ヒョウリアナログ
自分の中で常にガーッとやるバンドマン的な視点と、一歩引いて見ている視点が二つあって。そこが常に喧嘩しながらやってるというか。デヴィッド・ボウイもそうだと思うんだよね。そういうところがすごい好きで。

アーティスト:タカハシヒョウリ(Vo,Gt) インタビュアー:yabori

-オワリカラのルーツに当たるアルバム5枚を教えてください。
The Doors – The Doors
バンドを組んだ時に、これだろっていうかこういうのをやりたいって思ったのはドアーズのファーストなんだよ。未だにすごい好きなバンド。あの時代の人でジム・モリソンとデヴィッド・ボウイとジミ・ヘンドリックスはもう神的な存在で、その中でもバンドとしてはやっぱドアーズのファーストってのは頭の中にあって。今作の「L」もドアーズって感じで熱いんだけど、繊細で刹那的な感じがあって。で、なんか色が違うんだよね、俺の中で。赤くないっていうか青い。カーッて熱くなるっていうイメージがあって、ああいう熱気をバンドでやりたいって思ってて。だからドアーズのファーストが1番ですね。

David Bowie – Station to Station
デヴィッド・ボウイはステーション・トゥ・ステーション。このアルバムはバンドの音楽性に色濃く出てて。ああいうリズムセクションがブラックで、上ものがすごく変態的というか、ホワイトトラッシュ的という。ああいう組み合わせが昔からすごい好きで、ザ・スミスとかもそうだよね。リズムセクションはすごくブラックだけど、白人のセンスが入ってるいう。

-どっちもの要素がある方が好きという事ですか?
うん、基本的に分裂病的なのは好きだね。統合失調症というか二重人格的な。自分もそういうところがあって、常にガーッとやるバンドマン的な視点と、一歩引いて見ている視点が二つあって。そこが常に喧嘩しながらやってるというか。デヴィッド・ボウイもそうだと思うんだよね。そういうところがすごい好きで。

LED ZEPPELIN – Ⅱ
レッド・ツェッペリンは初めバンド組んだ時に、とりあえずみんなに聴けと。やっぱりバンドのグルーヴはツェッペリンだと思っていて。全員がロックバンドというか、全員がそれぞれすごいことをやってて。でも知的なグルーヴじゃなくてずれてるんだよ。すごい独特なリズム感しか持ってないんだけど、でも4人になった時に成り立ってるっていう。あれをオワリカラでもやりたいんだよね。それは危険な賭けでもあるけど。ツェッペリンのいい時って、それがあるんだよね。機械じゃ絶対出せないグルーヴがあって。いわゆる機械的な意味で踊れるっていうものとは違うっていうか、踊れないっていうのがあって。そもそも農耕民族の俺らがダンスなんかできないっていうのがまずあるんだよ。それでも踊れるって何なの?って事で。要するにさ、当然踊れることになってるけど、それって嘘だと思うの。本当は踊れないと思うんだよ。しかもエイトビートに合わせてなんていうのはここ3,40年しかないんだよ。それこそ60年代にビートルズが入ってきてやっとグループサウンズがやり出してさ、それだってゴーゴーだったわけじゃん。そんな簡単に変わらないよ、人間て。だから何でも踊れるわけじゃないんだよ、絶対。踊ってるふりはできるというか、動作としての踊りはできるけど。だけど真の意味でのダンスってのは違うと思っていて、もっと開放的な出来事だと思うんだよ。だから踊れないのになぜかこれでは踊れるっていうのは、本当に楽しい事なんだと思う。わたし歌なんて歌えないのに、これだと歌えちゃうみたいな。ツェッペリンにはそういうのがあると俺は思ってて、ロックで拳とか上げないのにツェッペリンだと熱くなってしまう。自然と踊れるっていう。だから踊れるって前提で作られてる音楽って、俺は全部好きじゃない。本当は踊れないはずだから。日本人は特にそう。でも黒人ならいけるんだよ。だから黒人がやってるダンスミュージックってすごい自然だと思うんだけど。こんな極東の変なとこではね、やっぱり簡単にはいかないよ。

Nirvana – From the Muddy Banks of the Wishkah
僕がバンドやりたいと思ったのはニルヴァーナかな。『From the Muddy Banks of the Wishkah』っていう、公式に出てるライブアルバム。これがめっちゃ好きで。バンドやるきっかけになったのもニルヴァーナやダイナソーJrの人がやってるセバドーとか、オルタナティヴ・ロックの影響で。あのへんのオルタナが突然好きになったから、このライブ盤聴いてバンドカッコいい!ってなって。

-それはどんな瞬間に感じたんですか?
好きすぎて何も言えないな。もうその1年はニルヴァーナしか聴いてなかったからね。あと『Live! Tonight! Sold Out!!』っていう公式のライブビデオがあってそれをずっと観てた。バンドやりたいと思いながらも、こういうの好きな人が他にいなかったから。

-ニルヴァーナがものさしになってるというか、好き・嫌いを決めるスタンダードになっているんですか?
そう、だから当時はメタルがすごい嫌いだったからね。ニルヴァーナのせいで(笑)。今聴けばアイアン・メイデンとかめっちゃ面白いじゃんとか思うけど。彼らはいわゆる商業ロックとか大嫌いじゃん。だからそれはもう潜在意識にすごい刷り込まれてて、ボン・ジョヴィとか目の敵にしてたからね。逆に今めっちゃいいじゃんと思うけどね。カート・コバーンも好きらしいんだよ(笑)。初めて観に行ったライブがボン・ジョヴィって言ってたから(笑)。

The Shaggs – Philosophy of the World
シャッグスは世界一下手なスリーピースバンドで、大好きなんですよ。オワリカラの「砂場」の歌詞にも出てきて。シャッグスはイノセントで泣けるね。ちょうど次女が今年ソロアルバム出したんだよね。44年ぶりに。

-44年ぶり!マイブラよりすごいじゃないですか(笑)。
まぁ最悪だったけどね、上手くなってしまったから1ミリも良くなくて。下手じゃないって意味じゃないんだけど、バンドのイノセントさをあんなに記録してるのは、他にないからあれは失いたくないなっていう。

-バンドがどれだけ転がって行っても、そういうイノセントなところはなくしたくないって事ですか?
うん、ってかそれがないと泣けないよね。本当に下手なロックなのに泣けるんだよね、シャッグスって。あれは超すごいと思う。でも作為的な所が全然ないんだよ。なんか自分達が10歳くらいの時に失ったものだからこそ、泣けるんだと思う。でも、みんなその破片みたいなものはあるじゃん。だからそういうものが反応するんだと思うんだよ。シャッグスって商業的なものが全くなくやってきたから、あれ親父がレコーディングしてるからね。父親が3姉妹に楽器持たせてやったから、本当に教育の一環としてやってるというか。それはすごいと思う。

-でもそんなのが名盤として残ってるわけじゃないですか、それがすごいですよね。今で言ったらホームビデオみたいなもんじゃないですか。
本当にそういうところからしか、イノセンスは出てこないんだろうね。この5枚が潜在意識に影響を与えてます。

【BELONG Magazine Vol.6はオワリカラのインタビュー・ルーツを掲載】

【BELONG Magazine Vol.3はオワリカラの表紙で、インタビューを掲載】

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