ブルックリンの3ピースバンド、EZTV。1曲目、トレモロ満載の展開からもうたまらない。夏にぴったりなトロピカルなギターサウンドとコーラスワークが心地よい。音色に大きな変化はなく、統一感を出してるため、この心地良いサラウンドは全12曲まで続く。

バンド名の由来はボーカル&ギターのEzra Tenenbaumの名を取り”Ezra Tenenbaum’s Vision”を略したものであるが、よくある“○○and the ~”というような、突出したソロアーティストとバックバンドという関係ではない。特にこの音源に関しては、おそらく一発録りであろうことも影響しているが、3人のパートのぶつかり合い、チームワークから成し得るライブ感がこれでもかと存分に出ており、よくあるお行儀の良いギターバンドではなく、ロックンロールバンドとしてのグルーヴがしっかり出ており、魅力に溢れている。

Spiritualizedのアメリカツアーでのメンバー募集で集まり、オーディションで一緒に演奏した3人。オーディションに落選した彼らがその後結成したのがこのEZTVだ。この数奇な出会いから集まった3人のサウンドを、欧米メディアは“Big Star + Teenage Fanclub + Orange Juice”と評すが、決して過去の遺産を組み合わせただけの代物ではない。彼らの曲はどれをとっても古臭く感じることはなく新鮮である。

本作のエンジニアはWoodsのJarvis Taveniere。Woodsは日本では日本盤でのリリースがない事もあって、よく知られている訳ではないが、2005年のデビュー以来、7作のアルバムをリリースしている、ブルックリンのシーンを支えるベテランのフォークロックバンドだ。またJarvisはwoodsのアルバムの他に、The Babies、Real Estate、Vivian Girlsのエンジニアワークを務めており、ブルックリンのインディ・ロックシーンの音を知り尽くし、世に出してきた。全体的に派手ではないが、ここぞというところでインパクトのある演出をするのが彼のミックスの特徴である。

今作『Calling Out』にもその手腕は如何なく発揮されている。全体的にほぼ同じ音色で占められているが、冒頭のトレモロ演出のように、ここぞというところで高揚感をあおるドリーミンな演出をしてくる。このタイミングがうまい。そしてできるだけ情報を間引いてるような、慎重な音作り。これが逆にイパンクトが残る。EZTVの楽曲のベースは60s-80sのクラシカルなポップソングに忠実であるが、今鳴らすべき音にちゃんとリブートされている。

EZTVはJavisと30曲もデモを作ったそうだ。そこから絞られ、洗練された12曲である。彼らが”ニューヨークのバンド”ではなく、”ブルックリンのバンド”と名乗っているのはそういうところにも意味があるんじゃないだろうか。

【Writer】ŠŠŒTJ(@indierockrepo)
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