今作では音楽面においてもスタイリスティックなくらい多種多様な曲が入ってる。だから今回のアルバムについては、音楽的にtoo muchだって感じる保守的なリスナーは多いだろうね!

アーティスト:ポール・スミス インタビュアー・翻訳:Yada Mayumi

-ある記事で、あなた達は「俺達のリリックと音楽は気取ったスタンスではない。俺達はエモーショナルなバンドなんだ」とおっしゃっていましたが、今作のタイトルの「Too Much Information」は、そのエモーショナルさが時にtoo muchに感じられることがあるとしても、あくまでもこれが自分達のスタンスである、という思いをこめてつけられたのでしょうか?
ポール・スミス:そうだよ。「Midnight On The Hill」という曲からとったんだ。夜遅くに会話してるとたまにそうなると思うんだけど、2人で話してて、どちらかが変なこと言ってしまったりして相手が黙ってしまうという。今ではもう5枚のアルバムをリリースしていて、僕たちが作品に個人的な事をいれすぎるかいれすぎないかのギリギリのラインを越えてしまうことを気にするようなバンドじゃないと明らかにしたかったんだ。エモーショナルにバンドとしてはそういう曲がなきゃ信念を持って歌えないよね。今作では音楽面においてもスタイリスティックなくらい多種多様な曲が入ってる。だから今回のアルバムについては、音楽的にtoo muchだって感じる保守的なリスナーは多いだろうね!

-今作は、これまでがバンドが得意としていたダンサブルなギターロックナンバーだけでなく、繊細でどこかダークなメロディラインや雰囲気を持った曲も入っており、これまでの作品に比べてより表現する感情の幅が広がっているように感じました。今作を作るにあたり、バンドにとって新しい発見などはありましたか?
もうちょっとゆるやかな進化という感じだと思うんだ。というのはこれまでのどのアルバムでもエレクトロニックな曲と静かな曲というのはどっちもあったから。とはいえこのニューアルバムほどではないけどね。今作を制作する中での1番の発見は自分たち自身でこういう音を作れるだけの力を持っているんだと自信を持てたことだね。自分たちでアルバムをプロデュースすることでスタジオであれこれ試してみる時間が持てたんだ。これまでのアルバムはどれも4週間以内にはできてたのに反してね。人は年を重ねるにつれて自らの経験から学んで、これまでに自分がしてきたことに新しく積み上げていくべきだと思うんだけど、元気がなくなってつまらなくなってバンドも中にはいるよね!

-ボーカルについてですが、今作ではこれまでの歌い方とは違う歌い方をされている曲があり、曲によって細かく声の出し方を使い分けていると感じました。レコーディングの際、そういった使い分けについては特に意識されていたのでしょうか?
どの曲にもそれに合うようなスタイルで歌おうとしてただけだから、最初はそれについてはそんなに意識してなかったかな。自然と生まれてくる感じに任せてたから。数年前に『Margins』っていうソロアルバムを出したんだけど、あの作品は歌い方の技術を磨くのに役に立ったし、いろんな形で自分を表現できるんだっていう確信も持てた。でももっとシンガーとして鍛えていかないといけないし、新しい事に挑戦していかなきゃなとは思ってるよ。

-今作でもそうですが、あなたの書くリリックはとても文学的ですね。詞を書くにあたって影響を受けた文学作品や詩はありますか?もしあればいくつか教えてください。
たくさん本を読むようにはしてるんだけど、自分の1番の興味はやっぱり音楽にあるから、みんなが思うほど読んではいないよ!概して僕はフランク・オハラみたいな詩が大好きなんだ。彼はこの世界をごく日常的な言葉を使って表現する人で、でも一見平凡でありふれたものの中に存在する美にもまた目を向けようとしているんだ。このアルバムではストーリー性のある歌詞にしたいと思ってたから、自分が読んでるものをなんでも曲に落とし込んでいこうとしてて。「Leave This Island」はアラン・ワーナーの’These Demented Lands’っていう本を読む前に既にできてた曲なんだけど、読んだ後に歌詞の設定をスコットランドにして、本からインスパイアを受けたいくつか細かいことを歌詞に付け加えたんだ。「Drinking Martinis」はアルバムの中でもロマンチックで僕のお気に入りの曲なんだけど、これを書いてる時はドン・デリーロの’Underworld’を読んでた。アルバムのスリーブの中に曲にインスパイアを与えた本や映画の小さなリストが入ってるから、それを見ればLydiaやAudreが誰か分かるよ!

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僕はタイトルは時事的なものにしたいと思ってて、というのはアルバムというものはその時代のドキュメントであるべきだと信じてるからね。

-今作のジャケットに描かれているイラストは、情報過多によりあらゆる感覚が麻痺した虚ろな現代人のようにも見えます。タイトルの「Too Much Information」にはそのような現代社会に疑問を投じる、社会的なメッセージもこめられてりするのでしょうか?
僕はタイトルは時事的なものにしたいと思ってて、というのはアルバムというものはその時代のドキュメントであるべきだと信じてるからね。そこまで批判的なタイトルではないと思ってるんだけど、単に事実を述べているだけというか。ソーシャル・メディアはいい物だと思ってるし。だけどバランスのとれた生活を送るためにはある程度制限されなくてはならないよね。

-今作は新レーベル”Daylighting”かリリースされるそうですが、どのようなレーベルなのか、またなぜこのレーベルからリリースしようと思われたのかについて教えていただけますか。
自分たちのレーベルだよ。運営してる人達がすごいんだ!(笑)

-ミックスはDirty ProjectorsやDeerhunterなどを手がけられたNicolas Vernhesが担当されたそうですが、彼との仕事はいかがでしたか?
ニコラスはすごいよ。彼はそれぞれの曲が持つ生の個性的な特徴を生かしつつ、アルバムにまとまりを持たせてくれたんだ。君が挙げたようなバンドとの仕事でもそうしてきたんだよね。僕たちはアメリカのオルタナをたくさん聴いてるからシンセとギターが混ざり合った自分たちのサウンドにぴったりハマった。

-「Leave This Island」のPVは世捨て人の老人がテーマになっていて、とてもユニークなPVだと思います。これを見ていると、人によって幸せとは何だろうかとか考えさせられます。この物語でどういう事を伝えたかったのでしょうか。
今作のアルバムのジャケットも手がけたマット・ストークスというアーティストと作ったんだ。彼は「Leave This Island」のビデオでは僕たちみんなが経験し得る、心理的な孤独に焦点を当てたいと考えてた。年老いた男が比喩的な孤島に住んでいて、この設定ってこのビデオを作るうえで妙に感動的だと思ったんだよね。この曲は例え連絡をとるのが難しくても誰かに会おうとすることを歌ってて、そんな人達に自分の内に秘めた感情を吐き出させるような曲なんだ。

-今作はバンド自らのプロデュースし、ジ・インヴィジブルのデイヴ・オクムとフィー ルド・ミュージックのピーター&デヴィッドのブリューイズ兄弟が参加されたそうですね。彼らの参加によって、新しいアイデアが生まれたのでしょうか。
うん。デイヴ・オクムは「Brain Cells」でなめらかなエレクトロサウンドを出すのに貢献してくれたよ。ジェシー・ウェアーのアルバムでの彼の仕事が気に入ったんだ。ブリュワーズ兄弟のことは元々よく知ってて、初めの方は彼らのサンダーランドスタジオでとてもいいレコーディングができた。ピーターはマリンバを演奏するし、デイヴィッドはベースを弾けるんだ。彼には僕のソロアルバムでもベースを弾いてもらったから、彼がどんなにいいかは知ってたんだけどね!僕たちのギタリスト、Duncはいつも一緒にプレイする人達からヒントをもらって色んな機材についても彼らから学んでるよ。このアルバムが完成したのは新しくニューカッスルに作ったスタジオでのエンジニア関係の仕事を彼が全部やってくれたからなんだ。

-エモーショナルなバンド、とおっしゃる通りとりわけライブでは大きい会場であれ、小さい会場であれ、力強いパフォーマンスをされていて、それが観客をひきつけていますね。すでに日本でもいくつかフェスでのライブを経験されていると思いますが、日本のオーディエンスの印象はいかがですか?また、今年4月の日本でのライブに向けての意気込みを教えてください。
日本に滞在するのは大好きだよ!すごく楽しいカルチャーショックだね。日本は僕に寿司を教えてくれて、今じゃずっと食べてるよ!日本のオーディエンスは僕たちのこれまでの作品に敬意を払ってくれるし同時にエキサイトしてくれるから、たくさんの人たちにライブを観に来てほしいな。今回のアルバムは特別だと思ってるから日本のファンの前で演奏するのは楽しみだよ。代官山UNITへ僕たちのライブを観に来てくれたら、エネルギッシュでエモーショナルなライブを観られるよ!じゃあまたすぐに会おう!アリガト!

『Too Much Information』

【BELONG Magazine Vol.6はMaximo Parkが表紙・インタビュー掲載】
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