Lillies and Remains×PLASTICZOOMS×THE NOVEMBERSの3バンドによる共同企画“BODY”。2013年に開催された第一回目のBODYはPLASTICZOOMSとLillies and Remainsの共催で、翌年にはTHE NOVEMBERSが加わり、以降はこの3バンドが主催となった。時にはゲストアクトを起用するなど、毎度盛大な夜を飾るBODYも今年で5年目の開催となる。今ではファンの間では欠かせないイベントのひとつとなっている。ニューウェーブ・ポストパンク・インダストリアルといった音楽的バックグラウンドを共有し、影響を受けたものを吸収しアウトプットに繋げてきた彼らは、今日本のロックシーンで異色の光を放っている。
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そして音楽のみならず、ファッションやアート的一面も注目されている3バンドのソウルはとても近く、出会うべくして出会ったと思わざるを得ないほど強く共鳴している。センセーショナルな活動を繰り広げる彼らが一堂に会するイベント“BODY”。それは、それぞれの楽しみをぶつけ合う中、黒く着飾ったスタイルのまま心は裸になって踊る一夜。この盛大なパーティーは日本のバンドシーンにおいて、一ムーブメントを生み出し、現在も更新し続けている。それはいったいなぜか?そして、彼らにとって、ファンやリスナーにとって“BODY”とは、いったいどんな存在なのか?
「面白いイベントや、EBMが流れてるクラブがどんどんなくなってきていて、遊び場がないよね」そう交えながら“一緒に何かやろう”とSho Asakawa(PLASTICZOOM /Vo.)がKENT(Lillies and Remains Vo./Gt,)に声をかけたのがきっかけだと以前BELONGでのインタビューに答えてくれた。
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そもそもEBM(Electronic Body Music)とは、よく耳にするであろうEDM(Electronic Dance Music)と共にクラブシーンにおいて欠かせない存在であった。双方共に複数のジャンルをまとめた総称であり、EBMはインダストリアル・ゴシックなどダークな印象を受けるエレクトロミュージックを主流に、80年代後半からヨーロッパ圏で確立されていった。一方2006年コーチェラフェスティバルでのDUFT PUNKのステージをきっかけに急速に人気を博したと言われるEDMは、EBMがアメリカへ渡り変化していった結果、トランスやハウス・テクノが主流となった。ジャンルの違いに加え、EDMはラフな服装でカジュアルに楽しむ傾向があるのに対し、EBMは真っ黒なスタイルに、サイバーファッションやゴシックメイクといった身なりや服装にこだわって楽しむスタンスといった違いもある。EDMがメインストリームとなるクラブのように、“BODY”の会場に来る人たちは黒を基調としたコーディネートで身を纏い、メイクやスタイルなど各々こだわったファッションでやってくる。お酒を飲みながらゆったり楽しむ人もいれば、好きな音楽で大きく身体を揺らして楽しむ人もいる。そういった着飾る楽しみと共に、心のままに音楽を楽しめる場所が“BODY”なのだ。それを何よりも必要としているのは、当人たち。その喜びがリスナーの楽しみへと繋がっている。
そして、この3バンドを繋ぐキーワードとして欠かせないのがニューウェーブの存在だ。ニューウェーブとはジャンルというよりもムーブメントの一つで、発祥は1977年に発刊されたイギリスの音楽誌に掲載された記事によるものだという。ベテランアーティストの活動休止や、飛び抜けた新人が現れないなど、ロックシーンの飛躍が停滞し、マンネリ化が進んでいった70年代後半。パンクロックが流行を担うイギリスで、“THE・パンク”な音楽と違ったアプローチで挑むバンドが現れたことがニューウェーブの始まりだった。といっても、新しいアレンジやコード展開を積極的に取り入れて、今までになかったロックを提示するといった定義しかないのが実のところ。しかし、音楽とファッションが密接になったきっかけでもあるパンクロックから影響されたこともあり、JapanやDuran Duran、そしてThe CureやJoy Divisionとニューウェーブを代表するバンドたちは共通して常に新しい音楽へ挑戦し続け、ファッションやスタイルも常にこだわり抜いている。
これは3バンドに共通する思想である「すべてがこだわり抜かれていないと興味がない」ところに繋がる。そして、その3バンドが貫くこのニューウェイブ思考は着実に広まり、音楽とファッションを掛け合わせた一貫性と妥協のなさに感銘を受け、彼らにインスパイアされたバンドやリスナーも多い。これは一つのムーブメントと化している。そして、格好やスタイルを真似してみても、彼らも新しいモノを取り入れて変化していくので、どこか手の届かない人のような憧れを抱かせるのも彼らのスター性によるものだ。自身にまつわるものすべてにおいて抜かりなく、より自由に、よりかっこいいモノを追求する3バンドが共演することで生まれた“BODY”は、バンドマンやリスナーにとって刺激的で強く心を揺さぶられるイベントで、だからこそ開催の度に次回を望む声が絶えないのだ。
バンドや企画はいつ終わるかわからない。だからこそ今、心を裸にして思いのままに踊る。いつまでもファイターであり、熱いソウルと研ぎ澄まされた感性を音楽で通い合わせる彼らが見せる“BODY”は、これからも3組の成長や進化と共に、バンドシーンに多大な影響を与え続けるだろう。次回開催は2月7日。日本にニューウェーブを巻き起こす彼らは今も進化し続けている。
【今週の注目記事ベスト1⇒interview前半】PLASTICZOOMSが「MINDS」で見せた、変わろうとする意志 https://t.co/Q8fw7PS2zX pic.twitter.com/jDlONZLj7r
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【interview】Lillies and RemainsのKENTが語る『LOST』“コーラスをたくさん入れるのは、ブライアン・ウィルソンの影響” https://t.co/3ngGvUO16q pic.twitter.com/1OvfB2LQ5p
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【ライブレポート】THE NOVEMBERSにとっての“いい未来”が実現したチャペルライブ https://t.co/sAVW8ph2rn pic.twitter.com/pQoYj4euJs
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【Event】
BODY
日時:2018年2月7日(水)東京・DUO MUSIC EXCHANGE
出演者:Lillies and Remains/PLASTICZOOMS/THE NOVEMBERS
Open 18:00 / Start 19:00
Adv. 4,000yen (plus 1d) / Door 4,500yen (plus 1d)
チケットはローソンチケット、チケットぴあ、e+にて 12/23(土)発売
【Magazine】有料雑誌としてリニューアルしたBELONG最新号(Vol.22)が完成しました!表紙はTemples×GLIM SPANKY本誌独占対談と、浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS!500部限定の特典付きで販売します。今号より店頭配付はございません。発刊は1月31日(水)!詳細・購入はこちら https://t.co/pyTJ5J6EnF pic.twitter.com/K9f7BolhEC
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