コンセプチュアルな映像作品とモダン・ソウルというジャンルの枠に収まらない斬新な音楽性。7人編成の大所帯バンド、ジャングルは新人にしてマーキュリープライズにノミネートされたり、ノエル・ギャラガーから絶賛されたり、本国UKでは破格の注目を集めるに至った。また前作のMVではダンサーを介して徹底した世界観を作り上げたのだが、彼らの実態については未だ謎に包まれている。そんなジャングルとは一体何者なのか?フロントマンのトム・マクファーランドに迫った。

アーティスト:トム・マクファーランド インタビュアー:yabori 通訳:Emi Aoki

-ジャングルはジョシュとトムの二人で結成されたそうですが、結成のいきさつについて教えてください。
トム:俺とジョシュは10歳の子供の頃から友達だった。バンド活動をしている人の多くは、子供の頃からバンドを始め、いくつものバンドに入ったり抜けたりしながら、クリエイティブになるための方法を学び、ソングライターになるために学んでいく。そして2013年に、俺たちは、世界中の人たちに共感してもらえるような音楽を作ろうとした。それが結成のいきさつだよ。特に大それた計画などはしていなかった。思いがけない偶然だよ。

-また二人で始めたプロジェクトがどうして最終的には7人編成バンドになったのでしょう?ツアーを始めたからでしょうか?
曲をいくつかリリースして、ファーストアルバムがほぼ完成したという時点で、自分たちの音楽をライブでやりたいと思った。2つのパソコンとたくさんの機材を自分たちで操作するよりも、観客のみんなには、よりライブ感のある体験をしてもらいたかった。ロンドンには素晴らしいミュージシャンの友達が大勢いたから、彼らに手伝ってもらって、大人数のバンドとしてステージ上で音楽を披露することにした。それ以来、ジャングルは大きな進化を遂げてきた。

-どうして“JUNGLE”というバンド名にしたのでしょうか。またWeb検索する時代においてあえて検索しにくい名前にした理由があれば教えてください。
当時、そういうことは特に考えなかったけど、俺たちにとって「ジャングル」というのは良い響きを持つ言葉だな、と思った。俺たちは、大きな意味を持つ言葉を使ったバンド名が好きだ。例えば、「ラブ」や「ピース」「マネー」など。同時にたくさんの意味合いを持つ言葉というのが俺たちにとって重要だった。

-ジャングルといえばジョシュとトムや他のメンバーが同じフレーズを一斉に歌う歌唱法が特徴的ですが、どのようにしてこのスタイルに行き着いたのでしょうか。
自然に行き着いたね。俺とジョシュがスタジオにいる時、2人とも歌いたいと思ったから一緒に歌おうということになった。それが始まりだね。今回のアルバムでは、そこから歌い方が少し多様化されて、グループで歌う部分を削ったソロヴォーカルもある。そうすると、グループのヴォーカルが再び入って来た時に、さらにインパクトが出るようになる。

-印象的なMVについて聞かせてください。登場人物のダンスやファッション、調度品に至るまで細部にこだわり抜いていますが、どうしてここまで世界観を確立した映像を撮影しているのでしょうか。
ビデオやアート、アートワークを作るのが大好きだからだよ。俺たちのビデオは、観客がジャングルの世界観を覗くことができる窓口だと思う。その世界観をなるべく鮮明に、美しく、シネマティックに作り込むことができるなら、それが俺たちにとってベストな解決策だと思う。俺たちのビデオには、隠された調度品やコメントがあるんだ。今回のアルバムのビデオもよく見ると、予想外のものが出てきたり、ファーストアルバムのビデオにつながるアイテムやヒントが隠されていたりする。とにかく、ビデオやセットを作るのはとても楽しいし、ビデオに出演してくれた人たちはとても素晴らしい才能の持ち主ばかりだから、彼らのスキルを披露したかった。

-「Happy Man」のMVのアイデアはどこから来たのでしょうか?
今回はビデオを通してバンドのみんなを紹介したかった。俺たちと一緒にジャングルに関わっている人たちは、見ての通り、素晴らしい人たちばかりだ。とてもカッコよくて見映えも良いし、写真映りも抜群だ。だからビデオに登場してもらうのは当然のように思えた。 あのビデオの設定は、俺たちのホームスタジオや俺たちの世界を表現していて、俺たちが一緒にアートを作っている場所としてのメタファーだ。それを全て画面上に表現することができて嬉しいよ。

-(上記に関連して)ジョシュはロサンゼルスに引っ越しされたそうですが、どうしてその場所を選んだのでしょうか。
ジョシュはロサンゼルスを選んだんじゃないよ。ロサンゼルスに住んでいる女性と恋に落ちたんだ。誰かと恋に落ちて、その人がいる都市へ引っ越すという重大な決断をする。その場合、選択肢はあまりない。その場所はどこでもよかった。それはニューヨークでもよかったし、東京でもよかった。

-歌詞は抽象的な表現を多用していますが、ご自身の体験を基に書かれているのでしょうか。
そうだね。今作の大部分は、ファーストアルバムと比べると、ずっと自伝的な内容になっている。ファーストアルバムは、俺たちが逃避できるようなファンタジーの世界やサウンドスケープを作った作品だった。だがその後、世界中を旅する機会を与えられ、頭の中で想像していた数々の場所を実際に訪れることができた今、自分たちの物語を、音楽を通して伝えて行くのが重要だと思った。そして感情的なレベルで、さらに観客と繋がりたいと思った。そうするには、自分がどういう人間であって、人生においてどんな経験をしてきたのかという自分のストーリーを多少は明かして、人々に理解してもらわないといけない。

(残り文字数:3815字)
※インタビューの続きはデジタル版(Vol.24 Ver.3.0)に掲載。後半は新作に収録されている「Casio」の意味やアルバムのコンセプトについて、彼らのルーツに当たるアルバム3枚について語った内容を掲載。詳細は下記にて。

【Digital Magazine】
Vol.24(Ver.3.0)
価格:¥500(ダウンロード販売のみ)
形式:PDFファイル
掲載内容:
Vol.24全ページ(P32)と新たに下記、未公開写真・記事28ページを追加した全60ページ。
①表紙:THE NOVEMBERS ※9月22日更新
②JUNGLEインタビュー ※9月22日更新
③Vol.24の内容(P32)
④デジタル版(Ver.1.0+Ver.2.0の内容)
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【Release】

『FOR EVER』
発売日:2018.09.14 FRI ON SALE
レーベル:XL RECORDINGS / BEAT RECORDS
品番:XL972CDJP
国内版特典:ボーナストラック2曲追加収録 / 歌詞対訳・解説書封入

【Profile】
長年の友人であり音楽仲間でもあったジョシュ・ロイド・ワトソンとトム・マクファーランドの二人組を中心に結成。その後、ライブでは7人編成のバンドへと拡大する。2014年、ジャングルはデビュー・アルバム『Jungle』を〈XL Recordings〉よりリリース。New York Timesが「魅惑的で、将来が期待できるデビュー作」、Rolling Stoneが「ファレルを超えるようなフォルセットが、跳ねるようなベースラインと、軽快で快活なファンク・ポップの上を響き渡る」と評価するなど、各所で大絶賛され、その名を世界に知らしめた。『Jungle』は、2014 年のマーキュリー賞にもノミネートされ、iTunesの【2014年度最優秀オルタナティブ・アーティスト】に選ばれた他、Spotifyの「Top 5 Breakthrough Artists」にも選出。 UKではゴールドアルバムを獲得し、世界中で500,000枚以上の売上を達成している。

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