落日飛車17

台湾インディシーンを牽引するサイケポップバンド、落日飛車。一度はその名前を聞いたことがあるのではないだろうか?その実力で話題を呼んでいるのはもちろんだが、来日回数も多く日本のバンドとの親交もあり、メディアやSNSで彼らの名前を目にすることも多い。台湾といえば、日本のドラマや映画、音楽、雑誌などが街中で簡単に手に入るほど日本文化が浸透している国。メジャーシーンではK-POPが人気だというが、アンダーグラウンドでは透明雑誌をはじめとした様々なバンドが確固たるシーンを築いてきた。西洋の音楽の影響も受けつつ、日本の現行のインディシーンにも精通しており、アジアの音楽シーンの中でも日本と共通する部分が多いといえるかもしれない。

台湾のインディシーンは台北や高雄などの都市圏が中心で、特に台北は台湾で音楽を始めるならここに住むというような日本でいう東京のような場所。その台北のシーンで突出したライブバンドと評される落日飛車。2011年にアルバム『Bossa Nova』を発表し、その年のSUMMER SONICに出演。台湾のインディシーンにセンセーショナルな衝撃を与えたのも束の間、活動を休止した。しかし、2015年から再び活動を開始し、2016年EP『JINJI KIKKO』を発表、サイケロック、JAM的な要素に台北独特のメロウなムードが加わり、唯一無二の落日飛車的AOR(アジアンオリエンティッドロック)を生み出した。日本でもデビューを果たし、リリースツアーではオウガユーアスホール、シャムキャッツ、あらかじめ決められた恋人たちへ、らと共演。アメリカ、カナダ等10カ国以上でのツアーも大成功を収め、各地でその音楽性が絶賛されているバンドだ。

音楽好きな人間ならば、彼らの評判に興味を惹かれないわけがない。幸運なことに、今年行ったフェスの出演者の中に彼らの名前が並んでいた。その日、ステージ上に現れたメンバーが黙々と楽器を調整する姿はストイックでとても印象に残っている。リハーサルが終わって、最初に放たれた音は迫力の轟音の渦。調和しながら一心不乱に各々の楽器を鳴らす様子はさながら楽団のようだった。凄みのある音楽に圧倒されながら、アジアンオリエンティッドロックはどこに?と思いつつ見つめる私の心を見透かすかのように投下されたボーカル國國の声。彼の甘い声が発せられた瞬間に空気がガラリと変わる。音の迫力はそのまま、オリエンタルでロマンティックなムードへ。70年代~80年代のファンクやソウルの影響を受けたという落日飛車が織り成す極上のリズム。ダリル・ホール&ジョン・オーツばりの切ない甘さ。高音にも低音にも広がる魅惑的なボーカルと静かに激しい音を正確に刻む楽器隊。これぞAOR(アジアンオリエンティッドロック)。彼らのライブは一見の価値あり、だ。

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