最終更新: 2020年5月9日

THE NOVEMBERS(ザ・ノーベンバーズ)が“「NEO TOKYO -20191111-」と題したライヴで見せたのは進化に進化を重ね、素晴らしいバンドになった姿だった。

2019年3月に最新作『ANGELS』を発表して以降、THE NOVEMBERSの表現はどんどん開かれたものになっていった。

今回はその「NEO TOKYO -20191111-」のライヴについて、ライター・小野島大が見た“NEO TOKYO”での狂騒についてのレポートをお届けしたい。

“NEO TOKYO”ライブレポート

テキスト:小野島大 写真:Susie

2019年11月11日。11月はTHE NOVEMBERS(ザ・ノーベンバーズ)の月である。

アンコールで出てきた小林祐介が「今バンドはなかなか面白いことになってる。

今日のライヴでもその片鱗が出ていたんじゃないかと思う」という意味のことを言った。この言い方はずいぶん謙虚だな、とぼくは思った。

面白い、というよりはすごい。すごい、というよりは、なにか圧倒的な、揺るがぬ絶対的なものに出くわしたという鮮烈な実感が心とカラダを揺さぶっている。

結成以来14年、デビュー以来12年。THE NOVEMBERSは進化に進化を重ね、素晴らしいバンドになった。

「NEO TOKYO -20191111-」と題したこの日のライヴ。今年3月に最新作『ANGELS』を発表して以降、全国8箇所にわたるツアーのあとも、

ファースト・アルバム『picnic』リリース11周年記念ライヴ「天使のピクニック」開催、GEZAN主催の「全感覚祭」への出演、

そしてDATS、Tempalay、フリクション、戸川純、downy、Borisといった多様なアーティストとの対バンなど、実に精力的にライヴをこなしていた。

高松浩史のBAROQUEへの客演、ケンゴマツモトの新ユニットWhen、吉木諒祐のMEAT EATERS、小林祐介のソロやpollyのプロデュースなど、課外活動も盛んだった。

そうした全てが血となり肉となって、今のTHE NOVEMBERSに結実している。

ステージ上にはメンバー4人だけ。映像はない。照明は効果的だが必要最低限。

ステージは暗く、遠目ではメンバーの表情もはっきりうかがえない。MCらしいMCも、演出らしい演出もない。ただ、黙々と歌い演奏するだけ。

だがそんな徹底したミニマリズムとストイシズムからは、音だけで満員の観客を完璧に説き伏せられるという絶対的な自信がうかがえる。

意表をついて『zeitgeist』 収録の「Louder Than War (2019)」に始まる演奏は、かなりハードでソリッド。

メンバーのプレイヤビリティの高さはもともとだが、堅牢に積み上げられた建築物のような安定した演奏の上に、

強靱なノドを駆使しての小林のシャウトが響き、それは以前よりもさらに研ぎ澄まされ、強く、美しくなっている。

そう、THE NOVEMBERSの音は美しい。

そしてその音の端々からは彼らが影響を受けたであろうニュー・ウエイヴやポスト・パンク、シューゲイザーやポスト・ロック、

オルタナティヴ・ロックなどの断片が聞こえ、そしてステージ上の佇まいからは、彼らの美意識を形成したであろうヴィジュアル系バンドの匂いが漂う。

ギターがハードに鳴り、リズム隊がグルーヴする演奏からは、かつてのブランキー・ジェット・シティのような剥き出しの肉体の強さと逞しさを感じた。

進化と成長と共に、THE NOVEMBERSの表現はどんどん素直に、開かれたものになっている。

「TOKYO」から「NEO TOKYO」へ

楽曲のいくつかは大胆なアレンジが施されていた。なかでも際だっていたのが「NEO TOKYO」と改題された「TOKYO」だろう。

“ネオトーキョー”とは、大友克洋の漫画/アニメーション作品『AKIRA』からとっている。

今から30年以上も前に発表された『AKIRA』は、2020年に東京オリンピックを控えた2019年の東京を舞台にした予言的SF作品だ。

第三次世界大戦のあとの荒廃した都市が「ネオトーキョー」として生まれ変わり、若者たちが躍動する。

彼らが切り開く新しい都市、新しい時代の象徴が「ネオトーキョー」。つまりTHE NOVEMBERSは、ここから、この瞬間から新しい時代が始まるのだと宣している。

演奏の後半はアニメ版『AKIRA』に使われた芸能山城組「金田のテーマ」をアレンジ、トライバルなパーカッションと「ラッセーラ」というかけ声で、ネオトーキョーの狂騒を表現する。

この急展開にはさすがに驚かされたが、コンサートの出囃子に使われたガムランっぽいインスト(彼らのオリジナル)と合わせて、次の彼らの方向性が見えた気がする。

この人たちは真面目だ。そして安定している。ライヴごとの出来不出来が少なく、しかも常に前回以上を目指す向上心も強い。

少なくともぼくが彼らのライヴを見るようになった2010年代以降は、危ういところや危なっかしいところがほとんどない。

彼らのような内向的で繊細でいびつな表現を身上とするアーティストは、おおむね、いつ切れて墜落してもおかしくない狂気や危うさや不安定さを内包していることが多いが、

彼らにはそういうものを乗り越えいつも高水準のライヴをやれる意思と技術、精神の強さ、そしていい意味での誠実さと生真面目さがある。

内面の欠損やキズや歪みをさらけ出して観客の共感を得るというよりも、むしろそのキズを抱えたまま、圧倒的に強く、逞しく、大きくなることで、

孤独や恐れや劣等感を克服し、「絶対的な音」として、提示している。その強さが観客に力を与えるのだ。

この日の模様は後日映像作品としてリリースされるようだ。そしてライヴ終了後まもなく来年5月から始まる新ツアー“消失点”も発表された。

7/11(土)の東京・新木場スタジオコースト公演も決定している。小林の言う「面白くなっているTHE NOVEMBERS」の全貌がそこで明らかになるはずだ。

「消失点(Vanishing Point)」を経て、彼らはさらなる異次元へと突き抜けていく。

セットリスト

THE NOVEMBERS「NEO TOKYO -20191111-」
2019年11月11日 TSUTAYA O-EAST

1. Louder Than War(2019)
2. 彼岸で散る青
3. 黒い虹
4. Dream of Venus / children
5. みんな急いでいる
6. クララ
7. plastic
8. Everything
9. 永遠の複製
10. 鉄の夢
11. Ghost Rider
12. こわれる
13. Xeno
14. NEO TOKYO(I. TOKYO / II. 金田)
15. DOWN TO HEAVEN
16. BAD DREAM
17. 今日も生きたね

<アンコール>
18. ANGELS

リリース

最新アルバム『At The Beginning』

『At The Beginning』 Album Cover
発売日:2020年5月発売
価格:¥3,080(税込)
品番:MERZ-0209
シーケンスサウンドデザイン/プログラミング:yukihiro(L’Arc~en~Ciel、ACID ANDROID)
収録曲:
1. Rainbow
2. 薔薇と子供
3. 理解者
4. Dead Heaven
5. 消失点
6. 楽園
7. New York
8. Hamletmachine
9. 開け放たれた窓

ライブDVD『美しい日』

THE NOVEMBERS 11th Anniversary FILM『美しい日』
フォーマット:2DVD
Disc1:11th Anniversary & 6th Album Release Live “Hallelujah” at Shinkiba STUDIO COAST(110min)
Disc2:11th Anniversary Documentary(64min)
レーベル:MERZ
品番:MERZ-0107
発売日:2017年4月22日(土)
価格:5,500円(本体価格)

ツアー情報

※“THE NOVEMBERS TOUR -消失点-”はコロナウイルス感染拡大の影響を受け、延期となりました。

詳細はTHE NOVEMBERSのHPにて。

THE NOVEMBERS TOUR -消失点-

5月16日(土)新潟 GOLDEN PIGS BLACK
OPEN 18:00 / START 18:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-300)、ローソン(L:72824)、e+、LINE TICKET、FOB TICKET
☎025-229-5000(FOB新潟) www.fobkikaku.co.jp

5月22日(金)愛知 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-503)、ローソン(L:42929)、e+(プレ11/21-25)
☎052-936-6041 (JAILHOUSE) http://www.jailhouse.jp

5月24日(日)宮城 仙台LIVE HOUSE enn2nd
OPEN 18:00 / START 18:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-459)、ローソン(L:22329)、e+、チケットGIP
☎022-222-9999 (GIP)  www.gip-web.co.jp

5月29日(金)大阪 梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00  ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P170:219)、ローソン(L:51945)、e+
☎06-6882-1224 (GREENS) http://www.greens-corp.co.jp/

5月31日(日)広島 広島CAVE-BE
OPEN 18:00 / START 18:30  ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P170:134)、ローソン(L:62064)、e+
☎082-249-3571 (夢番地広島) https://www.yumebanchi.jp/

6月13日(土)北海道 札幌SPiCE
OPEN 18:00 / START 18:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-099)、ローソン(L:11407)、e+(プレ11/20-24)、タワー札幌ピヴォ店、LINE TICKET
☎011-261-5569 (SMASH EAST)  http://www.smash-east.com

6月20日(土)鹿児島 SR HALL
OPEN 18:00 / START 18:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-611)、ローソン(L: 81349)、e+
☎092-712-4221 (BEA) www.bea-net.com

6月21日(日)福岡 The Voodoo Lounge
OPEN 18:00 / START 18:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:170-611)、ローソン(L:81349)、e+
☎092-712-4221 (BEA) www.bea-net.com

THE NOVEMBERS TOUR -消失点- 東京公演の詳細決定

7月11日(土)東京 STUDIO COAST
OPEN 17:00 / START 18:00 ALL STANDING 前売¥4,500 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P: 170-899)、ローソン(L:71785)、e+(pre: 11/26 12:00 – 12/1 18:00)
☎03-3444-6751(SMASH) www.smash-jpn.com

東京公演チケット一般発売日  12月7日(土)~
*小学生以下の入場不可

ライブ情報

TOUR – 天使たちのピクニック –
11月21日(木) 京都 MUSE
OPEN 19:00 / START 19:30  ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:163-884)、ローソン(L:53464)、e+
☎06-6882-1224 (GREENS)

11月22日(金)静岡 UMBER
OPEN 19:00 / START 19:30 ALL STANDING 前売¥4,000 税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:163-415)、ローソン(L:42616)、e+(pre9/6-9)
☎052-936-6041 (JAILHOUSE)

11月24日(日) 金沢 vanvan V4
OPEN 18:30 / START 19:00 ALL STANDING 前売¥4,000 税込み税込(ドリンク代別)
ぴあ(P:163-060)、ローソン(L:51508)、e+
☎076-232-2424(FOB金沢)

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BAROQUE × THE NOVEMBERS

2019/12/1(sun)
OPEN 17:30 / START 18:00
愛知・FUSHIMI JAMMIN’
info. SUNDAY FOLK PROMOTION 052-320-9100(10:00~18:00)

2019/12/21(sat)
OPEN 17:30 / START 18:00
大阪・ESAKA MUSE
info. SOUND CREATOR 06-6357-4400(Weekdays 12:00~17:00)

2019/12/25(wed)
OPEN 17:45 / START 18:30
東京・SHIBUYA STREAM HALL
info. NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00~18:00)

チケット料金:スタンディング¥5,000(tax in) ※ドリンク代別
チケット一般発売日: 11/16(sat) 10:00~

プロフィール

THE-NOVEMBERS/ANGELS

“2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP「THE NOVEMBERS」でデビュー。様々な国内フェスティバルに出演。
2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、 2014年には「FUJI ROCK FESTIVAL」 のRED MARQUEEに出演。海外ミュージシャン来日公演の出演も多く、TELEVISION,NO AGE,Mystery Jets,Wild Nothing,Thee Oh Sees,Dot Hacker,ASTROBRIGHT,YUCK等とも共演。

小林祐介(Vo/Gt)はソロプロジェクト「Pale im Pelz」や 、CHARA,yukihiro(L‘Arc~en~Ciel),Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO`s bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画「ラブ&ピース」にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。

2015年10月にはBlankey Jet CityやGLAYなどのプロデュースを手掛けた土屋昌巳を迎え、5th EP「Elegance」をリリース。
2016年は結成11周年ということで精力的な活動を行い、Boris,Klan Aileen,MONO,ROTH BART BARON,ART-SCHOOL,polly,Burgh,acid android,石野卓球,The Birthday等錚々たるアーティストを次々に自主企画「首」に迎える。2016年9月に6枚目のアルバム「Hallelujah」をMAGNIPH/HOSTESSからの日本人第一弾作品としてリリース。11周年の11月11日新木場スタジオコーストワンマン公演を実施し過去最高の動員を記録。2017年FUJI ROCK FESTIVAL WHITE STAGE出演。

2018年2月には、イギリスの伝説的シューゲイザー・バンドRIDEの日本ツアーのサポート・アクトを務める。同年5月、新作EP『TODAY』をリリース。”

引用元:THE NOVEMBERS公式HP

Youtube

THE NOVEMBERS 2020TOUR – 消失点

THE NOVEMBERS – TOKYO(Music Bar Session)

THE NOVEMBERS – DOWN TO HEAVEN @ ANGELS ONEMAN TOUR 2019

Magazine(THE NOVEMBERS掲載号)

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