Gotch名義となる初ソロアルバムは、どことなくベックの最新作を彷彿とさせる。失礼ながら「年取ったなあ」とも思えるし「ルーツ色の強い作品を作りたかったんだろうなぁ」とも思えるくらい、貫録とフォークソングへのリスペクトを根底に感じるアルバムだ。思えば彼のソロ活動は近年活発で、THE FURURE TIMESの発行や本作収録の3枚の7inchシングルはもちろん、昨年にはThe chef cooks meのアルバムのプロデュース、そして10周年ライヴでのソロステージも経験している。バンド活動は節目を迎え、バンドのフロントマンからオピニオンリーダー、プロデューサーとマルチなアーティストへ進化したゴッチの活動の集大成がここにある。

旧曲で例えるなら「青空と黒い猫」(『マジックディスク』収録)のようなしっとりとしたトーンの楽曲が中心、ロックのゴリゴリ感やBPMは控えめだ。アコースティックを主体にシンセサイザーやパーカッション、ターンテーブルなどを本人が手掛けている。アジカンと違って1からのスタートであるソロ活動だからこそ、肩の力が抜けて気ままに自由なことができている様子はなんだか嬉しくなる。特に「アスピリン」はアチコがコーラスで参加していて、幼児向け絵本のような可愛らしさがあって好きだ。ジョン・マッケンタイアのミックスは「Nervous Breakdown / 軽いノイローゼ」の電子音などで生かされている。柔らかなアコースティックギターに電子エフェクトが混ざる様子はDE DE MOUSE「sky was dark」みたいでとても知的だ。

今後ゴッチはきっとベックになるし、ボブ・ディランにもなっていくのかもしれない。「wonderland/不思議の国」を聴いたときふと「Like A Rolling Stone」にも似た感覚を覚えただけではなく、もう若いバンドマンにとって、ゴッチはルーツでありリスペクトの対象となってきているから。それとベックの今作はディランを匂わせていたりもするし…ともかく本作は、ゴッチが音楽シーンでさらに名を残すための1枚になるのだと思う。

【Writer】ŠŠŒ梶原綾乃(@tokyo_ballerina)

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