USロックシーン、そして数多くのアーティストに多大な影響を与えたSonic Youthのフロントマンであるサーストン・ムーアが5年ぶりとなる新作『Rock N Roll Consciousness』を4月にリリース。

そのアルバムを引き連れて、9月に”サーストン・ムーア・グループ”としてジャパンツアーが行われた。

メンバーに、同じSonic Youthのメンバーでもあるスティーヴ・シェリーをドラム、シューゲイザーバンドの代表格My Bloody Valentineのデビー・グッギをベース、プログレッシブロックバンドのGuapoのジェイムス・セドワーズをギターに迎えるといったレジェンドたちの共演に胸が熱くなった人も多いだろう。

ライブレポート

テキスト:pikumin 撮影:Kazumichi Kokei

O.A.にKlan Aileenを起用し、大阪・愛知・東京と国内3か所で行われた今回のツアー。初日を飾ったのは大阪・梅田CLUB QUATTRO。9月18日の大阪公演は野獣たちが掻き鳴らす純正ノイズに酔いしれる夜となった。

ステージが小さく思えるほどの長身から大人しく鳴るギターに抜けるジェイムスのクリアなサウンドが重なる。

戦争や世界各地で絶えない暴力事件、銃所持への反対の意を込めて作られたという「Cease Fire」からこの公演は始まる。

再びサーストンのギターを皮切りに厚みを増してぐんぐんと押し寄せてくるスターたちの安定感あるサウンド。

火が揺らめくような不穏が渦巻くグルーヴ感にノイジーなサウンドが響き渡る中、「火を止めろ」そして「無償の愛を」とサーストンは何度も切に歌いあげていた。

「Turn On」が始まると不穏なアルペジオが重なり、ループされていくダークなサウンドに緊張感が走る。

山場が来たところでボーカルが入り、すぐさまループされるサウンドへと戻る。少しずつ重ねていく音にエフェクトとボリュームがプラスされながらヒートアップしていく様に胸が躍る。


ジョークを交えたフランクなMCと共に自己紹介を挟み、交互にゆっくりと鳴らす2人のギターが始まりと終わりを彩り、後半に安定と遊びを加えた盛り上がりをしっかり見せる「Speak To The Wild」、哀愁漂うメロディとギターソロに捻らないサーストンのロウトーンが響く「Smoke Of Dreams」と続く。

やっていることは基本的にシンプルなのがサーストンの音楽の面白いところだ。しかし、Sonic Youth時より現在の方がより”音楽”で見せる部分が格段に増えている。

そして音源よりもライブでの演出の方がよりじっくりと、濃密な時間として演出されていた。繰り返されていく展開の中、変化が足されていく様や盛り上がりから引く瞬間がとてもワクワクする。

そして引く瞬間の揺れやブレのなさがレジェンドならではの業だ。

そしてデビーとスティーヴが作るしっかりと地盤が固まったリズム隊が作るベースがあるからこそ、遊ぶようなサーストンのギターやジェイムスの歌うようなギターソロがしっかりと映えていた。

ミステリアスな空気を醸し出しながら始まる「Aphrodite」は直後にエモーショナルな歪みサウンドが待ち受けていた。

軌道に乗せないノイズが宙を舞い、砂嵐となって散る終わり方がなんとも刺激的で高揚感に包まれる。

ノイジーな気分のまま繋ぐのは、今までで一番軽やかな音を並ばせ、ギターソロがまるで歌っているようにメインを飾る「Exalted」。

しかしそれだけではないのが彼らだ。いきなりやってくる爆撃サウンドに観客は驚くと同時に歓喜に満ち溢れていた。

ギターのテールピースとブリッジの間をキーンと鳴らすのがまたたまらない。重厚かつヘヴィな爆音をノイズの中で生きてきた彼らは他の音と変わりないように平然と繰り出す。

大人の遊びに満ちた爆音に歓声が沸きあがったまま一度彼らはステージを去った。

その後ステージに再び帰ってくる4人。全員が同調したパワフルな展開をのっけから繰り出す「Cusp」で怒涛のアンコールを見せる。

崩れない騒音はまさに彼らの本領発揮と思えるほど。ネック裏を叩いて揺らすギターの音に、時限爆弾のカウントダウンのように鳴らすドラムスティック。

そこに続くノイズタイムは圧巻。動じず爆風を巻き起こす4人が勇ましくステージに浮かび上がっていた。

ダブルアンコールにも応え、圧力あるサウンドと静けさを織り交ぜたあと「Ono Soul」を最後に披露。あらゆる爆音を携えてロックシーンを生きてきた英雄たちが見せる重厚で遊びに満ちた音が溢れるライブとなった。

セットリスト

2017年9月18日@大阪・梅田CLUB QUATTRO
1. Cease Fire
2. Turn On
3. Speak To The World
4. Smoke Of Dreams
5. Aphrodite
6. Exalted
アンコール
7. Cusp
8. Ono Soul

YouTube