卑屈になった、士気を上げたい、そんな時に聴きたいアルバムってある。マイナー・スレット?相当怒ってるね。ジョイ・ディヴィジョン?キミ、それはちょっと暗くないかい?まあいい。でもロックンロールが好きなら今年は絶対このアルバムだ。ボクはもうすでに5回は救ってもらってる。これはThe Jon Spencer Blues Explosion(以下JSBX) の最高傑作だ。だってタイトルに”Dance Party”って入ってるだけで、すでに星が5つついてる。

話は1998年にさかのぼる。前身のプッシー・ガロアのアヴァンギャルド路線を完全に捨て去り、転機を狙った5作目『ACME』は、ファンクを全面に出し、メインストリーム寄りの内容であったが、ライブで見られるようなエネルギッシュさが感じられず、不完全燃焼な印象が残る作品だった。SUMMER SONICで前の出番のジェームス・ブラウンが時間を使いまくった後、トリなのに持ち時間30分のライブを強いられたのもその頃だ。ファンクの大先輩を前に「まあ、しょうがないっすわ・・」みたいな日和ったコメントだった。それ以降、JSBXはパワーとスピード感で押していくフィジカル性を高めるような作品が続いた。その方向性で極まったのが前作『Meat And Bone』だった。ひたすら音がでかくて、突進していくようなアルバムだった。

時は来た。満を持して再びブラックミュージックに強く寄せてきたのが今作だ。あの頃と比べものにならないほどフィジカル性が高くなっており、肉体改造してバンバンホームランを打ってた清原みたいな、圧倒的なパワーを持つアルバムになった。ソウル、ヒップホップ、ファンクのグルーヴをすごいパワーとスピードで自由自在に動き、疾走する。今作を「ニューヨークへの私怨と愛情を詰め込んだ」とJon Spencerは言う。彼に染み込んだ、溢れんばかりのルーツミュージックの神髄がどんどん展開されていく。実際に、2分台、1分台の曲が多くって、ロックンロールのツボをどんどんコンボしていくような爽快感で、あっという間にアルバムを聴き終わってしまう。

同時期にデビューし、かつてコラボ曲も制作したBECKがアコースティックアルバムでグラミー賞をとった去年にJSBXはこんなにもロックロールの意欲が詰まった作品を仕込んでいた。まだ全力疾走してる。嬉し過ぎるじゃないか。もうジェームス・ブラウンはこの世にいないが、今だったら「おい、コラ」って胸ぐらを掴んでるはずだ。それくらいあの頃と比べ物にならないほど男を上げた作品なのだ。

【Writer】ŠŠŒTJ(@indierockrepo)
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