最終更新: 2022年1月23日
英国に行った時は、50人規模くらいのライブハウスにいつも足を運んでいる。そこに出演するのは、小規模のインディレーベルに所属する、NME誌に載らない、ましてや来日もしない無名な英国ローカルバンドたちである。無名ではあるがローカル・バンド独特の”土着感”が出てていて、興味がつきない。楽曲でも、パフォーマンスでも、英国特有のセンスで突き詰めて、どこかやり過ぎてる。ダメなバンドもいるが、メインストリームを凌駕するような奇跡的な瞬間に出会う事も少なくない。予定調和のない出会いほどインパクトは大きい。消毒された(洗練ともいう)世界市場のバンドでは逆に味わえない感動だ。商店街の大衆中華料理屋に入って、半年くらい前の少年マガジンを手にとった時のなんともいえない感じ。そういうところの餃子がニンニク効きすぎてやたらうまかったりする。追いついてない部分を、本質が勝ってくる。通いたくなる隠れた名店を見つけた、あの感じに近い。
BLOSSOMSはマンチェスターを地場に活動しているバンドだ。
“マンチェスターのスーパーバンドになろうと高校の同級生で2013年に結成。The Coralのボーカル/ギターであるジェイムス・スケリーが彼らの曲「You Pulled A Gun On Me」に惚れ込み、スタジオに招待。1年間の大半をリハーサルルームで過ごし、その成果に2014年10月にはシングル「Blow」をリリース。2015年3月には「Cut Me And I’ll Bleed」をリリース。それに伴うUKツアーは続々とSOLD OUTになっている(※VINYL JUNKIE発信のプロフィールを要約)”。さすがスタジオで1年も篭っただけあってか、BLOSSOMSの楽曲はどの曲も英国バンド特有の哀愁がすごく煮詰まってるところで完成度が高い。このやりすぎてるくらいの煮詰まり具合が、前述の”土着感”にも通づるところで、マンチェスターバンドである所以の特徴だ。
彼らをフックアップしたは、同じ北部出身であり、英国のルーツロックでこだわった楽曲で知られるThe Coralのフロントマン、ジェイムス・スケリーだ。現在はSkeleton Key Recordsというプライベートレーベルも運営し、ジェイムスのソロ活動や、地元のローカルバンドのリリースしている。BLOSSOMSもここからリリースしている。もしロンドンの有名レーベルであればロック雑誌にも取り上げられるし、全世界的な露出が出来るかもしれない。でも彼らはマンチェスター発のスーパーバンドになりたかったのだ。FACEBOOKの出身地欄には”GREAT MANCHESTER”(偉大なマンチェスター)としている。ここを拠点に、バンドを世に知らしめることが、彼らの夢だ。
今回リリースされる『EXTENDEDLY PLAYED』は、すでにシングルでリリースされている楽曲を含む6曲で構成された日本独自企画盤である。デビューシングルからアルバム制作に入るまでの短い期間は、バンドにとっては一番ポジティブで、クリエティブな時期だ。後にステップアップしていく原点的な位置づけだ。感覚を信じて愛聴すれば、必ず思い出の1枚になるはずである。さらに、この4月には都内で2本の来日ライブが予定されている。4月22日はPEACEとのスプリットであるが、翌4月23日はなんと単独公演である。東京近郊の方には、この夢見るマンチェスター青年たちを、是非目撃していただきたい!
【Writer】TJ(@indierockrepo)
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【Live Event】BELONG Magazine Presents “Make It Scene Vol.1”
2015.05.23 (sat)@LIVE SPACE CONPASS (心斎橋コンパス)
Live:DENIMS/The Foglands/NOWEARMAN/THE PINBALLS
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