今年のフジロックへの出演も決定し、ロック復権のカギとなっているスタークローラー。彼らを送り出した名門ラフ・トレードの次なる新星はロンドンにいた。ザ・フォールを敬愛し、その観察眼でロンドンのリアルを活写するガールズバンド、ゴート・ガールがデビューアルバム『Goat Girl』をリリースする。「The Man」のMVで描かれているようにロンドンを、ひいてはギターロックを再び熱狂させる存在になりえるのか今後に要注目!

アーティスト:L.E.D.(Gt.)、Naima Jelly(Ba.) インタビュアー:yabori 翻訳:原口美穂

-まずは日本のリスナーにメンバー紹介をお願いします。加えて、皆さんがどのようにしてバンドを結成したのかについて詳しく教えて下さい。
Ellie: 私はエリー。バンドでギターを弾いてる。
Naima: 私はナイマ。ベース担当。
E: ロージーはドラム、ロッティはギターとボーカル。
N: 私とエリーとロッティは、15歳くらいの時からの友達。ロージーは後からギグで知り合ったんだけど、他の3人は皆共通の友達を通して知り合って、音楽を一緒に作り始める前から知り合いだったの。それぞれの家で皆で遊んではギターで曲をプレイするようになって、自然と曲を作るようになった。その流れでバンドが始まったのよ。

-作り始めた時も今のような音楽だったんですか?
E: 最初はもっとアコースティックだったわ。そのあとエレキをプレイするようになって、サウンドがよりヘビーになった。そこからドラムがないとサウンドが変な感じになってきたのよね。ドラムが必要になって、ロージーを見つけた。彼女が見つかってラッキーだったわ。

-昔から音楽はやっていたんですか?
N: 私とエリーは11歳から友達で、その時から一緒に曲を書いているんだけど、昔はもっと甘い感じの曲が多かった(笑)。ロッティも私たちと出会う前から曲を書いていたの。

-ゴート・ガールというバンド名には、どのような意味が込められているのでしょうか?
N: 実は、バンド名を思いついたのは私のパパ(笑)。ビル・ヒックスのコメディのネタに“ゴート・ボーイ”っていうのがあって、それをある晩パパと見ていたら、パパが「バンド名、ゴート・ガールにしろよ」って言ってきたの(笑)私たち全員ビル・ヒックスが好きだし、ちょうど良いなと思ってその名前にしたのよ。
E: 私は彼の姿勢が好き。すごくオープンで、世界に対する自分の意見をちゃんと言葉にするところ。

-ロンドン出身だそうですね。ロンドンと言えばリバティーンズを始め、素晴らしいバンドが続々と出てきた場所でもありますが、現在、ロンドンはどのような音楽シーンを形成しているのでしょうか。またサウス・ロンドンは醜い都市だそうですが、どのような場所なのでしょうか。
N: ロンドンにはしょうもない音楽も沢山あるわ(笑)。でももちろん良い音楽も沢山。クリエイティヴなミュージシャンが沢山いるし、色々な音楽ファンがいるから、皆がそれぞれに自分の繋がり方で音楽と繋がっていると思う。
E: バンドがありすぎるっていう現状もあるのよね。今って皆セルフ・プロデュースできるから、誰でも音楽をアップできるでしょ?音楽がギュウギュウ詰めになっている感じ。もちろん良いことでもあるけど、オンラインで簡単に音楽が聴けるから、人々があまり注意を払わないっていう問題もあると思う。あまり音楽を真剣に捉えていないの。もちろんサウス・ロンドンは大好きよ。コミュニティ感があって、音楽をやっている上で、それを感じられるのはすごく嬉しい。皆でサポートしあっているしね。
N: 今は、ノース・ロンドン、ウエスト・ロンドン、イースト・ロンドンのミュージシャンたちもサウス・ロンドンに来たりしているわ。

-デビューアルバム『Goat Girl』ではあなた方が見たロンドンの衰退をテーマに歌っているとの事ですが、どうしてこのようなテーマを歌おうと思ったのでしょうか。
E: それがテーマだとまでは言わないけど、私たちが住んでいる場所だから、ロンドンについて歌っているっていうのはある。自分たちを囲っている環境だから、それはやっぱり出てくるの。だから、テーマといえばテーマかもしれないわね。
N: 自分たちが育った街だから、影響を受けずにはいられない。ロンドンのフィーリングは、自分たちの音楽に反映されずにはいられないんだと思うわ。

-こうした経験を経てリリースされるデビューアルバム『Goat Girl』ですが、なぜタイトルにバンド名をそのまま付けたのでしょうか?
E: アルバムタイトルに関して、皆の意見が一致しなかったの。だから、これしかなかったのよ(笑)。次はもっとちゃんと考える(笑)。

-どうして今作をラフ・トレードからリリースしようと思ったのでしょうか。
E: ラフ・トレードには歴史があるし、私たちのサウンドにも合っていると思ったからよ。プリンセス・ノキアとか、ストロークスとか、ラフ・トレードには私たちも大好きな素晴らしいアーティストが沢山いるしね。

-今作はフランツ・フェルディナンドを手掛けたダン・キャリーがプロデュースしたそうですが、どうして彼と一緒にやろうと思ったのでしょうか。
N: ロッティがギグでダンに会って話をしたみたいで、それでダンが私たちのリハーサルにきたの。その流れで彼がプロデュースすることになったんだけど、ナチュラルだったし、音楽的にも彼と気が合った。すごく良かったわ。

-ダンの雰囲気や制作プロセスはどんな感じでしたか?
E: 彼の素敵なホームスタジオに行って、テープでレコーディングしたの。ほぼライブレコーディングをして、時間をかけ過ぎずに、どのトラックにも一日以上はかけなかった。やりすぎない感じが良かったと思うわ。


-今作はテープでのレコーディングとローファイサウンドにこだわったとの事ですが、どうしてこの部分にこだわったのでしょうか。

N: こだわったわけではないけど、磨かれすぎたサウンドは求めていなかった。
E: そのフィーリングが音楽に合っていたんだと思う。あと、テープだと制限ができるから、それも良かった。デジタルだと、何テイクだってとれちゃうし、それが故に完璧を求めてしまうと思うの。でも不完全さって悪いことではないし、それが自然な姿だと思うのよね。


-「I Don’t Care」がパート1とパート2がありますが、どうして2曲分作ろうと思ったのでしょうか。
N: その2曲は実は全然違う曲なんだけど、歌詞が似ているの。だから同じタイトルをつけたのよ。あえて考えてそうしたわけじゃないの(笑)。
E: 歌詞が似ているのも、たまたまそうなっただけ(笑)。
N: 人って、“I don’t care”(気にしない)って言いながら、すっごく気にしていたりするでしょ(笑)?この曲は皮肉的なの。特にパート1はそうね。

-メンバー4人ともストリートファッションを着たり、ぬいぐるみを持っていたりしますが、これらにはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
N: 私、あんまりファッションに関しては詳しくないんだけど、スタイルを考えるのは楽しい。でも、バンドのメンバー全員がファッションには疎いと思うわ(笑)。ブランド名なんて全然知らないしね(笑)。でも、スタイルは好きよ。
E: こだわりはあまりないけど、自分が考えていることを着るもので表現する人もいるとは思う。でも、私たちはそこまで意識はしていないわね。一番は中身だから。あのぬいぐるみは、ファッションではないの(笑)。写真をもっと面白くするために使っただけよ(笑)。
N: 真面目になりすぎないように(笑)。

-ストリート・スタイルの他に、どんなスタイルが好きですか?
E: やっぱりストリート・スタイルが一番かな。私はヒップホップ・スタイルが好き。バギーパンツってクールだと思わない(笑)?
N: 色々試すのも楽しい。
E: スタイルって、その人の特徴になるわよね。向こうから歩いてくるのが見えて、“あ、あれあの子だ!”ってわかったりする。あと、スタイルでその人のことが少しわかったりもするわよね。
N: 靴もその人を表現していると思う。履いている靴でその人のことが分かると思うわ。
E: (笑)。

-「The Man」のMVは女性版ビートルズのような狂騒を描いていてとても面白かったのですが、この映像にはどのような意図があるのでしょうか。
N: あれはビートルズの「A Hard Day’s Night」を意識したの。
E: で、面白いから男女をひっくり返してみただけよ。
N; それだけ(笑)。私たちっていうより、ビデオを作った監督CC・ウェイドのアイディアだったんだけど、面白いから試してみることにしたの。そしたらすごく良いビデオができたから良かったわ。

-バンドの在り方や音楽性について特にインスパイアされたアーティストを3組教えて下さい。また、そのアーティストからどのような影響を受けていると思いますか?
E: カントリー・ティーザーズ。ロッティって誰が好きだっけ?
N: ザ・フォール。
E: あともう一人選ぶとしたら、誰かフォークの人ね。ウィリー・メイソン。
N: そうね!ウィリー・メイソン。
E: 私たち、ウィリー・メイソンが大好きなの。
N: カントリー・ティーザーズは、昔すっごく言葉が心に響いたのよね。怒りについても歌っているんだけど、根元は美しいポップソングなのが素晴らしいと思う。メロディが素敵だし、音楽のスタイル的に影響を受けていると思うわ。ザ・フォールも同じ。あと、ウィリー・メイソンは最高。すごく美しい音楽を書くアーティストだと思う。
E: シンプルなのにアイディアが詰まっていて、ソングライターとして最高だと思う。

-今作をどんな人に聴いて欲しいと思いますか?
E: 誰にでも聴いて欲しい。私たちの音楽は、一つのタイプの人々だけにフィットするものじゃないと思うし。

-それでは最後に、日本のリスナーにメッセージをお願いします!
E: みんなに会えるのが待ちきれないわ!
N: 日本は行ったことないけど、すごく興味を持っているの。
E: トイレがすごいって聞いてるから見てみたいな(笑)。
N: ジブリ美術館にも行きたい。早く日本に行けますように。

【Release】

『Goat Girl』
レーベル: Rough Trade / Beat Records
発売日: 2018/04/06 FRI ON SALE
品番:RTRADCDJP884
価格:¥2,000+tax
国内盤特典:ボーナストラック3曲追加収録 / 解説・歌詞対訳付き

収録曲:
01. Salty Sounds
02. Burn The Stake
03. Creep
04. Viper Fish
05. A Swamp Dog’s Tale
06. Cracker Drool
07. Slowly Reclines
08. The Man With No Heart Or Brain
09. Moonlit Monkey
10. The Man
11. Lay Down
12. I Don’t Care Part 1
13. Hank’s Theme
14. I Don’t Care Part 2
15. Throw Me A Bone
16. Dance Of Dirty Leftovers
17. Little Liar
18. Country Sleaze
19. Tomorrow
*Bonus Tracks for Japan
20. Scream
21. Topless Tit
22. Banana (instrumental)

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