夏の終わりには、火照った体を冷やすようなサマー・ソングを聴きたい。禁断の多数決がレーベル「術の穴」よりリリースする新作「エンタテイメント」は、そんな残暑にぴったりの禁断的チルウェイヴを感じる作品となっている。

特に1曲目「ちゅうとはんぱはやめて feat.泉まくら」は、同レーベル所属の女の子ラッパー・泉まくらとのコラボレーション。もともと両者は、イラストレーター・大島智子をアートワークとして起用している共通点があるだけあって(?)、相性は抜群だ。禁断の多数決がみせる少女性のある声、言葉数の多いサビ。泉まくらのみせる背伸びした乙女ボイスと、ちょっとエッチで複雑な心境。お互いのヴォーカルはほどよく混ざり合い、ゆったりと幻想的なトラックを含めてもお互いを尊重し、世界観を保っているのが素晴らしい1曲である。

他にも、寄せてはかえす波のようなビート、耳を澄ませばセミの鳴き声も聞こえてくるような残暑フラッシュバック・ソング「メロウフィーリング」、これまでのアルバム終盤にある不穏な雰囲気の作風であり、自作への予告編となるべき「秘密の世界」が収録。そしてそれらのリミックスを加えると全5曲となる構成だ。筆者がこれを執筆している時点ではリミックス音源はあがってきていないのだが、今作もさっぱりとしたミックスから得体の知れない気味悪さまで飛び出してくるはずなので、ぜひ確認してほしい。

ところで、今作に至るまでの禁断の多数決はヴォーカルであるメンバー2人の脱退、新メンバー3人の加入というトピックがある。以前取材でほうのきかずなりは、「禁断の多数決をバンドだと考えていないので、抜ける加わるは普通のこと」と発言していた。今回のコラボレーションもその一つだと考えると、禁断の多数決には今後も数々のメンバーが生まれていくのではないだろうか?「エンタテイメント」は彼らのスタイルを輪郭づけるための重要作となるだろう。

【Writer】ŠŠŒ梶原綾乃(@tokyo_ballerina)

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