ギタリスト・ケンゴマツモトと若手コンテンポラリーダンサー・藤井舞香と根本紳平による異色の共演で生まれるものは?型のあること・ないこと、音で、そして体で表現することの意味を追求する対談がここに実現!対談後半(ケンゴマツモトが語る即興演奏)は雑誌化するBELONG Vol.22に掲載予定!

アーティスト:藤井舞香、根本紳平、ケンゴマツモト(THE NOVEMBERS) インタビュアー:桃井 かおる子、yabori

-BELONGでは普段ミュージシャンを中心に掲載していてダンサーの方にインタビューするのは初めてですが、まずはお二人が普段、どのような活動をしているのか教えてください。
藤井舞香:普段は生徒さんにバレエを教えていて。幼稚園から社会人まで教えているんですけど、いわゆる受験対策レッスンというのを担当しているんですけど、大学受験でダンスが必要な子たちを見ていて。それ以外は発表会の振り付けや自分で公演を企画していますね。教えているのはクラッシックバレエなんですけど、自分の活動はもっぱらコンテンポラリーダンスですね。
根本紳平:僕は呼ばれたらどこでも踊るっていうスタンスなんですけど、水中めがね∞っていう団体に所属していて。そこでは学生の頃からこつこつと作品を作って、舞台中心ではあったんですけど、卒業してから新しく出会った人たちとダンスと向き合っていくっていう活動をしています。

-なるほど。普段はどのような音楽を聴いているのでしょうか。
藤井:最近はビートルズが好きですね。聴いた事のある曲が多いし、アルバムを流していたら、生徒さんから『Across The Universe』という映画を紹介されて、それで今、ものすごくハマっています。ダンスの場で聴いた曲や出会った曲を聴いているイメージです。あとは川谷絵音さんのindigo la Endの曲で爆踊りした事もあって(笑)。そして今回共演するTHE NOVEMBERSの曲も聴き漁っています。
根本:僕は特定のものを聴き込む事よりも友達からCDを借りて、とにかくたくさん曲を聴くんですけど、身体に合う音楽や合わない音楽を考えながら聴いていましたね。

choreographed by 鈴木陽平 #dancers #dance #indigolaend #悲しくなる前に #bullet

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-身体に合う曲と合わない曲の違いはどこにあるんですか?
根本:その時々で違うんですけど、好きな曲でも踊るシーンによっては自分には扱えないなと思う事もありますね。曲ありきで踊る事もあるんですけど、自分が用意した踊りに曲を当てていく事もあります。

-もともとTHE NOVEMBERSも聴いていたんですか?
ケンゴマツモト(THE NOVEMBERS):最初は知らなかったよね。
藤井:私は今回の共演をきっかけに知りましたね。
根本:僕は一度、ROCK IN JAPAN FESTIVALでライブを見た事があって。ステージから遠い所で見ていたんですけど、聴いていて気持ち良い音楽でした。

-藤井さんは実際にTHE NOVEMBERSの音楽を聴いてどうですか?
藤井:私は『Hallelujah』が一番好きです。
ケンゴ:ありがとうございます。
藤井:THE NOVEMBERSの前までの音楽は音が濃いイメージだったんですけど、『Hallelujah』は音が入ってくる感覚があって。indigo la Endは旋律っていうイメージだと思うんですけど、THE NOVEMBERSは音の厚さが前面に出ているイメージですね。

-それでは本題のイベントの話に移る前にお二人が踊られるコンテンポラリーダンスについて伺いたいんですが、そもそもコンテンポラリーダンスとはどういったものでしょうか。
藤井:それが実はよく分からないんです(笑)。言葉の意味としては“現代舞踊”なんですけど、ルーツとしてはクラッシックバレエのアンチとしてモダンダンスというのがあって、そのアンチとしてポストモダンダンスがアメリカから出てきて。それと同じ時期にフランスでヌーベルダンスっていうのも出てきて、それがコンテンポラリーダンスになったという説があります。クラッシックバレエは踊る型が全て決まっているし、どの動きにも全て名前が付いていて、上に上にっていう動きの基本があるんですけど、モダンダンスだと下に下にっていう風に動きの基本動作が違うんですよ。モチーフとしてもクラッシックバレエだとお姫様の物語や白鳥の湖だったりするんですけど、それに対して、モダンダンスはより情熱的にっていう事であったり、もっとねっとりしたテーマだったりするんですね。だから昔の人たちは一つ一つのものに対してリアクションを返していきながら、今のコンテンポラリーダンスというスタイルができたのかなと思います。

-要はコンテンポラリーダンスって自由で何でもありなダンスって事でしょうか。
藤井:そういうイメージがありますね。今までの見た中で一番驚いたのがバケツをずっと叩いていて、それがダンスですって言っている人もいて。コンテンポラリーダンスをやっている人にも色んな解釈があると思うんですけど、自分が踊るにあたって身体がどう動くかどういう表現ができるかを第一に考えたいなと思って。身体を知る一つの切り口がバレエっていうイメージです。

-それでは今回のイベント『Taboo』は誰が企画したのでしょうか。
藤井:私が企画しました。やろうと思ったきっかけは去年私が初めてソロ公演をやって、それに根本くん(根本紳平)にも手伝ってもらって。彼と一緒に踊るのは面白いし、私が持っていないものをたくさん持っているので、また一緒にやりたいと思っていて。それで今年は前回よりも規模を大きくして、デュオで公演をやりたいねって話していて。去年の公演に協力してくれた照明を担当してくれた方を伝って、ケンゴさんに参加してもらう事になりました。
ケンゴ:THE NOVEMBERSの「1000年」のMVの照明をやっているヒトシ(佐藤円)と、彼の友達のNEWSEEの横山さんに協力を依頼して、俺に話が来たっていう流れですね。

-ケンゴさんは最初に話が来た時、どう思いました?
ケンゴ:面白そうだからやるよって言いましたね。最初に2人が踊っている映像を見せてもらったんですけど、思ったよりも野蛮な人たちだなと思いましたね(笑)。
藤井:なんでその時に言ってくれなかったんですか(笑)。あんまり整った事はあえてやってないんですけどね。私が一人で踊る時は型を整えたものを踊るんですが、二人でやる時は自分1人ではできない事をやりたいって思っていて。最近はもっと型を崩していきたくて、グレーゾーンの中のグレーゾーンのその極みまで攻めていきたいんですよ。

-どうしてそこまでギリギリのラインを攻めようと思うんですか?
藤井:私自身が型にハマれないからだと思います。だから今回のイベントも『Taboo』っていうタイトルになったんですけど、昔から学校や何人かでダンスを踊っている時、いつも自分が溢れてしまう感覚があって。自分はこれが普通だと思っていても周りから見るとそうじゃないっていう事が多くて。それが何なのかよく分かってなかったんですけど、今回のイベントをやるに当たって色々と考えていた時に、今まで生きてきた中でそこにすごく引っかかっている部分がある事が分かってきて。公演のタイトルを決める時も自分はこういう事が気になっているんだっていう事を根本くんに言っていたら、彼がそれって“タブーな事”じゃないんですかって言ってくれて。それがきっかけでイベントのタイトルを『Taboo』にしましたね。

-ケンゴさんはイベントタイトルが『Taboo』になると聞いてどう思いました?
ケンゴ:ええんとちゃうんって思いました(笑)。

-なんで急に関西弁になったんですか(笑)。今回のイベントってケンゴさんの演奏に合わせて、ダンサーの二人が踊るっていう内容なのでしょうか。
ケンゴ:逆ですね。ダンサーの二人が踊ってから、自分たちがそれに反応して即興演奏をするっていうやり方です。
藤井:私たちも音楽に反応して動くイメージだから、ほぼ同時にセッションして作り上げていくって感じです。
ケンゴ:めちゃくちゃ楽しみだけど不安もあるよね。
藤井:不安ですよね。だから最近編み出した練習方法としては、根本くんが“絶対にこういう展開がきたら嫌だプレイリスト”を作っていて。それに対して踊り続けるっていうのをやっているんですよ(笑)。

-それってどんなプレイリストなんですか?
根本:このシーンではこういう展開が来てほしくない曲をまとめているんですけど・・・。
ケンゴ:いや来るよ、そういうのが(笑)。
根本:そうですよね(笑)。
藤井:そういう事も踏まえつつどういう展開が来ても大丈夫なように鍛えています。私たちの中では物静かなイメージの曲なのに、その後やたらメロディアスな展開がくる曲に対して、自分たちがどう踊るか考えていて。

-どんな曲が入っているんですか(笑)?
ケンゴ:それは内緒だよね。
藤井:例えばイントロは良い感じなのに急にボーカルが入ってくるような曲でもひるまないように、ダンスとしてどう成立させるかを練習していますね。

-そうなんですね。お二人とケンゴさんの間で『Taboo』っていうイメージに基づいて、お互いに練習をしていると思っていたんですけど、実際は違うんですね。
ケンゴ:そもそもこのイベントに出演しないかって話をもらった時に、本番まで時間がなくて。1時間の舞台でそれ専用の曲を作るのは難しいだろうなって思って。でも『Taboo』ってコンセプトだし、即興でいこうと考えて。だからある程度、言葉のイメージだけを共有しておいて。例えば100やる事があるとして15だけ決め事を作っておいて、その中でやるっていう。起承転結だけはあるという体で臨む事にしました。

-その起承転結の部分でお互いすり合わせはされましたか?
ケンゴ:してないというかしない。ただあるという前提ですね。
藤井:こっちも起承転結があって、キーとなる部分はこういう風に踊りますっていう事は伝えていなくて。

-Twitterではお二人がこのイベントに向けてダンスの練習風景をアップされていましたが、ケンゴさんはそれを見られましたか?
ケンゴ:見てないですね。あえて見てないっていうかTwitterは自分のしか見てないから(笑)。
藤井:練習も自分たちの中ではデッサンっていうイメージでやっていて。振付の仕方も決めている事は決めているんですけど、何が起こっても良いように振れ幅のある振付をしていて。だからこの動きをやりましょうっていう振付を守らなきゃいけないシーンもあれば、動きの要素の事象だけをルールにする事や私が振り向いたら動いてくださいとか子供の遊びみたいなルールが途切れないようにだけ注意していて。こっちとしては完全即興という側面が少ないんですよ。ケンゴさんは完全に即興なんですけど、私たちはある程度、決め込んでいるっていう。でも最低限のルールさえ守れば何をしても良いですよっていうものにはなっていますね。

-ルール決めをする事自体、どんな事が起こるか分からないから、難しくなかったですか?
藤井:そうですね。振付やダンスっていう定義を揺るがしている事が多くて。今までは自分のダンスというものはこういうもので、振付はこういうものって決まっていたんですけど、それってそもそもどこからが振付なんだろうって。そういうイメージを持って動いていれば振付にはなる訳だし。だったら逆に右手がこういう風に動いたらどんな事が起こるんだろうっていう事を考えるようになって。なので分からなくなったときは、タイトルの『Taboo』っていう言葉の意味や自分が作ったルールに立ち返って試行錯誤していますね。あとは身体の質感が勝負になってくるので、ちょっとした力みだけで別の意味が生まれてくるんですよ。
根本:僕の場合は音楽に頼りすぎずに自分を差し出す事が目標だったので、例えばこのシーンにこの曲を合わせた場合に物語過ぎていないかを気にしていて。で、もしそうなってくると僕がここにいる意味はないなとか。曲に乗ったり、乗らなかったりする事で見えてくるものが違うと思うんですよね。
藤井:根本くんのスタイルは疑いに疑うイメージですね。私はフィーリングで物事を進めるんで、見切り発車なタイプなんですよ。でも根本くんは深く考えるタイプなんで、そういう所でお互いにぶつかるんですよね。
根本:一回立ち止まった後だと、迷わずに進めるんですけど。
藤井:こういうダンスをしようっていうベースはこっちで作るんですけど、それに対して思った事を言ってくれるんで、それで流れを固めていきましたね。

-ケンゴさんの方ではWITH 猛者のメンバーの方たち(Klan Aileenのドラムス竹山隆大、ツバメスタジオの君島結)とルール決めはしていますか?
ケンゴ:俺が基本的にミュージシャン側の指揮を取っていて。と言ってもメンバーとは話をする事はありますが、スタジオに入る事はないですね。

-ツバメスタジオの君島結さんは当日どのような事をするんですか?
ケンゴ:君島さんは当日、演奏と音響をやるんですけど、何を弾くんでしょうね。
一同:えぇー!
ケンゴ:もともとGajiっていうバンドのギタリストだから、多分ギターを弾くんでしょうけど。

-という事は当日、ケンゴさんがギターで・・・。
ケンゴ:いや。俺も当日、ギターなのかっていう。
一同:えぇー!!!
藤井:私たちの方でケンゴさんをマネするシーンを作ったのにそれが意味なくなっちゃう(笑)。
一同:(笑)。
ケンゴ:楽器の選定を明日から考えようかなっていう。

-ギター以外でこの楽器をやろうっていう候補はあるんですか?
ケンゴ:竹山くんはトライアングルやネジとか(笑)。
一同:(笑)。
ケンゴ:まぁギターを弾くでしょうね。でも多分、みんなが思っている以上に当日のイベントは抽象的なものになると思う。

-会えない分、メールで綿密にやりとりをされているのかなと思ったんですが、あえて言葉にしない部分が多いんですね。
藤井:ケンゴさんはカッコいい事を間違いなくやってくれると思うので、そうなった時に自分たちが対等に戦えれば良いなって思ってます。
ケンゴ:照明もほぼアドリブになっちゃうから、照明のヒトシとも話していて。ダンス以前のものとして、俺たちとお客さんの関係においては照明と演奏だけでも成立するものを作ってしまおうって話していて。その中にダンスがあれば120%のものになるでしょうっていう。もちろんダンスありきなんだけど、俺たちの方でしっかりやっていれば踊る二人も楽しいだろうし、お客さんも楽しいんじゃないかっていう事を考えてます。

-最後に今回のイベントに来られるお客さんにメッセージをお願いします。
藤井:形式があるものや予想がつくものではないからこそ、躊躇せずに見に来て欲しいし、自分たちも知らないものを作り始めている実感はあって。みんな知らないものには手を出さないと思うんですけど、何が起こるんだろうっていう期待は裏切りたくないし、刺激を受けて帰って欲しいですね。躊躇されている方はとりあえず来てほしいし、知らないものだけど怖さの先にあるものに触れてみて欲しいですね。

※インタビューの続き(ケンゴマツモトが語る即興演奏について)は、雑誌化するBELONG Vol.22(1月下旬発刊)に掲載予定!

【Magazine】

BELONG Vol.22
発刊:1月下旬予定
価格:¥700(一冊・ミニポスター付)
掲載内容:『Taboo』対談後編・ケンゴマツモトが語る即興演奏について、他
※先着特典として、Web StoreでVol.22購入者に対談当日の写真をプレゼント!

【Event】
Taboo
日程:2017年11月11日(土)
会場:STAR RISE TOWER
住所:東京都港区芝公園4-4-7 東京タワーメディアセンター内
時間:A)開場:15:00 / 開演:15:30
B)開場:19:00 / 開演:19:30
料金:前売り 3,000円+1D / 当日 3,500円+1D
申込: A)http://taboo1111a.peatix.com
B)http://taboo1111b.peatix.com

Dancer:藤井舞香、根本紳平

Musicians:ケンゴマツモト(THE NOVEMBERS)、竹山隆大(Klan Aileen)、君島結(ツバメスタジオ)

Costume Design:田原浩樹

Lighting: 佐藤円(tremolo)

Flyer Design:佐藤瑞季

Plan:藤井舞香

jointly produced by NEWSEE

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