今UKプロジェクトにいるから、このレーベルの売れてるバンドのファン全員かっさらいたいです(笑)。

アーティスト:杉本亘(Vo/Gt) インタビュアー:マリリン

-バンド結成のきっかけを教えてください。
杉本:ベースの清水旺とハロウィンの日に遊んでいて、音楽を始めようかってなったのがきっかけですね。そこから2人で曲作りをしていたのをネットにアップしていたら、高校時代の知り合いが「俺も一緒にやらせてよ」ってどんどん入ってきて。いろんな人とやってそのなかで一番いい2人を選んで今の4人に至るって感じです。

-バンド名である、DATSはどのようにして決まったのでしょうか。
旺くんが突然「DATSじゃね?」って言ってDATSになりました(笑)。響きが良くて、この名前にしました。

-初のCDリリ-スとなりますが今の気持ちを教えてください。
ただ単に嬉しいです!中学のときにバンドを始めて、CDを世の中に出すことの難しさを身に染みて感じていたんで、まさか今出せるっていうのがすごく嬉しくて。自分が作ってる音楽が形になって出せるというのがすごいことだなって今、実感してきました。不安はないけど、これからの期待は膨らむばかりです。

-『DIVE』というタイトルに込められた意味を教えてください。
“DIVE”って聞くと潜り込むとか飛び込むっていうイメージや意味があって。でもずっと潜り込んでいるとやっぱり息苦しくなって地上に出たくなるじゃないですか。また現実に戻るっていう。ずっと空想の世界ばっかり見続けてても息苦しくなる時がくるから、僕らはあえてそこに現実の気持ちや生のものを大切にしたいねっていう思いがあって。潜りたいっていう気持ちもあるんですけど、どんなに夢見ても現実は現実だっていうことですかね。アートワークも表面に水があって、その下に実際の風景があって。潜ると現実があるみたいな。その中に俺らの音楽があるかもしれないし、ないかもしれない。

-今作のコンセプトがあれば教えてください。
DATSってこういうバンドだよっていう名刺代わりの1枚ですね。爽やかというか夏っぽい。6月に発売なんで暑苦しいけど、爽やかみたいな感じで。さらっと聴けて爽やかでかつDATSってこういうバンドという4曲を選びました。

-私は聴いたときに全体を通して夜のキラキラしたネオンやビルの人工的な明かりの中を車で疾走するというイメージでした。
それは言い得ているかもしれない。やっていることが同期や電子音っていう人工的なものを使っているけど、基本的にはアナログなことをやっているんで。だから人工的なものが見えてるなかで夜物思いに耽りながら車を運転するっていうのは的を得ているかもしれないですね。どんなに人工的であっても人間が頭の中で考えて、それをアウトプットするっていうのは、そのアナログな営みは変わらないんで。僕らはカチカチのエレクトロバンドではないです。よく勘違いされるんですけど、やってることはオルタナティブですね。

-どの曲もイントロが特徴的ですが、ソングライティングで意識していることはありますか。
まず第一に絶対的にメロディーがキャッチーであること。それさえ守れれば、自分らのやりたいことが世間的なニーズに合っていなかったとしても、聴き手を取り込める武器になるかなと思っていて。あとは自由なようにやる。もっと言うと、最初はクラブミュージックが好きで、その影響を入れようとして、四つ打ちも取り入れたりしてるんですけど。最初作った曲のほうが同期や電子音とか、クラブミュージックっぽい楽曲だったんですけど、スタジオで合わせているうちに生じゃないとおもしろくないってなってきて。同期を取り入れつつも、自分たちのエモーショナルな部分を出していけるようにしてる、っていうのは意識してますね。

-1、2曲目に「some boy」と「candy girl」という言葉が並んでいますが、この2曲には何か繋がりがあるのでしょうか。
うわー、だから嫌だったんだよ(笑)。繫がりはないです。そういう風に言われるのが嫌だからこの流れは絶対やめようってメンバーで言ってたんですけど、聴いてて「some boy」が一番最初がいいねって話になって、結果的にこうなったんです。

-そうなんですね(笑)。「six feet under」はサビに強い意志や決意のようなものを感じます。この曲の歌詞はどのようなことを歌っているのでしょうか。
それめっちゃ恥ずかしいな(笑)。”You are nothing”って女の子のこと歌ってるんですけど、“君はなんでもなくて 僕もなんでもなくて そんな僕らを見てくれている神様がいるんだよ”みたいな感じなんですよ。ちょっと和訳すると恥ずかしいですね、汗かいてきた(笑)。

-どうして英語で歌おうと思ったのですか。
日本語で歌うのは下手だなと思って。英語のほうがかっこよく歌えるなって。海外で暮らしてたんで、英語を話せるんですよ。その武器を生かさないわけにはいかないなっていうのが最初にあって。歌詞をサラサラっと書けるとかではないんですけど、ゴロの良さとか単語の音があてはまるかどうかだけを意識しているんで英語のほうがかっこいいなと思います。日本語より英語のほうが子音が豊かでかっこいいんですよ。

-レコ-ディングで大変だったことはありますか。
全てが大変でした。初めてだったんで、分からないことだらけで。そういうのって自分たちの詰めの甘さが露呈するわけじゃないですか。画面の中に波形が出て、ここどうなの?みたいなのが多くてそこで行き詰ったりしました。基本中の基本なんですけど、ちゃんと準備して臨むのが大切なんだなって。あんまり言うとマイナスになっちゃうんだけど(笑)。エンジニアの人に「よくここまで来れたね」って言われたのが印象に残ってます。俺らみたいなのがこんなところにいて、逆にエンジニアさんに申し訳ないって感じになって。もっとうまくなろうってその日から思うようになって。レコーディング終わった直後のライブはかなりいい感じだったと思います。なんか上手くなった気がして、レコーディングでだいぶ変わったと思います。ただただ自分たちがやったことを見直すって作業なんですけど、それだけでちゃんとなるというか。

-HPではプロフィールを英語でも読めるようにしていますね。The fin.を始め、国内でも海外でも垣根なく活動しようというバンドが少しずつ増えてきていると思いますが、そういったバンドに共感する部分はありますか?
もちろんあります。同じ英詞だし、あれだけの音楽をやっていて日本とか海外で線を引いてるわけじゃない。僕らも線を引いて活動したくないなって思いはあるので。でも僕らは汗ダラダラになってライブするし、感情もむき出しにしながらライブしてるんですよ。おしゃれにクールにってよりかは、ダサくてもいいからストレートに素直に伝えるようなライブや曲を心掛けていて。そこは他のクールさのあるバンドと比べて違うかなと思います。

-BELONGには、“Roots Rock Media”というコンセプトがあります。それにちなんでDATSのル-ツを伺いたいのですが、バンドのル-ツに当たるアルバムを3枚教えてください。またそれぞれのアルバムからどのような影響があるのか教えてください。

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NIRVANA『NEVER MIND』
バンドに影響しているかは分からないんですけど、僕のルーツはNIRVANAなんですよ。このアルバムでロックに入ったから。中学生の時に聴いて、そこからバンドやろうって思ったんです。

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Avril Lavigne『LET GO』
小学生の時にアメリカで聴きまくってて、そのせいでアメリカっぽいメロディになっちゃうのかもしれない。NIRVANA聴くまでずっとAvrilが一番好きで。だから自分の作る音楽は意識してないけど、聴き返してアメリカっぽいって思うのは、そういうところがあるかもしれないです。

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GOLD PANDA『Lucky Shiner LP』
これを聴いてパソコンで音楽を作ることをはじめました。このビートかっけぇ!って。こんなに音数が少ないのに聴いていると、こんなに壮大な景色が浮かんでくるんだっていう。頑張れば俺もこんなの作れるんじゃないかって思って始めました。言葉を知って共感できるって感覚より、音を聴いて思い浮かんだ景色に感動するってことのほうが強いですね。エレクトロって使ってる音がミニマルにループされていると、すごい壮大な景色が浮かんでくるから好きで。ひとつひとつの音に温かみがあれば、人工的なことをやっていても、温かみを感じられて心地いいし落ちつけるんで、そこは意識してやっています。人間が本能的に気持ちいいと感じる音ってあるじゃないですか。自然の壮大さをイメージしながら曲を作るところが好きだし影響を受けてます。

さっき言った3枚以外にも、最初は旺くんと二人で音楽を作っていたんでDATSは彼の影響も大きいです。彼が一番好きな音楽はイギリスのバンドが多くて、Arctic MonkeysやFoalsとか、2000年代以降UKロックで。僕もそういう音楽が大好きだったんで、そこで分かり合えるとこがあって。UKロックっぽいサウンドは少なからず影響があるのかなと思います。

-今後ライブが増えると思いますが、どのように演奏して、バンドを見せたいですか。
自分たちが当初から意識しているダサくてもいいからストレートにってスタイルを貫きたいですね。それとでかいことを言うと、こういう音楽を興味ない人も取り込みたい。海外の音楽を聴かないような人も僕らの音楽を聴いて、それがきっかけでもっと他のインディーバンドを聴いてくれたらいいなって思います。リスナーと自分たちが共に成長できるバンドになりたいです。イメージはRADIOHEADみたいな感じですね。どんどん音楽性が変わっても、みんながついてくるっていうバンドになりたい。いずれまたやりたいことが変わるかもしれないけど、それでもDATSはDATSだって思って、ついてきてくれる人がいるようなバンドでありたいです。

-『DIVE』とDATSの音楽をどのような人に聴いてもらいたいですか。
海外の音楽を好きな人は共感してくれる部分があるのかもしれないですね。でもやっぱりUKプロジェクトにいるから、このレーベルの売れてるバンドのファン全員かっさらいたいです(笑)。だから色んな人に聴いてほしい。幅は広がるけど、全然大丈夫だと思う。違う土俵でもやっていけるっていうのが僕らの強みだと思うから別に同じ界隈で固まらなくても大丈夫って僕らの中で思ってて。あんまりターゲットを絞らずにやっていきたいです。

-最後にこれだけは言いたいことはありますか。
まだCDの売り上げで飯が食えてるミュージシャンがいる時代に、自分らが足を踏み入れることができて良かったなって思います。レコードで出したいっていうのもありますけど、それは今じゃなくていいかな。バンド結成する時にどういう音楽やるかって話になったんですけど、正直、日本の音楽シーンを当時は舐めてて、「純粋にかっこよさを求めてるバンドっているの?いないから俺らがやるしかねえ」ってノリでやってたんです。いざ活動してみるとかっこいいバンドいっぱいいるなってことに気付いてきて。日本の音楽シーンのすごさが分かってきて、一概に舐めた態度とっちゃいけないなって。みんなできることはあるんだけど、それをあえてやってるというのが分かってきて。そこで自分らもやりたいことを追求しつつも、やっぱり多くの人を取り込みたいってことに抵抗はなくなりました。むしろ自分らの音楽によって日本の音楽シーンにも、海外の音楽にもダイヴできるようになればいいなって思います。

『DIVE』

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