10.The Kooks – Listen
クークスとしては意外性のあるアルバム。Vo.ルークが普段聴いているような音楽や、今お気に入りの音楽のテイストを盛り込み、一つの作品の中で様々なジャンルの音楽を感じ取ることができる。それでも作品としてまとまりがあるのは、クークスらしいポップセンスがちゃんと残っているからだと思う。これからのクークスを期待させる一枚。


9.Frank: Music & Songs By Steven Rennicks
今年公開された同タイトル映画のサウンドトラック。主演のマイケル・ファスベンダーの歌声(と言うか叫び?しかも始終謎のマスクを被っているし。)がとにかくよかった。この物語の主人公のバンドに少しずつまとまりみたいなものが生まれるように、ハチャメチャな音達が少しずつ音楽になっていく。その過程を楽しめる実験的な一枚。


8.きのこ帝国 – フェイクワールドワンダーランド
以前までのきのこ帝国には作ることのできなかった作品だと思う。Vo.佐藤の中で様々なことが変化し、歌う言葉もより身近になっている。彼ら特有の歪みのある音もコンパクトになり、ポップなメロディーを奏でている。バンドをネクストレベルへと昇華させるべく、大きな一歩を踏み出した一枚になっている。


7.ゲスの極み乙女。 – 魅力がすごいよ
ゲス極とセカオワは似ていると思っているような人がちらほらといるようだが、それは違う。最近の流行りの四つ打ちロックバンドとも思われているようだが、それも見当違い。それを証明しているのが、まさにこのアルバムだと思う。川谷 絵音のソングライティングも然ることながら、音楽を基礎から理解しているメンバーによる大胆なアレンジ。ゲス極入門にオススメの一枚。


6.Sky Ferreira – Night Time My Time
職場で先行シングルの『You’re Not The One』がよく流れていて、気になって買ったのがこの一枚。80年代のポップスがベースになっていて、一人に女性シンガーの作品を聴いていると言うより、懐かしいラジオ番組を聴いている感じに近かった。浮遊感のある彼女の歌声も非常に印象的だった。


5.ART-SCHOOL – YOU
新メンバーを加えて間もなくリリースされた前回のフルアルバムは、良くも悪くもそれまでのアートらしさを感じさせなかった。しかし今作は、「聴いてくれる一人一人にちゃんと届ける」という思いの下、各楽曲が丁寧に作られている印象を受けた。聴く側の存在を意識することで、今までよりさらにART-SHOOLというバンドを近くに感じさせるような内容になっている。


4.syrup16g – Hurt
待望のシロップ復活作である。五十嵐 隆の歌声が変わっていなかったのが、何よりうれしかった。解散から長い時間が経ったからか、メンバー一人一人の演奏スキルは高くなり、バンドが出す音に厚みが増しているような気がした。復活作なのだが、本当のSyrup16gはここからなんだという高い意思が感じられる。


3.Sharon Van Etten – Are We There
この方がどのような人なのか未だによく分からない。ボーカルだけでなく、他の楽器もほとんど一人で演奏しているらしいし(一応バンドメンバーはいるようで、恐らく宇多田 ヒカルと似たような制作スタイルを取っていると思われる)。だからこその自由で説得力のある作品。何より、彼女のハスキ-で大らかな歌声に魅かれた。


2.the HIATUS – Keeper Of The Flame
サポートでピアノを担当していた伊澤 一葉が正式メンバーになり、エルレガーデンの活動休止以降、新譜を買うことがほとんどなくなった細見 武が今の音楽(特に洋楽)を追うようになったり。バンド内のちょっとした変化から生まれた、それまでにない新しいハイエタスを感じさせる一枚。


1.くるり – THE PIER
「今まで聴いたことがない!」と新鮮な気持ちになる、だけど懐かしい。和物っぽいのに異国情緒たっぷり。聴く度に不思議な感覚になるけれど、一つ一つの音がすっと耳に入って心地がいい。こんなアルバムくるりにしか作れないと思わせる、個人的にはくるり史上最高傑作。

【Writer】桃井かおる子