あなたは活動歴9年で、15作ものアルバムをリリースするキング・ギザード & ザ・リザード・ウィザード(King Gizzard and the Lizard Wizard)というバンドをご存じだろうか?

彼らは多い時で1年に5作、ペースにして1.7作/年にリリースする規格外のサイケデリック・ロックバンドなのである。

そんな彼らが今年のフジロックで来日する。それでは一体、キング・ギザードとはどんなバンドなのだろうか。

アメリカで2度ライブを見たという、BELONGサイケ担当Red Appleが徹底解説する。

また彼らはこれまでに膨大なアルバム数と曲があるため、入門編のプレイリストも作った。

フジロックで初めて彼らを見るという方はライブの予習にどうぞ!(序文テキスト:矢部友宏)

キング・ギザード & ザ・リザード・ウィザード(King Gizzard and the Lizard Wizard)とは!?

FUJI ROCK FESTIVAL ’19にも出演が決まっている規格外のモンスターサイケ・ロックバンド、キング・ギザード & ザ・リザード・ウィザード(King Gizzard and the Lizard Wizard)。

彼らはオーストラリアのメルボルン出身の7人組で、メンバーはスチュ・マッケンジー(Vo./Gt./Key./Ba./Flute)、アンブローズ・ケニー・スミス(Vo./key./Harmonica)、ジョーイ・ウォーカー(Gt./Ba./Key./Vo.)、クック・クレイグ(Gt./Ba./Vo.)、ルーカス・スキナー(Ba./Key.)、マイケル・カバナー(Dr./Percussion)、エリック・ムーア(Dr./Percussion/Management)から成る。

各メンバーの担当楽器だけ見てもこのバンドの力量が分かると思う。さらにドラマーが2人いるのも個性的だ。

ドラマーのエリックの肩書きにマネージメントとあるが、キングギザードの所属するオーストラリアのインディーズレーベルであるFlightless Recordsはエリックが代表を務めている。

Flightless Recordsにはザ・ベイブ・レインボー(The Babe Rainbow)やザ・マーロックス(The Murlocs)などのオーストラリア産サイケバンドが所属している。

1年に1.7作リリースする規格外の創作力

彼らは2010年より活動を始め、これまでに14作品をリリースしている。余りにも多いので、リスト形式で紹介しよう。

・2012年、ファーストアルバム『12 Bar Bruise』リリース

・2013年『Eyes Like the Sky』、『Float Along – Fill Your Lungs』リリース

・2014年『Oddments』、『I’m In Your Mind Fuzz』リリース

・2015年『Quarters!』、『Paper Mache Dream Balloon』リリース

・2016年『Nonagon Infinity』リリース

・2017年『Flying Microtonal Banana』、『Murder of the Universe』、『Sketches of Brunswick East』、『Polygondwanaland』、『Gumboot Soup』リリース

・2019年『Fishing for Fishies』リリース

アルバムリリースの経緯をまとめてみたが、ここまでハイスピードでリリースできるのは彼らぐらいだろう。

各作品ごとにちりばめられた仕掛け

彼らの音楽は基本的にサイケ・ロックでヘビーな曲調だが、アルバム毎にテーマを設けるのも彼らの面白い所だ。

『Paper Mache Dream Balloon』はアコースティック調のサイケフォークだけを集めたアルバムにしたり、

『Quarters!』は名前の通り4曲入りのアルバムだが1曲1曲が10分10秒きっちりで収めたりするなど、コンセプトが面白い。

また実験的な取り組みも行っており、5枚のアルバムを1年の内にリリースし、そのうちの1枚『Polygondwanaland』は無料でリリースしたり、

『Flying Microtonal Banana』ではギターとベースに追加でフレットを打ち込み、12音階より音階をさらに広げる(ピアノで言うと白鍵と黒鍵だけでは弾けないさらに細かい音階)という新たな試みを行ったりもしている。

2019年8月に15作目をリリース

『Infest the Rats’ Nest』アルバムジャケット

今年発売されたばかりの『Fishing for Fishies』というアルバムはブギーなロックンロールアルバムだった。

しかし次作はなんとスラッシュ・メタルなアルバムだというから、その振り幅にはもはや笑うしかない。

それでいて彼らのアナログで自由多彩な音作りや、高い演奏技術、そして複雑な変拍子やコード感など。

音楽理論の土台がしっかりしているからこそジャンルに関わらず垣間見ることのできる個性、いわゆる”キングギザード感”がどのジャンルに挑戦しても失われていないことが彼らが世界で評価される理由の一つだろう。

その最新アルバム『Infest the Rats’ Nest』は、2019年8月16日にFlightless Recordsとアメリカのインディーズレーベル、ATO Recordsよりリリースされる。

アメリカで目の当たりにしたライブ


作品同様、彼らのライブパフォーマンスも見所満載だ。私自身以前アメリカで2度彼らのライブを観る機会があった。

1度目はまだまだ名前も世に知られていない時で、バーの奥にある小さなライブスペースでのライブだった。

しかしその時からすでにライブパフォーマンスの面ではセンスがあった。

目の眩むようなサイケデリックな映像が直接彼らを彩り、小さなスペースながらに彼らの存在感や、ライティングやサウンドによる非現実感で一瞬のうちに満杯だった客が虜になったのが実感できたほど。

2度目は広いライブハウスで、ヘビーな曲で会場中が熱気に包まれ、客席全体が暴動状態だったのをよく覚えている。

さらにボーカルのスチュはギターだけでなくフルートや民族的な笛なども演奏したり、マイケルとエリックによるツインドラムも見どころ。

基本的には2人とも似たフレーズを叩いているがその絶妙なズレがグルーヴ感を生み出し、さらに音圧や迫力も増幅させ、実際にライブで見るとサウンドもパフォーマンスとしての見た目も楽しめる。

フェスなどでも演奏する機会の多い彼らだが、どのサイズのステージでも会場を一瞬でキングギザード色に変えてしまうあたりさすがだ。

そしてメンバー数の多さに比例してサウンドもヘビーで立体感があり、何度見ても飽きのこないバンドだと言うのが正直な感想である。

フジロックで待望の来日!

冒頭でも触れたが今年はFUJI ROCK FESTIVAL ’19への出演が決まっている。

そしてオーストラリアを初め、アメリカとカナダ、そしてイギリスやその他ヨーロッパ各国をツアーする予定だ。

今年のフジロックではスラッシュ・メタル感満載の新アルバムをひっさげて来日することもあり、以前のライブよりも一層熱気溢れる激しいライブになるだろう。

会場やステージにもよるが、バンドの背景に映し出される映像もライブならではの醍醐味で、野外フェスでも圧倒的な迫力のパフォーマンスで音でも映像でも楽しませてくれること間違いなしだ。(テキスト:Red Apple)

リリース作品

Infest The Rats' Nest
Infest The Rats’ Nest

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King Gizzard and the Lizard Wizard
Ato Records (2019-08-16)

収録曲:
1. PLANET B⠀
2. MARS FOR THE RICH⠀
3. ORGAN FARMER⠀
4. SUPERBUG⠀
5. VENUSIAN 1⠀
6. PERIHELION⠀
7. VENUSIAN 2⠀
8. SELF-IMMOLATE⠀
9. HELL

Fishing For Fishies
Fishing For Fishies

posted with amazlet at 19.06.29
King Gizzard and the Lizard Wizard
Ato Records (2019-04-26)
売り上げランキング: 25,117

収録曲:
1. Fishing For Fishies
2. Boogieman Sam
3. The Bird Song
4. Plastic Boogie
5. The Cruel Millennial
6. Real’s Not Real
7. This Thing
8. Acarine
9. Cyboogie

プロフィール


オーストラリア・メルボルンのサイケロック・バンド King Gizzard & The Lizard Wizard。2010年結成にも関わらず、これまでにリリースしたアルバムはなんと13枚にも及び、その内5作品が2017年にリリースされるという底なしの制作意欲と、映画音楽を始めジャズからヘビーメタルなど、多種多様なジャンルからインスパイアされたサイケロックの定義を根底から覆す多彩でサイケデリックな楽曲群が注目されている。新作を公開する度に話題となるクリエイティビティーが炸裂する彼らのコミカルなミュージックビデオや、オンステージ7名で繰り広げられるエネルギッシュなライブパフォーマンスにも定評があり、今や国内のみならず世界のサイケロックシーンを代表するバンドとして君臨している。4月に14枚目となる『Fishing for Fishes』、8月に15枚目『Infest the Rats’ Nest』をリリースする。

プレイリスト

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