後藤正文、尾崎雄貴、小林祐介らが名を上げて「注目している」と言ったバンドがいる、それがFor tracy hyde、2012年に菅梓が立ち上げたバンドだ。当初はほぼソロ・プロジェクトであったが、ツイッターなどを使ってメンバーを徐々に増やし、Maltineレコーズでのリリースやtofubeatsのシングルへの参加などで人気を伸ばしていた18歳のラブリーサマーちゃんが5人目のメンバーとして電撃加入したニュースは、とある界隈では大きな話題ともなってもいた。

菅が自ら立ち上げた自主レーベルCanata Recordsで既にリリースしていた「First Regrets」のリメイクを含めた計4曲、今作『In Fear Of Love』はそんな話題性と無料配布という販売形態から、発売初日から品切れ続出。どこで取り扱っているかはバンドの公式ツイッターをご覧になってほしい。

前置きが長くなったが、今作には上記したCanata Recordsでのリリースとは全く違う彼らの姿がある。端的に言えば、これまで彼らが敬愛していたシューゲイザー/渋谷系/ネオアコースティックに影響を受けたサウンドが、「どことなく感じさせる匂い」が一気に脱臭されている。あとに残るのは、王道J-POPを感じさせながらもイビツに組まれた設計図、そこには昨今リバイバルの熱がこもるシティポップへの愛情も伺えるが、「バンドである」ことに対する熱情が篭っているように聞こえる。

これまでの配信曲で伺えた綿密な音作りから離れるような、この距離感、この選択を「あえて」したのなら、それは意識的な自己変革にほかならない。ラブリーサマーちゃんというピースが生み出した変化は、大きなうねりとして伝播していきそうだ。

【Writer】草野 虹(@grassrainbow)
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