先行MVの「Danger In The Club」は英国パブの日常にロックンロールで切り取った、英国ロック好きにはたまらないものだった。そしてここまでの完成度のブリティッシュ・ロック・アルバムを出してくるとは思わなかった。これはかっこいい。「パブロックや70sパンクバンドから着想を得た」と本人が公言もしているように、ブルースハープや、シンガロングを大胆に取り入れたことで、ワーキングクラス視点の伝統的英国の泥臭さがすごく出ている。それに、前作から失速することない、突き抜けたルーズさ。この2つ要素がマッチし、正攻法ではありながらも、実はかなり新鮮な感触の作品になっている。

本国のメディアが絶賛するように、確かにTHE LIBERTINES、KASABIAN、ARCTIC MONKEYSに続く、トップバンドの仲間入りの、足がかりには十分の出来だ。個人的に、前作『180』は曲調も、演奏も、録音状態も、ルーズで自由過ぎてまとまりがないアルバムだと、そこまで評価してなかった(同じようなスタイルのバンドが同じ時期にデビューしていて個性に気づかなかった)。

しかし、この時に自由奔放にやりつくしたことが、実は今作の成功につながってる。今作がセカンドアルバムのジンクスである“セールスを気にしすぎてつまらない作品”に陥らなかったのは、彼らのスタイルや曲に心底惚れ込み、あえて奔放路線をとった、ROUGH TRADE(およびは主催のジェフ・トラビス)の判断の賜物だ。良いレコードはバンドだけの力では作りえない。プロデューサーにジョンレッキーを引っ張り出したのも大正解だ。XTC『GO2』、MAGAZINE『REAL LIFE』、The Stone Roses『The Stone Roses』、RADIOHEAD『The Bends』彼がプロデュースした作品は、それぞれのバンドの転機となった。ロック史で最重要に位置する作品ばかりだ(これらの作品群と『Danger In The Club』の共通点を探してジョンレッキー節を味わうのも楽しい)。ジャンクボックスのようなPalma Violetsの奔放スタイルの中から、曲のキーとなるメロディやパートを効果的に浮き立たせ、奥行きがあり、魅力がわかりやすい作品に仕上げている。今作のキーである”英国の土着さ”をPalma Violetsから引き出したのもジョンレッキーではないだろうか?

この作品を通じてPalma Violetsは大きく躍進するであろう。果たして次作は『SECOND COMING』や『OK COMPUTER』のような大転機で驚かせてくれるだろうか?いや、そう焦る前にこの素晴らしい『Danger In The Club』をしばらくは堪能し、Summer Sonicでの来日に備えようじゃないか。

【Writer】ŠŠŒTJ(@indierockrepo)
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