今の時代、情報が多すぎるゆえ、逆に情報をあまり出さないようにと、禁断の多数決は活動を開始しました。よくそのスタンスが戦略的などと言われるのですが、戦略的ではなく、情報をあまり出さなかっただけなんです。

アーティスト:ほうのきかずなり  インタビュアー:yabori

-禁断の多数決という名前の由来について教えてください。
ほうのきかずなり:当時、政治にすごく興味があった頃、たまたまメンバーと鍋の買い出しに出かけた際、具材を選ぶのを迷ったメンバーが「何かの多数決で決めよう」と言ったのを自分が禁断の多数決で決めようと聞き間違えて、これいいネーミングだなと思ったのが由来になります。

-バンドを結成したきっかけについて教えてください。
映画 『ブギーナイツ』、海外ドラマ『ツイン・ピークス』のような世界を実際にやりたくて、何かを始めようとして動き出したところ、なぜだか音楽集団という現在の形になりました。今後はどうなるかわかりません。

-インタビューで禁断の多数決のコンセプトは「擬似家族的な集団」だとおっしゃってましたね。その考え方は凄く興味深いと思います。どういう風に制作活動をしているのでしょうか。
音楽制作に関しては基本的にメンバー全員でインターネットを使って音源ファイルを送り合い制作しています。メンバー皆で実際に会う時は大体飲み会です。その時には音楽の話などはほとんどありません。また自分はヒッピーへの憧れがあるので、メンバーや、その辺の知らない人、何かアーティストの方、俳優、とにかく楽し気でちょっとおかしい人達と一緒にコミューン暮らしをしたいです。実際、メンバーとはたまに無意識のエネルギーを解放してみたくて、森へと出かけてはマルセル・モースの真似事のような呪術ごっこをしたりします。夜の森はとても怖いです。

-Tumblrにアップしているデザインを見せてもらいました。ほうのきかずなりさんのコラージュ画像等、とても面白い活動をされていると思います。トロ・イ・モアとか海外のインディペンデントなミュージシャンみたいだなと思いました。そういうミュージシャンに興味があるのでしょうか。
トロ・イ・モアも好きです。海外のインディペンデントなミュージシャンからはとても影響を受けています。コラージュに関してはとにかく好き放題やっています、自分はちゃんとした専門知識を持っていないので、いつもなんか面白そうだなと思ったらそれらを衝動的にしてしまう癖があります。アリエル・ピンクは狂っていて大好きです。

-アニマル・コレクティブから強い影響を受けているそうですね。新作タイトルの『アラビアの禁断の多数決』もアニマル・コレクティブのような国籍不明のトライバル感に影響を受けている所もあるのでしょうか。
アニマル・コレクティヴは心底好きです。ホラー映画好きで、すぐに叫ぶエイヴィー・テアがとくに大好きです。トライバルミュージックも好きですし、実際によく海外旅行にも出かけます。タイのチェンマイに行った時に、一日中ポータブルレコーダーでリバーブを全開にしながらフィールド・レコーディングをして最高のひとときを得ました。実際にその時に録音した音を作品で使用しています。日本だと獅子舞の太鼓のリズムなんかも子供の頃から聴いて育ったので身についていたりします。

-ジャケットを見せてもらいましたが、プログレッシブ・ロックみたいなジャケットですね。これは何を意味しているのでしょうか。
何を意味しているかはCDを買って頂くとライナーにミニストーリーが付いていますので、少しばかし謎が解けると思います。映画『シェルタリング・スカイ』が好きで(砂漠のイメージ)、そして、月刊ムーさんに取り上げて貰えたら嬉しいです。

-今作は膨大な情報量を持ったポップミュージックだと思います。サウンドもさることながら歌詞にも踊りやダンスなどの言葉も出てきていますし、最終的にダンスミュージックに帰結させているように思いました。実際いかがでしょうか。
ダンスミュージックが常に意識下にあるのは間違いないと思います。「さあ踊ろうぜ」みたいなノリではなくて、自然と踊りたくなるような感覚というか、ファニーな踊り、上手でなくてもいいから踊ってみた、みたいな、なんとなくそんな感覚でしょうか。

-「踊れや踊れ」では和のテイストの曲があり、とても驚きました。この曲が出来た背景について教えてください。
この曲はもともとウィルコの「At Least That’s What You Said」に触発されて作った曲なのですが、アメリカン・ロックを日本風でやると考えると、はっぴぃえんどが浮かびました、ですが、真似をするのもなあとか考えていたら、ニューエイジなオリエンタルメロディーをシンセで入れて、ギターはジム・オルーク風で、和太鼓と篠笛を入れてなど、ごちゃごちゃと好き放題に入れてみたら、なんともよくわからない不思議な曲になり、メンバーみんな気に入っています。

-「Crazy」の歌詞では淡々と固有名詞を歌っていますね。この歌詞から現代における情報が多すぎるゆえの消化不良感を表しているように感じました。実際いかがでしょうか。
この曲ではメンヘラ系女子の非日常感を唄っています(あくまでもなんとなくですけど)。 ただ、今の時代、情報が多すぎるゆえ、逆に情報をあまり出さないようにと、禁断の多数決は活動を開始しました。よくそのスタンスが戦略的などと言われるのですが、戦略的ではなく、情報をあまり出さなかっただけなんです。

-今回のアルバムからスタジオに入って音楽を制作されたようですね。スタジオワークをやってみていかがでしたか。
実はそんなにスタジオワークしてないんですよ。ドラムや弦楽器、 管楽器、幾つかのヴォーカルを録音したくらいで、なので、今回も基本は宅録になります。いつか完全スタジオ録音してみたいです。

-禁断の多数決のルーツにあたるアルバムについて教えてください。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ 『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』
自由なスタンス、&ニコというファム・ファタールな存在、実験精神、でもポップ

フリートウッド・マック 『牙 (タスク)』
メンバー構成、ヴォーカルを取る割り合い、リンジーがちょっと狂ったギターを弾く、曲数が多い、実験精神、やっぱりポップ、そんでちょっと切ない

アニマル・コレクティヴ 『メリーウェザー・ポスト・パビリオン』
非現実感、シャウト、トライバルなビート、実験精神、MVが気持ち悪い、狂ってる、けどやっぱりポップ

【BELONG Magazine Vol.5に禁断の多数決のインタビューを掲載】
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