最終更新: 2021年8月9日

ガレージロックバンド、DYGL(デイグロー)がセカンドアルバム『Songs of Innocence & Experience』をリリースした。

未だに“ロックは死んだ”と思っているなら、DYGLを聴いて欲しい。彼らの渾身の作品は多くの人が忘れていた“ロックの魔法”を現代に蘇らせるのだ。

“ロックは死んだ”のか?

DYGL
本題に入り前にDYGL(デイグロー)をとりまくロックという音楽そのものの現状について触れておきたい。

よく言われる言葉で“ロックは死んだ”というものがある。しかしながら、ニュース記事で紹介しているように未だロックを演奏するバンドは少なくない。

では“ロックは死んだ”とは一体何を指しているのだろうか。それはロックが本来持っていた、一音で世界を変えるというロマンが久しく忘れられていることにあるのではないか。

例えばThe View「Wasted Little DJ’s」のイントロのギターを聴いた瞬間のような、いわゆる“ロックの魔法”を感じられることが本当に少なくなった。

“ロックは死んだ”という言葉の本質とは、本気でロックのロマンを信じるミュージシャンやリスナーがいなくなったということではないか。

しかし、DYGLは一音で世界を変えるということを愚直に信じ続けてきた。

そんな彼らがセカンドアルバム『Songs of Innocence & Experience』を2019年7月3日にリリースする。

DYGLとは

DYGL

ここでDYGLの過去について振り返ると、彼らは以前Ykiki Beatを結成し、デビューアルバム『When the World is Wide』をリリースした。

その作品は海外に勝るとも劣らない音楽であるという話題性だけでなく、著名ミュージシャンからも絶賛され、将来を嘱望されていた。

しかし彼らはその後、バンドを解散させ、メンバーであったNobuki Akiyama(Vo./Gt.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Kohei Kamoto(Dr.)の3人と Yosuke Shimonaka(Gt.)はDYGLを本格的にスタートさせる。

海外中心の活動形態

Say Goodbye to Memory Den

彼らの活動が独特なのは全員日本人であるにも関わらず、活動の大半を海外で過ごしている所にある。

デビューアルバム制作時はニューヨークに滞在し、The Strokesのアルバート・ハモンドJr.とエンジニアのガス・オバーグで『Say Goodbye to Memory Den』を制作した。

本作『Songs of Innocence & Experience』の制作時はロンドンに滞在し、Palma VioletsやYuckを手掛けたロリー・アットウェルと本作を作り上げた。

そんな海外のシーンにどっぷり浸かった彼らがリリースするセカンドアルバムの前半の3曲、いや1曲目「Hard To Love」を聴くだけでいい。

それだけでこのアルバムがいかに特別か分かってもらえるに違いない。

『Songs of Innocence & Experience』

Songs of Innocence & Experience

何が特別かというと、このアルバムの楽曲は海外のインディーロックバンドと同じ音質であるばかりか、同じ感覚で鳴らされている。

単純にその土地で一時的にレコーディングしたというものではなく、もっと奥行きのあるものが本作には記録されている。

それは実際に彼らが海外に長期間滞在し、現地シーンのミュージシャンと演奏してきた経験が大いに活かされているのではないだろうか。

そんなDYGLが7月イギリスから帰国し、フジロックへの出演だけでなく、日本国内を3ヶ月回るというロングツアーも開催する。

今こそ、彼らのライブを見る絶好の機会に間違いない。まずはアルバムで、次はライブで“ロックの魔法”を体感して欲しい。

リリース

Songs of Innocence & Experience
Songs of Innocence & Experience

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DYGL
HardEnough (2019-07-03)
売り上げランキング: 2,018

発売日:2019年7月3日(水)
品番:HEC-006
発売元:Hard Enough
販売元:ULTRA-VYBE
収録曲:
1. Hard To Love
2. A Paper Dream
3. Spit It Out
4. An Ordinary Love
5. Only You (An Empty Room)
6. Bad Kicks
7. Don’t You Wanna Dance In This Heaven?
8. As She Knows
9. Nashville
10. Behind the Sun


『Say Goodbye to Memory Den』
発売日:2020年2月下旬予定(※アナログ再発)
フォーマット:Vinyl
カタログNO:HEC-004
発売元:Hard Enough
販売元:ULTRA-VYBE
収録曲:
1. Come Together
2. Crazy
3. Let It Sway
4. Take It Away
5. Thousand Miles
6. Boys On TV
7. Don’t Know Where It Is
8. Let It Out
9. Feel the Way
10. All I Want
11. Happy Life
12. A Matter of Time
13. Waste of Time
14. I’ve Got to Say It’s True
申し込みはこちらのフォームから。申込期日は2020年1月23日 23:59まで。

プロフィール

DYGL

“DYGL(デイグロー)は2012年結成、Nobuki Akiyama(Vo,Gt.)、Yosuke Shimonaka(Gt.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Kohei Kamoto(Dr.)の4人組バンド。2017年4月にThe StokesのギターのアルバートハモンドJrのプロデュースで1st Album『Say Goodbye to Memory Den』をリリースし、日本を皮切りに、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国とアジアツアーを敢行。その後、FUJIROCK FESTIVAL’17のREDMAQUEEのステージで5000人を集めてパフォーマンスを行うなど注目を集める。2018年に活動の拠点をイギリスに移し、精力的にヨーロッパツアーなどを行いながら、日本では12月に行った東名阪札福ツアーはすべてソールドアウト。2019年1月にはアメリカのBAD SUNSとのヨーロッパツアーを成功させ、現在イギリスにて2ndアルバムのレコーディング中。3月にはSXSW2019の参加も決定し、国内外で注目をされている。”

引用元:DYGLプロフィール(フジロック2019HP)

YouTube

  • DYGL – Spit It Out (Live)
  • DYGL – A Paper Dream (Official Video)
  • DYGL – Bad Kicks (Official Video)

ライヴ映像

  • Bad Kicks (Live at EX THEATER ROPPONGI, Tokyo, 2019)
  • Nashville (Live at EX THEATER ROPPONGI, Tokyo, 2019)

映像配信URL:https://dygl.lnk.to/20191220
映像作品クレジット:
Director:Toto Vivian
Shooting Director-:Kota Takeshita
Camera : Hiroaki Takeda (REEFVISION), Kanjun Oyadomari (REEFVISION), Saya Nakazato (REEFVISION), Keisuke Yamazaki (ADC), Yuichi Ishiguro (illusion), Yuzen Nakamichi (illusion)
VE: Asuna Sato (REEFVISION)
Cam Assistant: Yo Doi (REEFVISION)
Audio Recording : Keiichi Kobayashi (Strawberry House)
Audio Mixing Engineer : Zin Yoshida
Special Thanks : SMASH JAPAN

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ライター:yabori
yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

今まで執筆した記事はこちら
Twitter:@boriboriyabori

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