最終更新: 2021年8月9日

日本では無名のバンドであるにも関わらず、EPが予約分で完売するほどの注目を集めるCommunions(コミュニオンズ)が待望のデビューアルバム『Blue』をリリースする。

コペンハーゲンから突然変異的に鳴らされるブリットポップを想起させるサウンドはどのようにしてできたのか、フロントマンのMartinに聞いた。

Communionsインタビュー

Communions(コミュニオンズ)

アーティスト:Martin Rehof(Vo./Gt.) インタビュアー:yabori

Communions結成のいきさつ

-それではまず初めにCommunions(コミュニオンズ)結成のいきさつについて教えてください。
Martin: 僕たちは皆、高校生の時に友達になったんだ。Communionsを結成してから少しして、Mayhemっていうリハーサルスタジオからスタートした。FrederikとJacobはすでにそこでセッションしたりしてて。僕はその時、いくつか自分で書いた曲があったから、誰かとそれをプレイしたくて仕方なくて。Madsは前にベースを少し弾いてたから誘ったんだ。僕たちはいつも兄弟みたいに仲が良かったから、そうすることがすごく自然な感じだったんだ。

-Communionsはデンマークのコペンハーゲン出身とのことですが、ここ日本でも同郷のIceageやLust For Youthなど、バンドの名前を聴くことが増えました。現地の音楽シーンはどのような状況なのでしょうか。
そうだね、確かにコペンハーゲンからでてきた素晴らしいミュージシャン達がいるよね。例に挙げられたようなグループ達もそうだし。Lust For YouthのMalthe Fischerには、この作品のプロデュースも手伝ってもらったんだ。でも、今の“シーン”という話になると、正直あんまり分からないかな。思うに、僕らは本当に自分達のやりたいようにやっていて、一般に、他のバンドとかグループとかがしていることにそれほど関心は無いと思うよ。

Communionsの由来

-Communionsというバンドの名の由来について教えてください。
バンド名を選ぶとき、僕らは自分たちが好きな言葉を長いリストにしたんだ。Communionsはその中の一つ。その名前はArthur Rimbaudの“First Communions”っていう詩からとったもので。何よりもまず、僕らはその名前が見た感じもいいし、美しさもあると思ったんだ。

Blue

-アルバムタイトル『Blue』にはどのような意味があるのでしょうか。
タイトルはKrzysztof Kieślowskiの3部作『トリコロール:青の愛、白の愛、赤の愛』の一作で、アルバムと同じタイトルの映画からインスピレーションを得てるんだ。僕がそのタイトルから連想することは色々あって。その言葉は雰囲気を反映してるだけじゃなくて、何よりその音楽の優美な質感を想起させるものだと思ってる。あと、その言葉にはブルースっていう含みもあるんだ。

-『Blue』にコンセプトがあれば教えてください。
コンセプトとしては、このアルバムにはいくつかのメインテーマがあるんだ。自由や、曖昧さ、時の流れとか。夢もこのアルバムのいくつもの曲の中に現れる、いたるところにあるテーマでもあるよ。

-どうしてFat Possum Recordsからデビューアルバム『Blue』をリリースしたのでしょうか。
Fat Possum Recordsは僕らが作品をリリースする前から、素晴らしい作品をリリースしてきた素晴らしいレーベルだし。だから、自分たちのレコードを出したいと言ってもらえてとても光栄に思ったよ。

-一見すると何なのかよく分からない写真ですが、『Blue』のアルバムジャケットにはどのような意図があるのでしょうか。
そのジャケットのアートワークは、プールの水の中に横たわっている僕らの友達のHalfdanの写真なんだ。“Blue”っていう、写真の色とアルバムのタイトルってはっきりした繋がりもあるんだけど、それとは別に他にも含みがあるという意味で、その写真はタイトルとよく似てて、曖昧さがあるんだ。特に、その写真はプールの中の人間の体が死んでしまっているのか、それとも水中から起き上がろうとしているのかっていう曖昧さがあって、それが再生を示唆していて面白いと思う。そういう意味で、そのアートワークは時間や再生っていうアルバム全曲にわたって共通するテーマをうまく捉えてると思うよ。

-どの曲も平均して3分代のコンパクトな曲が多いと思うのですが、曲やアルバムの長さについて意識した部分はありますか?
いや、そうでもないよ。というのは、曲やアルバムの長さは確かに意識してたけど、はっきりと曲一つ一つの長さまで計画立てて作っていたわけではないから。

-『Blue』に収録されている楽曲はシングルでリリースしたものを除いて全て新曲だと思うのですが、どうして今までリリースした曲を入れずに新曲を収録したのでしょうか。
ええと、実際は、前作のEPに収録したものは含まれないという意味では全曲新曲なんだ。僕らがこのアルバムを全て新曲にした理由は、そのアルバム自体がそのままでも完全に成り立つものにしたいと思ったからで。以前、Communionsとしてしてきたことで注目を集めることなしにね。

-今作を作るにあたって新しく挑戦したことがあれば教えてください。
前に使ったことのない新しい楽器をいくつか試してみたよ。一つ例を挙げるなら、「Midnight Child」のソロ部分のウッドブロックとかをね。

-ソングライティングが素晴らしいと思うのですが、こだわりがあれば教えてください。
メロディーはとっても重要で、たいていメロディーに合わせて歌詞が生まれてくる。曲を書くときに、他にも僕らがいつも心に留めていることがあるんだけど、それは、何度でも聴きたいと思わせるような特別な曲には、何か特別でユニークな要素があるはずだってことなんだ。

-ボーカルも独特のタメや節回しがあってかっこいいと思うのですが、歌い方について工夫していることがあれば教えてください。
個人的に、テクニックというより、僕にとって歌うことは本当に自然なことだと思っていて。全然、熟練のシンガーとかではないし、だから僕としては、自分の歌い方って全く計算されたものではないと思ってるんだ。高音域で歌う傾向はあるから、多分それが僕の声が中性的だといわれる理由かなと思う。でも、正直なところそれほど深く考えてはないんだ。

-3年前にアップされた「Cobblestones」を聴くとポストパンクが前面に出た音楽だと思うのですが、今作はブリットポップ色が強いサウンドになっていると思います。今の音楽スタイルはどのように確立していったのでしょうか。
僕らにとって、サウンドを変えるというのは一つのジャンルから違うものへと変えるということではないんだ。むしろ自分達らしくというか、独自の音を発見していくことなんだ。確かに、ある程度はこの新しい作品でそういうサウンドを見つけられたと思う。でも一方で、Communionsの音楽っていうのは色々な音楽にも聴こえるし、同時にCommunionsみたいに聴こえる音楽ってものはどこにもないって言えるから。

Communionsのルーツ

-メンバー全員とも共通してOasisが好きだと聞いたのですが、彼らのどのような部分が好きなのでしょうか。影響を受けた部分があれば教えてください。
彼らの最初の2枚のアルバムは最高だし、言ってみれば僕らはそれを聴きながら成長してきたようなものだから。主にオアシスに影響を受けた部分と言えば、素晴らしい歌と素晴らしいメロディーかな。

-デビューアルバム『Blue』をどのような人に聴いて欲しいと思いますか?
正直言って、このアルバムを聴いてほしいと思う特定のリスナーってのはいないよ。収録されてる曲は普遍的だし、どんな人達にも魅力的に映ると思ってるから。それだけじゃなくて、僕は音楽をリリースする全体の過程は大きな実験だと思うよ。自分の周りを取り囲むものを試す機会であり、自分達が作ったものが世界に送り出されて、誰が何に反応するのかを知る機会だと思う。すべてがどこへ行きどこに辿り着くのかを見ること、それが全てだと思うよ。

リリース

2ndアルバム『Pure Fabrication』

発売日: 2021/4/23
収録曲:
1. Bird Of Passage
2. Humdrum
3. Cupid
4. My Little Planet
5. Learn To Pray
6. Signs Of Life
7. Splendour
8. History (The Siren Song)
9. Blunder In The Street
10. Is This How Love Should Feel?
11. Hymn
12. Androgyny
13. Here And Now
14. Celebration
15. The Gift Of Music
フォーマット:CD、アナログ
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1stアルバム『Blue』

発売日: 2017/2/3
収録曲:
1. Come On, I’m Waiting
2. Today
3. Passed You By
4. She’s A Myth
5. Midnight Child
6. Got To Be Free
7. Don’t Hold Anything Back
8. Take It all
9. It’s Like Air
10. Eternity
11. Alarm Clocks
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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来日公演

Hostess Club Weekender
2017年2月26日(日)@新木場スタジオコースト

Communionsバンドプロフィール

Communions(コミュニオンズ)

“2014年にMartinとMads Rehof兄弟と高校からの友人Jacob van Deurs Formann、Frederik Lind Koppenの四人で結成され、地元デンマークはコペンハーゲンで活動を開始。当時17歳~21歳と言う若さとストーン・ローゼズ×ザ・リバティーンズと評されたサウンドで瞬く間に世界のメディアから注目を浴びた。デビューEP『Communions EP』は予約の時点で完売するなどインディーキッズの間で大きな話題となった。そして2017年2月デビュー・アルバム『ブルー』を<Fat Possum>からリリース、Hostess Club Weekenderで初来日を果たした。8月にはサマーソニックで再来日。2018年5月から新曲を4曲発表。新曲に加えボーナストラック1曲を加えた日本限定のEPを12月にリリースした。”

引用元:Communions(コミュニオンズ)バンドプロフィール(Hostess)

Communionsの評価

“「ポストパンク特有のファズに近年のオルタナティヴ・ギターサウンドへの憧れが混ざり合い、癖になるフックと生き生きとしたヴォーカルが完成した。これこそが”生”の味だ!生きろ!」 – Noisey

「胸いっぱいのパワーポップ」 – The FADER

「ザ・キュアーの陰気なノワール・ポップに大きな影響を受け、サウンドはキャッチーだがハードエッヂだ」 – NME

「燃えるようなメロディーとベースのフックで気持ち良く舞い上がっていく」 – Pitchfork”

引用元:Communions(コミュニオンズ)『Blue』の評価(Hostess)

Communions代表曲(Youtube)

  • Communions – Forget it’s a Dream (OFFICIAL VIDEO)
  • Communions – Love Stands Still (OFFICIAL VIDEO)
  • Communions – Come On, I’m Waiting (Official Video)

ライター:yabori
yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

今まで執筆した記事はこちら
Twitter:@boriboriyabori

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