ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が主宰するレーベル、only in dreamsから『MAN NOWEAR』がリリースされ、デビュー作から順調なスタートを切ったNOWEARMAN。しかしそれは3年前の話であり、昨年末にシングル『Chance/24hours』を待つまで表立ったリリースはなかった彼ら。しかしながらライブで披露された曲は明らかにアルバム一枚以上はある状況なのに、どうして新作のリリースがなかったのだろうか。これまでの彼らの葛藤については前回のインタビューで語ってもらったところで、3年ぶりの新作となった『Chance/24hours』はどのような意味があり、これからどのような活動をしていくのだろうか。フロントマンのナガノサトルに聞いた。

アーティスト:長野智(Vo.,Gt.) インタビュアー:yabori

-じゃあその第一弾がこないだリリースした2曲入りのシングルだったと。
あれは自分たちがそこを決める前にリリースの話を進めていて。今度レコードストアデイで7インチをリリースするんだけど、あれを出す事で自分たちがどうやっていくべきかを見つめ直す機会にもなって。最初はアナログで出すっていう話ではなかったんだけど、シングルを作る過程でも色々あって、自分たちが何をやりたいのかよく考えて形にしたものがこれで。曲が固まらない状態が長かったんだけど、じゃあ誰かと一緒にやってみればっていう話がその突破口になって。

-そこでNAHAVANDとTHE SUZANのSAORIさんが出てきたと。
そう、自分たちが分かる範囲の部分で作ろうっていうのではなくて、誰かと共作することで何か新しくて自分たちも面白がれるものができるだろうって。彼らの方が違うシーンを見ているから、一緒に作って曲ができた時に“これ、本当はこうなのに”っていう感覚にならないと思って。NAHAVANDはバンドでもあるけど、ヒップホップ色が強いから自分たちの音楽と合わさってもちゃんと組み合わせになるっていう。コラボありきで曲を作る時も一緒に話し合って作ったんだけど、今までのように自分たちとは違うものを作らないとっていう事を考えなくても良かったんですよ。

-異色のコラボではあったけど、制作自体は自然な流れで進んでいったんですね。
無理してこうしようっていうのはなかったんだよね。最初、「Chance」はもっとバンドっぽかったんだけど、BPMも落としたし。エンジニアはコーネリアスを手掛けた高山さんがやってくれて。自分たちとしてはマンチェスターっぽいトラックにラップが乗ってるっていう構成だったけど、高山さんが良い具合にミックスしてくれて。

-この曲は今までのNOWEARMANとは雰囲気がかなり違っていますよね。一時期のスーパーカーのようにも感じられたんですけど、急にどうしたんだろうと思ったんですよ(笑)。前のNOWEARMANは3人の音しか入ってなかったけど、今回はシンセの音も入れてるから何があったんだろうと思って。
音数は多くなったんだけど、今まで通りライブは同期じゃなくて全部演奏してるよ(笑)。最初に作っていたものに対して、高山さんにお願いした時にリミックスみたいにしてくださいって言ってて。最初のものをいじってもらうやり方でミックスしてもらったから、雰囲気もだいぶ変わったんだと思う。

-ミックスでこんなに変わるんですか!?
それがすごく変わったんだよね。最初に録音したものは今よりもずっとバンドって感じだったんだけど。でもB面に入っている「24 hours」は録ったものそのままだから、2曲間の対比が面白いと思う。

-「24 hours」なんですけど、この曲のギターってアジカンの「君の街まで」のイントロを弾いてませんか?
あれ!?弾いてたっけ?それは無意識でやっていると思う。あの曲のイントロはよく弾くんだけどね。

-マジっすか!?スタッフの方や後藤さんからも言われてないんですか?
言われてない(笑)。もう一回聴いてみるわ(笑)。「24 hours」はツインボーカルのユニゾンで一緒に歌う方が良いだろうって事でやってみたんだけど、あえてテクニカルな事をしないようにしていて。自分たちとしては「Chance」の方が新鮮だと思っていたけど、どっちも良い具合に自分たちのこれからやっていきたい事に沿っているかなと思う。

-この2曲は配信で先に出ましたけど、どうしてレコードストアデイにアナログで出そうと思ったのでしょうか。
最初どういう形式でリリースしようって話していて。もともとシングルの話ではあったから、やるんなら自分たちの好きなアナログで出したいと思っていて。7インチで出すっていう話で決まったけど、せっかくやるのであればみんなに聴いてもらいたいっていうのがまずあって。じゃあ先に配信でリリースする事に決まったんだよね。時期的にレコードストアデイに近かったから、そこに合わせたいと思って。自分たちがどういう風に音楽を聴いているかとか、どういう風に音楽が好きだとか、何が面白いと思うっていう事をバンドに落とし込んでいくっていうのはそれをリリースする前後からよく考え始めた所で。音楽だけがバンドじゃないっていう部分と商業的な部分を面白く両立していきたいと思っていて。

-その活動っていう部分でロールモデルになるバンドはいましたか?
そういう事を考え始めた時に自分たちの活動のモデルになるバンドは日本でいうとどんな人たちだろうって考えていたんだけど、分からなくなって(笑)。そういう事は置いておいて日本や海外も関係なく好きなバンドの活動を考えたら、LCDサウンドシステムが一番理想的だなと思っいて。

-彼らの新作『アメリカンドリーム』は良いアルバムでしたよね。
うん、良かった。あの人たちも結局、やっている事はスーサイドやデビット・ボウイ、カン、ノイと同じなんだけど、それをすごく好きだからやっているし、自分たちのレーベルでやれる範囲をわきまえてやっているんだろうなと思っていて。運営に関してもメジャー志向過ぎる訳でもなく、地味に自分たちだけでやる訳でもなく、野心も持っているし。

-アルバムタイトルが『アメリカンドリーム』ですから(笑)。
そうそう(笑)。ただ“アメリカンドリーム”なんだけど、やっている事が手広く器用にやっている訳でもないっていう(笑)。そういう所に共感できる部分がたくさんあって。自分たちが好きなものを音楽と活動に落とし込めているのがすごくかっこいいなと思って。

-LCDサウンドシステムみたいに活動している日本のバンドはなかなかいないと思うんで、手探りで活動していくしかないかもしれないですね。
何が新しいかや、何が面白いかっていう事を考えるのも大事だと思うんだけど、それも考えつつバンドの方向性も考えないといけなくて。それを今までは一緒くたに考えていて、まとまらない部分があって・・・。例えばストロークスのジュリアン・カサブランカスがやっている音楽何だこれ?って感じだけど、そういうよく分からないものがあるのが良いよねっていう。違和感からアプローチしていく音楽って日本ではあんまりないから、そういうものを新しく始めるのが楽しそうだと思うし。でも一方でそれを誰に向けてやるのかっていう課題もあって。でもそういう違和感のある音楽が好きな人もいるから、そういう人たちと自分たちも繋がっていきたいと思ってて。音楽に限らず、そういうのを聴いてそれをすごく好きだと思う人たちと繋がっていきたくて。そういう人たちの解釈があって、存在できるような音楽が理想だと思ってて。聴いてくれる人たちがいないと表現って成立しないから。単体で素晴らしいものも存在すんだろうけど、バンドも聴く側の解釈がないと面白くないから。そういう関係性を築けるような活動をするのが面白いだろうなって思ってて。

-『OK Computer』以降のRadioheadみたいな感じですかね?
なるほど、確かにね(笑)。彼らも『OK Computer』以前は良いメロディーだし、そこに解釈が存在しなくても良いって感じられるし。でもそれは一定のラインまで行くと退屈になるんだろうし、解釈の幅を深くできない訳でもなくて。深い解釈がないと存在できないものが良いとは言わないけど、狭い範囲の人にしか響かないとしても興味をそそられると思うし。うちらはそういうものをやりたい。

-Radioheadが音楽性を大きく方向転換して、色んな解釈をする人が出始めたのも最初の2枚が良かったからだと思うんですよ。一定の評価がないとリスナーに深読みしてまで解釈したいって思えないと思うんですよね。
そうだよね。そういうのを気にして今までやってきた部分があったんだけど、そこは置いといて自分たちがやりたい事を理解してもらう為に段階を経ていくのを考えるのはいったん置いといて。最近は最初からコアな部分を見せていっても良いのかなとも思っていて。

-最初からやりたい事で勝負するって事ですね。
それが良い・悪いは別として、それをやる勇気や行動力も大事なんだと思って。作ったけど、これは分からないから、もっとより良くっていう考え方は尖っている部分を丸くしていく行為だと思うから。じゃあその尖っている部分をどれだけ自分たちのものとしてやれるかっていうのをこれからはやっていきたい。

-結局はやりたい事とポップである事とのバランスじゃないですか。ジュリアンの新バンド、The Voidzの新作(『Virtue』)もポップだけど、違和感のある音楽をバランスよく作る事に関しては天才的だと思うんですよ。
確かに。ただ良い曲を書くだけじゃないのが面白いと思って。ストロークスも出てきた時は、「なんでこういう音楽なの?」っていう違和感がすごかったし。

-ジュリアンは最近のインタビューで「ビートルズを好きじゃないことが自分の長所」って言ってましたよ(笑)。
(笑)。

-それでは最後に今作をどのような人に聴いて欲しいと思いますか?
もちろんみんなに聴いて欲しいんだけど、せっかくレコードストアデイで7インチでリリースするから普段配信やYouTubeで聴くだけの人も、実際にレコードを手にとってみて欲しい。レコードプレーヤーを持ってなくたってレコード屋でNOWEARMANあるかなってジャケットをザクザクやって探してみてほしいの。そういうふうに自分達の音楽が誰かに届くことが本当に嬉しい。

【Release】
『Chance』
レーベル:only in dreams
品番:ODEP-011
フォーマット:7インチシングル
販売価格:1,111円 (税抜)
発売日:2018年4月21日(土) 発売

トラックリスト:
Side A Chance (NOWEARMAN x NAHAVAND)
Side B 24hours (NOWEARMAN x SAORI from THE SUZAN)

販売店舗に関して:
今回の7インチシングルは、レコードストアデイ加盟店での販売となります。
お店によっては音楽ジャンルが異なる場合、お取り扱いがない場合がございます。
お住いの近隣店舗をお調べしていただき、入荷状況をご確認いただきますようお願いいたします。
RECORD STORE DAY 2018:http://recordstoreday.jp

【Live】
<RSD限定7inch「Chance」>
発売記念インストア・イベント:ミニライブ&サイン会

出演:NOWEARMAN / スペシャルゲスト:NAHAVAND Vo.Miyauchi
場所:1Fイベントスペース
時間:15:30 (イベントの性質上、若干前後する可能性がございます)
観覧フリー
サイン会対象商品:NOWEARMAN「Chance」ODEP-011
タワーレコード渋谷店にてご購入いただいた7インチ「Chance」ODEP-011を特典会場 (当日決定予定) にお持ちください。

お問い合わせ:タワーレコード渋谷店 03-3496-3661 http://towershibuya.jp/2018/04/19/118217

<NOWEARMAN FLOOR supported by FOLK>
日程:2018年5月19日(土)
会場:渋谷 the room http://www.theroom.jp
チケット:前売り / 当日 ¥2,000
開場 19:00 / 開演 20:00
チケットのご予約はこちらから
http://nowearman.com/contact.php

■出演
NOWEARMAN
DJ:FOLKS

お問い合わせ:渋谷 the room:schedule@theroom.jp

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