私のアレンジって、実はシンセが奥で何重も鳴っていたり、シンセとベースが一緒に音を鳴らしていたり、その辺りのどこを取っても雰囲気が違うっていうような点のアレンジがけっこう存在するの。

アーティスト:Chara インタビュアー:ohamu

-今作はギタリストに名越由貴夫氏やエンジニアの美濃隆章氏を迎えるなど、かなり豪華な人選だと思いますが、どのような基準で選ばれたのでしょうか。
基本、Charaとマニピュレーター(プログラムの手直ししてくれる人)とエンジニアで。ギターはいつもの名越くん、ベースはキタダくん(キタダマキ)が多く参加してくれて。いつもセッションしたりしているような周りのミュージシャンしか参加してない、「あの方にお願いしました」っていうのはひとりもなくて。マイペースに、信頼のおけるミュージシャンでやりました。ただ今回は、toeの美濃さんをエンジニアに迎えて作った曲が何曲かあって。自宅でのレコーディングをより実験的に試してみたいっていうのがあって、彼の機材とかを持ってきてもらったりもして。最初に録った「せつなくてごめんね」が良かったんで、調子づいて他の曲もやってみたいっていう感じで進みました。

-個人的には「恋は目を閉じて」や「はちみつ」が気に入りました。トラックメイキングが面白いですね。
mabanuaはすごく才能があると思う。ドラマーでもあるし、ソングライターでもあるけれど、音作りが日本人っぽくないというか。自宅でも結構曲を作ってる器用な人だと思うけど、私とやり始めてからいろんな人とレコーディングする機会も増えてきて。ドラムだと、最近はくるりのサポートやGotchバンドとかでやっていて人気になってきて。ドラマーだけどサウンドプロデュースできる人って少ないし、彼のソロもとてもいい。

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-そうなんですね、「はちみつ」のビートがすごくいいなと思っていて。
彼はもっと黒い感じだったの。ポップスは好きみたいなんだけど、D’Angeloとかそっち系で。日本にこんな人いるんだ、っていう。最初会った時はドレッドヘアだったし、アフリカ人っぽかったし(笑)。

-Charaさんの楽曲は他の日本の女性アーティストと比較すると、ビートが独特なのではないかと感じます。なぜそのようなビートがご自身の中から生まれてくるのでしょうか。
そんなに難しいことはしてないとは思う。ドラムの音質を伝えたりはするけど、シンプルに、自分が簡単に再現できるようなものしか希望してなくて。あとは、意外とビートを強調するリフとか、そういうものとの兼ね合いで独特に感じるんだと思う。私のアレンジって、実はシンセが奥で何重も鳴っていたり、シンセとベースが一緒に音を鳴らしていたり、その辺りのどこを取っても雰囲気が違うっていうような点のアレンジがけっこう存在するの。それは自分のアーティスト性を守るために、エンジニアさんやプレイヤーに要求するんです。「こうしてみたらどう?」っていうのを先輩からもらうこともあるんですけど、「私はこれがいい」っていうのを伝えるんです。そういう自分のアーティスト性を守る勇気。「なんでもお任せ」っていう風にするともっと普通になるんだろうけど。それはベースをすごく勉強してる人が考えるフレーズじゃなかったりするけど、私が仮で弾いたベースを再現してもらったり、「これはいらない」とも言うし。その頑固さというかワガママって言っていいと思うんですけど、それは出てると思います。

-Charaさんは2013年にFUJI ROCK Fes.に出演されていましたが、日本の女性アーティストで、FUJI ROCK Fes.の枠に入る方って少ないんじゃないかと思うんです。
その時はBa.がKENKEN、Gt.がTHE NOVEMBERSの祐介で、すごいおもしろかった。他の女性アーティストって誰と比べてっていうことなのか分からないけど、たぶん曲作りや歌詞が一番じゃないところが独特なんですかね。若い子でも宅録がリーズナブルにできるし、そういうアーティストさんがどんどん出てくると思いますけど、私が若い頃はそういうのを安くできなかった。でも昔から宅録が好きだったんですよね。楽器が好きで、曲を作ったりアレンジしたりするのが好きで。だから全部の微妙なバランスで成り立ってるっていう部分なのかなと。どのアーティストさんもいろんなバランスがあるんですけど、私はアレンジというか音にこだわりがあるんですね。

-それが揺るがないっていうのはご自身のカラーを守るっていうことなんでしょうか。BELONGでも度々取材しているTHE NOVEMBERSも今回のアルバムに参加していますね。どうして彼らと一緒にやろうと思ったのでしょうか?
祐介が小学生の時からCharaの音楽を聴いていて。彼らの新しいアルバムと「この曲はCharaのイメージで作りました」っていうお手紙とかっこいいアーティスト写真を送ってくださったんですよ。それですぐ聴いたらすごく良くて、そうやって送ってきてくれるとすごく興味が湧くし。で、次の日彼らのライブがあって観に行ったんですね。そこからの付き合いで「何かやろうよ」って言って。mabanuaもそうですよ、CharaのファンでCDを持ってきてくれて。聴いたら「かっこいい!D’Angeloみたい!」ってなって、近いうちに何か一緒にやろうって話になったっていう。

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-今回のアルバムは共演されたそれぞれのアーティストの個性とChara自身の個性のどちらもが引き立った曲ばかりではないかと思います。共演されたアーティストとはどのように曲を作り上げて行っているのでしょうか。
セッションミュージシャンとはデモテープや歌詞を送って、ギターは何がいい、ベースは何がいい、アコギも一応持ってきてほしいっていう機材の話くらいで。あとはみんな勘がいいからだいたい3回目くらいまでにレコーディング終わっちゃう。1発目が一番良い様に音作りとかアレンジにこだわって確認して。あっという間にレコーディングは終わっちゃうんです。

-みなさんスケジュール的にもお忙しい方ばかりですが、制作において日程の調整など、苦労した事はありましたか?
それは苦労といえば苦労なのかもしれないけど、みんな快く「行くよ」って言ってくれてるのでそれは本当に嬉しいし、レコーディングを楽しんでもらって仕上がりを楽しみにしてもらえるようにしたいですね。現場が楽しいっていうのはミュージシャンにとってとても良い事です。

-以前、セルフカバーアルバム『JEWEL』を作られたかと思うのですが、どうしてご自身の楽曲をセルフカバーしようと思ったのでしょうか。
レコード会社にやってほしいって言われて、最初はやりたくないって言ったの。だってかっこ悪いんだもん、セルフカバーってみんなやってて。みんながやってることって全然興味がなくて。だけど裏の事情とかではなく、どうしてやりたいのかっていう話を聞いたら「細かいプロモーションがしたい、昔の曲で今まで行けていなかった場所をライブで回るのはどうかな?」って言われた時に、それはおもしろそうって思ったの。そういう小さいライブ会場を回るのはやってなかったし、昔と声や歌い方もだいぶ変わってるから、今の私の声で歌うのは親切かもしれないと思って。いざ始めたら大変だったけど。過去に完成されたものを、例えばアコースティックアルバムっていうコンセプトにするのは簡単、ライブアルバムにするのも簡単。だけどそうじゃなくてかっこよくて、今の私のフィルターを通してて、昔のヒットしたイメージのある曲を今聴いても納得してもらえる仕上がりにする。それは結構やりがいがありましたね。

-作ってみて、周りの反応はどうでしたか?
弟はアメリカ人なんですけど、THE NOVEMBERSとやった曲を聴いて気に入ってて、かっこいいって言ってました。そういうマニアックなものをアルバムに入れることができたのもおもしろかった。それはインディーズ時代の曲なんですよね。「何を一緒にやりたい?」って聞いたら、祐介が「あの曲がいいです」って言ってインディーズ時代の曲を上げるから(笑)。そこをやらせてくれたっていうのはレコード会社に感謝ですね。それがなかったら自分の過去を振り返ることはなくて、先の表現しか考えなくて。どんどん曲は出来ていくから、『JEWEL』を作るのはとっても面白かった。昔の歌い方を聴く機会ってそんなにないから、この声出るかなって思ったり、改めて自分に影響が出て。それもたまにはあってもいいかなって思いました。娘も参加したしね。

-『JEWEL』の制作時に携わったアーティストも今回のアルバムに参加しているようですね。どうしてセルフカバーアルバムで共同作業した人達を今回のオリジナルアルバムでも参加してもらおうと思ったのでしょうか。
お気に入りだから。ライブもやってるし、良き理解者で。THE NOVEMBERSとは台湾にも一緒に行ってフェスも出てるし、特別なライブもやってるから。

-今作をどのような人に聴いて欲しいと思いますか?
自分自身が音楽を聴きたいって思う時っていい音楽、いい歌詞が聴きたいって時で。いかに本気で純粋に音を出しているかっていうのは分かるから。自分をいかに純粋に出していくかっていうのを私自身は続けているんですけど、何事でも続けるのって大変だし、その続けてるっていうことで勇気を与えられたらいいし。あと愛の歌を歌っているけど、小さい頃から愛ってなんだろうっていう想いが変わっていなくて、同じように自分の職業って女だなって思ってる人にも聴いてほしいし、女って怖くて神秘的で大好きって思ってる男の人にも聴いてもらいたい。あとは洋楽を聴いてるけど、本当は日本の曲も聴きたいんだよって思ってる男の人にも聴いてもらいたいです。デビュー当時はファンの7割くらいが女の人だったんだけど、歳を重ねたせいか最近は意外と男の人もライブに来てくれるし。いろんな世代の人に聴いてもらえたらいいですね。

【interview前半】Charaが語る、自分自身を表現した『Secret Garden』
THE NOVEMBERSのインタビューも同時公開

『Secret Garden』

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