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前回掲載したジャバ(JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB)を始め、注目のアーティストを次々と輩出するレーベル、OMAKE CLUBからプロデューサーにしてトラックメーカーのYOSAが新作『Orion』をリリースする。期待の新人ラッパーのSALUから韻シストのMCであるBASIまで参加し、幅広いレンジで洗練されたダンスミュージックを堪能できる。新しい音楽の夜明けはここから始まる!

アーティスト:YOSA インタビュアー:yabori 撮影:Takahiro Higuchi

-トラックメーカーの方にインタビューするのは初めてなのですが、まずどのような音楽を聴かれているのでしょうか。
YOSA:もともと僕はバンドをやっていたというのもあって、学生の頃はメロコアをよく聴いていました。バンドをやっていたと言っても学園祭レベルなんですけど(笑)。その時はベースを弾いていました。DJなので、日頃からありとあらゆる音楽を聴いていますが、バンドで言えば最近だとSuchmosやネバヤン(never young beach)が好きですね。

-いきなりSuchmosやネバヤンが出てくるとは思いませんでした!意外と僕らが聴くような音楽と同じものを聴いているんですね。
そうですね。OMAKE CLUBっていう僕が所属している所は、TOKYO HEALTH CLUBやジャバ(JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB)みたいなヒップホップをやる人たちもいれば、ZOMBIE-CHANGみたいなインディーポップをやる人もいるんですよ。みんなジャンルを問わず、色んな音楽が好きだと思いますよ。

-なるほど。ではどうしてトラックメーカーとして音楽をやろうと思ったのでしょうか。
元々うちの母親がダンスの先生なんですよ。実家のスタジオでジャズダンスを教えてて、ダンス中にかけている音楽が四つ打ちのハウスだったんです。小さいころからそういう音楽が家でずっとかかっていたので、ダンスミュージックは楽しむ為の音楽っていうよりも仕事場の音楽だっていう認識だったんですよね。自分で音楽をやろうと思ったのはずっと後で、高校生の頃です。

-ハウスが仕事の音楽という認識だったという事ですね。
はい。それで高校生の時に留学したんですけど、隣に住んでたものすごいアフロの黒人がいて。アフロの中にチョコレートとか入れてるような、ほんとに地毛がアフロの人だったんですけど。

-アフロの中にチョコ入れる人なんているんですね(笑)。
彼がDJの機材を持ってて。それをいじるようになってから、MadlibやJ DillaとかStones Throw系のヒップホップを聴くようになって、その流れでディスコ、ハウスみたいな感じで聴くようになったんです。

-そういう流れがあって元々聴いていたハウスを聴くようになったんですね。
そうそう、戻った感じですね。僕は留学中にロンドンにいたんですけど、その頃はArctic Monkeysのデビューアルバムが流行っていた頃です。

-2006年くらいですね。
Arctic Monkeysのベースをカバーしたり、DJっぽい音楽も聴くようになって。そこから大沢伸一さんのような日本のダンスミュージックも聴くようになりましたね。

-どうして高校のときに海外留学をしようと思ったんですか?
僕はサッカーをやってたので、イギリスでやりたいなと思っていて。向こうでちゃんとやってたんですけど、大学で日本に戻ってくることになって。

-当時はサッカーのプロを目指していたんですか?
本気でサッカーをやってましたよ。クラブチームには入ってないんですけど、入学したのがロンドンの中でもスポーツの強豪校で、サッカー以外にもラグビーやクリケットとか色々あって、それぞれ6軍まであるんですよ。

-6軍なんてあるんですか(笑)。
入部テストがあって、それ以下は部活に入れないんですよ。1軍のメンバーは運動神経が良すぎて、どの部活に入っても1軍で。そこはラグビーが1番強かった。今でもイギリスの国際ナショナルチームが出身校だったりして。かなりの名門なんですけど、サッカーは2番目に強い学校でしたね。

-そんなすごい高校に通ってサッカーをしてたんですね。
そこで僕はサッカーしかやってなかったんですけど、かなりやり切った感覚があったので、卒業ともにサッカーは自分の中で一区切りつけました。

-ミュージシャンではなくサッカーでプロを目指そうとは思わなかったんですか?
そうですね。日本に帰ってきて大学に行って、部活でサッカーをやる気にはならなかったですね。その代わりに、DJやトラックメイクを本格的にはじめたんです。

-そうだったんですね。ロンドンでDJとして活動はしてなかったんですね。
ほとんどオタクDJみたいな感じだったんで。

-海外へはサッカーのために行ってたから、音楽は特にやってなかったんですか?
そうですね。もちろん趣味レベルではやってましたけど。

-ではロンドンにいた時に現地でどういう音楽体験がありましたか?
隣人の音楽好きアフロ黒人がいたことが刺激になったのと、ロンドンの子は日本人よりもませてるんで、16歳くらいでクラブに行ってるんですよ。その年齢でパーティーを主催している子がいたりして。日本って高校の学園祭でバンドやったりするじゃないですか。そのノリでパーティーをやったしてて。でも音楽的にもしっかりしてて、やっぱり音楽の国だなって実感はありましたね。ダンスミュージックだけじゃなくて、Oasisのようなブリットポップもそうだし、ドラムンベースもあったり、本当に色んなジャンルの音楽があったんで、自然とそういう音楽に触れるきっかけにはなったかもしれないですね。

-日本ってジャンルによって隔たりが大きいと思うんですけど、海外ではジャンルに隔たりを感じなかったのでしょうか。
もちろんありますよ。スクールカーストってあるじゃないですか。いわゆるイケてる組とイケてない組っていう。向こうではそれがもっと細分化されてて。

-海外にもスクールカーストなんてものがあるんですね!
めちゃくちゃありますよ。向こうではとにかく何かに秀でてないと、イケてる組に入れないんですよ。で、イケてる人達が聴いてる音楽はかなりダサさかったんですよね(笑)。

-例えばどういう音楽ですか?
今でいうEDMやチャチなR&B、ヒップホップみたいな音楽を聴いてましたね。

-そうなんですね。意外とバンド系の音楽は聴かないんですね。
その辺の音楽は全然聴いていなくて。当時、KASABIANなんかはちょっとイケてない組の人が聴いてたんですよ。

-マジっすか?僕が大学の時、めっちゃKASABIAN聴いてましたよ(笑)。
僕もArctic Monkeysとかすごく好きだったんだけど、向こうではちょっとオタクっぽい子達が好きな音楽って認識なんですよね。

-そうだったんですね。では日本に帰ってきて、まずDJをやっていたと言われていましたが、どういったきっかけがあったんですか?
DJやトラックメーカーって、バンドと違って一人で全部できちゃうじゃないですか。例えば家でワンルームのマンションに住んでたとしても、それを一人で完結させてネットで配信できちゃうっていう。バンドでも宅録でできるんでしょうけど、そっちよりもダンス系に興味が向いてたってのもあるし、音楽理論を知らない自分でもこれならできるんじゃないかと思って。ワンループで曲が完成できちゃうんだっていう。それと、DJをやっていたんで自分で作った曲をかけれるっていうのも良かったですね。

-トラックメーカーとDJは相乗作用があるっていう事ですか?
そうですね。DJをやっていればその曲を自分でかけれるっていう。バンドがライブやるのは大変じゃないですか。皆のスケジュールを合わせないといけないし、色々と面倒な事もある。でもDJだったらほんとに気軽にできたっていう。当時は大学の音楽サークルだったんですけど。

-ではトラックメーカーとして、曲をどんどん作られてると思うんですけど、バンドと比べて作り方の違いはありますか?
基本的にはワンループですね。僕は繰り返していくことに心地良さをを感じる音楽がすごく好きで。だからバンドの音楽は今でも好きなんですけど、そういう音楽ってすごく心を動かされるじゃないですか。その1曲の中にドラマがあったり、その曲聴くことでやたらと元気になったり、やたらと気分が滅入ったり、そういうのがちょっと疲れるなって(笑)。そういう音楽も好きなんですけど。もうちょっと身近で、どんな気分のときもそっと寄り添ってくれるような音楽がすごくいいなって思ったんですよね。

-いわゆる作業用BGMみたいなイメージですか?
自分が作るものにもメッセージはあるのでBGMとまでは言わないですけど、どんな時でもちょっとだけ気持ちを上げてくれるような音楽。どんなテンションの時に聴いても、ちょっと気持ちが楽になるような音を目指していますね。

-それはすごく分かります。今作はどんな気分の時でも聴けるアルバムだと思いましたし、聴いてても疲れない。最後の曲を聴いてももう一回聴きたいなって思えるんですよね。
それは嬉しいですね。アルバムを10曲40分にするというのは初めから決めてたんですよ。自分がアルバム聴く時、それ以上の長さのアルバムって一度に聴けないんですよね。

-アルバムが60分だとちょっと長いなって思いますね。
そうなんですよ。だから通勤の時に聴くとしても、1枚終わる前に会社に着いちゃうと。帰りに途中から聴くのか始めから聴くのかってなるじゃないですか。そういうのが嫌なんですよ。さっと聴けて次の時に頭からもう一回聴けるものを作りたかったんです。

-なるほど。確かに前作よりもコンパクトさを感じますね。
前作と曲の長さはほとんど一緒なんですけど、今回はイントロもアウトロも要らないなと思って。前作よりも全体的な世界観を持たせようと思ってたんですよ。

-世界観というのは、夜が明けるってイメージですか?
そうですね。前回は“マジックアワー”っていうのがテーマで。夕焼けや色々な季節の中で、色んな条件が揃わないと見れない景色をまとめて“マジックアワー”と呼んで。あの空気が透き通ってないと感じられない気持ち良さやそういう時間を、表現したいってのが前作のテーマで。かつ自分が家から出て、出かけて帰ってくるまでっていうコンセプトだったんですよ。だからイントロでガチャってドア開けて、下に下ってくエレベーターの音から、最後帰ってくるエレベーターの音でガチャって閉まるんですけど、やってみて思ったのは何か自己満っぽいなと思って(笑)。今回のアルバムに関しては、曲だけでテーマの“夜明け前”を表現したかったんですよね。

※インタビューの続きは4月30日発刊予定のBELONG Vol.15に掲載。詳しくはこちら

『Orion』
2016年4月6日発売

【Live】
5/13 @CONTACT
5/21 @WOMB
5/28 @SOUND MUSEUM VISION
6/17 @SOUND MUSEUM VISION

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