純粋かつシンプルに突き詰めたサウンドに宿る、Wolf AliceというDNA。グラミー賞ノミネートを経験し、さらなる飛躍を感じさせる2ndアルバム『Visions Of A Life』がどうしてここまでも僕らの心を揺さぶるのか。今作に込めた思いをドラムスのジョエルが語る!

アーティスト:ジョエル・アメイ(Dr. / Vo.) インタビュアー:桃井 かおる子 翻訳:木下トモ

-今作はバレリーナ姿の写真がとても印象的だと思います。どうしてこの写真を使用されたのでしょうか?
ジョエル:ジャケットの写真は、実はエリーのおばのヘレンさんなんだ。彼女の若い時の写真で、その後、彼女はダンサーになったんだ。写真を見れば見るほど、僕達はそのイメージがアルバムにぴったりだと思うようになって。僕には、写真の色合いやトーンが、僕らがスタジオで作っていた作品に合ってるように思えたし、この妙なダンスルーティンのように、ヘレンという人物が彼女の一風変わった人生のヴィジョンを最後まで演じ切っているという考え方も、アルバムのタイトルにとても合ってると思ったんだ。

-今作のプロデューサーにBECKやNine Inch Nailsを手掛けているジャスティン・メルダル・ジョンセンを、ミキサーにDavid BowieやAmy Winehouseを手掛けたトム・エルムハーストという方々を起用されていますが、プロデューサーとミキサーをなぜこのお二人にお願いされたのでしょうか?また、今作を作るにあたって、お二人から具体的にどのようなアドバイスを頂きましたか?
ジャスティンに関しては、彼の過去の作品におけるバランスが、僕らが探し求めてきたもののように思えたんだ。まず彼は、とにかく素晴らしいミュージシャンで、その上、この圧倒的で、音の面でもパワフルで、少しローファイな部分も残したレコードをプロデュースする能力もあって、そういうところに僕らは興味を惹かれたんだ。トムはここ数年、音質的に最も印象的なアルバムをいくつか手掛けていて、彼と仕事をしたことが、アルバムの曲の幅を広げてくれたと思う。

-前作『My Love Is Cool』ではドラムのジョエルさんがボーカルの曲があったりと、男性メンバーのアイデアから生まれた曲もありましたが、今作の収録曲は全てエリーさんが歌っています。前作とは違って、今回のアルバムはエリーさんが主体で制作が進められていったのでしょうか?また、アルバム制作に関して今作と前作とで明らかに違っていた点はどのようなことですか?
このレコードのアイデアの大部分は、全員がデモを投げ入れる共有のドロップボックスでシェアしたエリーからのアイデアが元になっているんだ。皆のデモを選別するために、スタジオで何日も何日も時間を費やして。それから皆で楽器を鳴らして、アイデアを組み合わせていって、骨組みから新たな部分と可能性を引き出していった。だから、その過程はWolf Aliceでいつもやってるような共同作業だったけど、ほとんどの曲は、元をたどるとエリーのメロディーや歌詞が最初にあってできたものだよ。

-今作の収録曲はどれも個性がはっきりとしていて、一つの作品の世界観として集約するのは大変なことだったと思います。アルバムを作るにあたって、一番難しかったことはどのようなことですか?また、そうした中でバンドとしての自信につながった出来事はありますか?
僕らは常に曲にとって何をすることがベストなのかを選んでるんだ。いつも全てを削ぎ落として、その骨組みの中にあるものを見つめてみる。そうすることで音質的にどういう風に展開したらいいかが決まってくるんだ。それぞれ別のアイデアを一つの世界観にまとめるっていうことは、多分、それを作っている4人のDNAによるものだと思っていて。レコーディングの中で、僕らが残してる癖とか自分達の特徴とか、そういうもの。でも、収録曲はとても重要だから、収録曲を決めるためにはたくさん時間を使うんだ。アルバムの曲があまりにもバラバラにならないように。そうすることで全体の流れがよくなって、紙の上では合わないように思える曲が、結果的としてアルバムにメリハリをつけてくれているんだ。

-今作のリリースにあたって、「Yuk Foo」と「Don’t Delete The Kisses」という対照的な2曲を先行曲として発表されましたが、なぜこの2曲をアルバムを代表とする曲として選ばれたのですか?
僕達は、僕らのチームとレーベルの皆でよくこういう会話をするんだ。何がベストなアイデアかって。今回「Yuk Foo」を発表したのは、世界に対して僕らが活動を再開したよっていう強烈なインパクトのある発表になると思ったし、「Don’t Delete The Kisses」を選んだのは、その曲があることで全体的にまとまったし、みんなに僕らがファイターであり、恋人でもあることを思い出してもらいたかったからだよ。

-「Don’t Delete The Kisses」はバンドとしてそれまでにない程シンセサイザーの音を使われたようですが、この曲をシンセ音を主体の曲にされたのはなぜですか?それとは反対に、「Yuk Foo」を激しいロックサウンドが際立つ曲にされたのはどうしてですか?
僕らがスタジオに入ったとき、エリーからデモをもらった時点で最初からかなりシンセが使われていたんだ。あと、もう少し生っぽい音で、ペダルギターのバージョンだった。僕らはいつも、ロールしていくシンセラインの繰り返す感じをまた使いたいと思ってたし、そこから自然により厚みのあるシンセのレイヤーになっていったんだ。整形手術みたいに、かなり手直ししたんだよ!この曲にはジョフのシンセみたいなすごくいいギターの音も入ってるんだよ。騙されそうになっちゃうけど。それが彼のギターのすごいところなんだよね。

-「Don’t Delete The Kisses」のMVは、地下鉄の車内で主人公のカップルがじゃれ合ったり、彼らが友達同士で盛り上がっていたりと、日本ではまず見ない光景がそこにあって新鮮でした。Wolf AliceはMV作りに関してもこだわりを持って取り組まれていますが、この映像にはどのようなメッセージなどが込められているのでしょうか?また、日本ではこのような行動は非常識と思われがちなのですが、皆さんが住んでらっしゃるイギリスでは普通のことなのでしょうか?
そうしたいと思う人達にとっては一般的なことかもしれないね!僕は画面上でああいう行動を見て、何か変な気分がしたな、からかわれてるみたいな。もしかすると、それは僕の中にある妬みのようなものなのかもしれないけど。でも僕はこれまでに自分が出会ったほとんどの人は、自分も含めて、このビデオで彼らがしているようなことをすることに罪の意識を感じると思うよ。

-今作の内容はWolf Aliceのバンドとしての成長が大きく関係しているそうですが、前作を作っていた頃の自分達と今とで具体的にどのような所が変わったと思いますか?
僕のことを言うと、ライブをしてから、ここ数年の間にさらにドラムに意識がいくようになってきたんだ。たとえ上手くいかないようなアイデアだったとしても、少なくともスタジオにいるその時点でやらなかったら、結局後になって後悔するだけだということが分かるようになって、アイデアを出す勇気が持てるようになってきたんだ。

-前作は本国であるイギリスのマーキュリー・プライズだけでなく、グラミー賞の最優秀ロック・パフォーマンス賞にノミネートされるなど、新人バンドとしては異例の快挙だったと思います。多くの人から高い評価を得たということに関して、今作を作る中で何か意識したことなどはありますか?
僕が思うに、人は常に自分に影響を与える外界からのプレッシャーを感じているけど、僕はいつでもそのプレッシャーは、ほとんどは自分でフィルターをかけて自分自身にプレッシャーをかけているんだと思ってる。他人を喜ばせようとすると、結局、作ろうとしているものに対して純粋であることが薄れていってしまうと思うんだ。そしてそのことが、中には自分を見失ってしまうバンドがでてくる理由なのかもしれない。僕らは、僕ら自身が応えたい、達成したいと思う個人的なプレッシャーや目標や目的を持っているだけなんだ。

-(上記に関して)こうした出来事があると、恐らくメジャーレーベルから移籍の声なども上がったかと思います。しかし今作は前作と同様、皆さんが所属しているインディーズレーベル・Dirty Hitからのリリースですが、それはなぜですか?また、インディーズレーベルに所属するということに対して、何かこだわりなどもあるのでしょうか?
Dirty Hitは、初めから僕らのことを本当に気にかけてくれた唯一のレーベルなんだ。僕らがやってることに対する彼らの情熱や前向きさは、僕らにとってとても重要なんだ。チームのひとり一人のメンバーと一対一で向き合えて、Wolf Aliceのために何が一番かを考え、一丸となって僕らとともに一生懸命動いてくれる。彼らが傍にいてくれて本当にラッキーだと思うよ!米国ではメジャーレーベルのRCAと契約しているんだけど、彼らも本当にすばらしいレーベルで、この二つのレーベルと契約していることは、今のところ僕たちにとって上手く機能してると思う。

-今回のアルバム制作期間中、どのアーティストのどのアルバムを聴いていましたか?また、今作を作っていく中で、その作品から何かしらのヒントを得たりなどはしましたか?
影響を受けたアルバムは少なかったかな。僕らは、曲を聴いてどう感じるかっていうことを追い求めてたから。「Don’t Delete The Kisses」は、窓から顔を出して溢れる愛を表現するような、そういうノスタルジックなものを求めていたし、「Yuk Foo」は歌詞の通り、原始的で、感情をあらわにした感じのサウンドにしたかったし、「After The Zero Hour」みたいな曲は、限りなく幻想的に近いものを目指したし、「St. Purple & Green」もそう。僕らは自分達に影響を与えたものについて、他のバンドの名前を挙げることはほどんどなくて、結局、それよりも音楽に影響するような経験をしたときの感情について話をしたよ。

-今作をどのような人に聴いてほしいと思いますか?また、そう思うのはなぜですか?
ウルフアリスはいつだって皆のものだよ!

-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします!
いつも皆のことを恋しく思ってるよ。10月に日本に戻ってきてまた会えるのが楽しみで仕方ないよ!

【Release】

『Visions Of A Life』
NOW ON SALE

【Live】
Creativeman & Hostess Club Presents Wolf Alice
2017/10/23(月)東京・渋谷WWW X
2017/10/24(火)大阪・梅田Shangri-la
Open 18:30 / Start 19:30

チケット一般販売中!
¥6,500(税込・1 Drink別途)

主催:Hostess Entertainment / Creativeman
制作・招聘:Creativeman

※未就学児(6歳未満)のご入場をお断りさせていただきます。

【Profile】
バンドメンバー:エリー・ロウゼル(Vo / G)、ジョフ・オディ(G / Vo)、セオ・エリス(B)、ジョエル・アメイ(Dr / Vo)
ウルフ・アリスは2010年に女性シンガーのエリー・ロウゼルとジョフ・オディの二人で結成された。自主制作で『ウルフ・アリス EP』をデジタルのみでリリース後にドラマーのジョエル・アメイとベースのセオ・エリスがバンドに加入。イギリスBBCが毎年発表している期待の新人候補リスト「Sound Of 2015」にてノミネートされ、期待の新人として一気に注目を集めた。2015年6月にはデビュー・アルバム『マイ・ラヴ・イズ・クール』をリリースしUKチャート初週2位を獲得、同作はグラミー賞(最優秀ロック・パフォーマンス部門)にノミネート、ブリット・アワード(新人賞)、マーキュリ・プライズ、アイヴァー・ノヴェロ賞、NMEアワード9部門ノミネート&2部門受賞し本国イギリスでゴールド・アルバムを獲得し大ブレイクを果たした。2015年8月にサマーソニックで初来日を果たし、2016年1月には東京と大阪にてジャパン・ツアーを行った。最近では話題の映画『トレインスポッティング2』に楽曲「Silk」が使用され世界中から注目を集めた。2017年9月にセカンド・アルバム『ヴィジョンズ・オブ・ア・ライフ』をリリースする事を発表し、アルバムからの先行シングル「Yuk Foo」を公開。ウルフ・アリスというバンド名はアンジェラ・カーターの小説に由来している。影響を受けたアーティストとしてキングス・オブ・レオン、ピクシーズ、ヤー・ヤー・ヤーズ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ等を挙げている。2017年、10月にはジャパン・ツアーを実施する。

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