック”というコンセプトを掲げるWalkingsの音楽が面白い。国内・海外を問わず、ポップアクトが目立ちロックバンドが瀕死状態になりつつある今、ロックン・ロールではなく、ロックを追及するという彼らが一体どこまで行くのか楽しみだ。何だか面白い事をやってくれそう!

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アーティスト:高田風(Vo./Gt.)、吉田隼人(Ba.)、高梨貴志(Dr.) インタビュアー:まりりん

-Walkingsの最大の魅力はライブパフォーマンスだと思うのですが、意識しているところはありますか?
風(高田風):とにかくやりたくないことはやらないようにしてる。
吉田(吉田隼人):無理はしない。無理をしてるとバレるから。
風:たいしたこだわりはないけど、よくあるお決まりなことはやらないようにしてる。

-毎回ライブでは違うことやってるから、何回見ても飽きないよね。
風:そう!同じパフォーマンスは二度としないようにしてる。「ここは…これしか思いつかねえ~からこれやろう!」って(笑)。だから二度と同じパフォーマンスは、やらないようにしてる!お前は?
吉田:二度と同じパフォーマンスをやらないというか、1回やったことを覚えてないからわかんない。
風:あれ(笑)。貴志は?
貴志(高梨貴志):俺はやり終わってから前にこれをやった気がするなって思い出すくらい。でもまだ俺はそんなにライブやってないから、まだ色々出せると思う。

-今後挑戦してみたいことは?
風:2018年にフジロックでGREEN STAGEのトリやりたい。日本ではミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とブランキー(Blankey Jet City)がやってるから。
吉田:俺らはそうなるべきバンドだよね。
風:本当にそう。俺がやりたいんじゃなくてWalkingsがそうなるんだって。

-なるほど。目標にしてるバンドは?
貴志:スタジアムバンドになりたい。
風:レッチリ(Red Hot Chili Peppers)。
吉田:レッチリは全てを兼ね備えているね。ユーモアあるし、演奏上手いし、超かっこいいから。
風:確かにWalkingsにはまだユーモアが足りてないね。
吉田:レッチリはユーモアを極めてるし、そこが世界レベルだと思うから。
風:俺らに足りないのはユーモアだ(笑)!
吉田:でも俺らの普段の会話なんてユーモアばっかりですよ。
貴志:なんでライブではいつもの感じ出せないんだろ。みんな意外と緊張するんだと思ってて。

Red Hot Chili Peppers
Red Hot Chili Peppers

-今日のライブは隼人くん(吉田)の「ピッピッピーッ」って笛を吹くの面白かったよ。あれで会場の流れができた。
吉田:あれは降りてきたんだよ!会場がシラケてるし、風がギターチェンジしてるし、目の前に笛がある。それなら吹くよねってなった俺の中で。これしかないって俺が自信を持って恥ずかしげもなくやれるなって時は俺の中でもう正解だから。
風:あれはよかったよね。俺も嬉しくなっちゃった。吉田の笛で盛り上がってる!って。
吉田:気持ちい!!!仕事した!!!って思った(笑)。そういう事は大きなところでも恐れずにこれをやりたいよね。今日みたいな満員で音楽関係者もいっぱいいそうなライブだからこそ真面目にやらないほうがいいなって今日分かった(笑)。
貴志:真面目にやらないようにはした。
風:今後の展開は「真面目にやらない」って事で(笑)。練習はめっちゃ真面目にやるけどね。ライブは超テキトーにやろう(笑)。
貴志:練習はめっちゃシビアで嫌いになるくらいやって。

-昨年10月の自主企画“全時代ロック”の告知の際に、風さんからロックンロールじゃなくてロックって言葉を使って欲しいと言われましたが、そのこだわりは何だったのでしょうか。
風:自分の中でロックンロールっていうとなんか汗臭すぎるというか。ロックンロールって俺はジャンルだと思ってるから。
吉田:わかりやすく革ジャンにリーゼントのイメージがロックンロールなんだろうなって考えている人があまりにも多過ぎる。俺らにはロックンロールとロックって別のイメージがある。
風:俺はロックンロールからロックになったのは進化だと思ってて。ロックのほうがライトだし、何をやってもいいっていう創作料理みたいな感じがある。ロックンロールはロックンロールっていう1ジャンルだけど、ロックはケルト音楽や色んな音楽をアレンジしてロック調になったりもするし。それこそビートルズもインド音楽を吸収してロックを作った。俺たちはそういうことがしたい。だから単純なロックンロールはやりたくない。
吉田:俺が最近見つけた極論は感動できるものはロックだね。
風:アーハン?

-どういうこと(笑)?
吉田:音楽に関係なくハッとする瞬間はかっこいいロックを聴いた時と同じ瞬間があって。その感覚がロックと共通してるから、ロックとは感動なんだよ。
風:俺はそういう言い方は好きじゃない。俺は裏づけがあって科学者的なのがいい。その感覚はロックよりもロックンロールに近い。
吉田:は?馬鹿言え!!!
貴志:喧嘩すんなって(笑)。万人が聴けるのがロックなんじゃない?ロックンロールだとコテコテになって聴く人を選んでしまうと思う。でもロックはAKBを聴いてる人でも聴けるっていう幅広さがあると思う。だからエキサイトするんだよ。
吉田:エキサイトも感動も一緒だよ!ロックって言葉が悪い(笑)。俺らは「ロックをやろうぜ!」ってやってないもん。
風:まぁ確かにあいつはロックで、こいつはロックじゃねぇって聴かないな音楽。かっこいいかかっこよくないかのどっちかだから。「これロックじゃないから聴かねぇ」ってないな(笑)。
貴志:ないない。ロックって言葉を使って貶してるだけ。
風:だいたいロックが自分を守ってくれてるって思ってるやつが多すぎると思う。ロックをやってるから俺は大丈夫だって。俺はロックンロールやってんだ。少数派でかっけぇんだよ、みたいな。そういうのじゃねぇんだよって言いながらも全時代ロックってキャッチコピーを掲げてるんだけど(笑)。全時代的なロックじゃなくて全時代ロック。
吉田:全時代の人が感動できる音楽だよ。
風:全時代感動音楽(笑)。全時代ロックって言ってるけど、結局は音楽で新しい発明をしたいですね。電球みたいにドカンとした発明ができるかは分からないけど、ロックンロールからビートルズになったってくらいの発明はしたい。

-最後にこのアルバムをどんな人に聴いてもらいたいと思いますか?
風:う~ん・・・。女子高生かな(笑)。
吉田:俺は男子高校生だな。これを聴けばもっとかっこいい男になると思うよ!それとこれを聴くと人として優しくなれると思う(笑)。
風:1回は尖るけどな(笑)。
吉田:1回だけ尖ってもその時期は許してほしい。風も一時期はすごく尖ってた。でも今は優しくなったから!

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【Live】
5月21日(土)@渋谷 Milkyway
6月4日(土)@神戸 SLOPE
6月26日(日)@千葉 LOOK

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