THE NOVEMBERSが最新アルバム『At The Beginning』を本日(2020年5月27日)にリリースした。

『At The Beginning』はTHE NOVEMBERSの8枚目のアルバムで、フロントマンの小林祐介が敬愛するL’Arc〜en〜Cielのyukihiroとの共作。

初めてアーティスト写真からアルバム制作に取り掛かったという『At The Beginning』は、THE NOVEMBERSの音楽に対するあくなき探究心を感じられる内容となった。

そんな『At The Beginning』について、THE NOVEMBERSの小林祐介にメールインタビューを敢行し、あくなく探究心の源について聞いた。

アーティスト:小林祐介(Vo./Gt.) インタビュアー:矢部友宏

アーティスト写真の意味

THE NOVEMBERS
-印象的なTHE NOVEMBERSのアーティスト写真から伺いたいのですが、今回の写真には何かコンセプトがあるのでしょうか?
小林祐介:一言では説明できないのと、言及することで意味が変わってしまう部分もあるので、本質には触れられないのですが。カメラマンの鳥居洋介くんを中心に、ヘアメイク、ライティング、衣装のテイストを積み上げていきました。『ANGELS』という作品の後、“消失点”というツアーへ向かう自分たちの姿勢や視線、佇まいを表現できたと思います。THE NOVEMBERSは黒のイメージが強いと思いますが、ここ最近はむしろ黒以外の配色に意識が向いています。

-小林さんは先日、Twitterで“男性でも化粧したっていい”と言っていたのが印象的でした。こう思えるようになったきっかけがあれば教えてください。
子供の影響はあるかもしれません。シンプルに、そういう生き方がいいなと思ったからです。“こうでなくてはいけない”という空気や力を自覚/再確認する度に、それに対して自分がどうアクションするかをいつも考えています。

-また今回のアーティスト写真では大胆に化粧されていますが、これには『At The Beginning』につながる表現のヒントがあるのでしょうか。
むしろ『At The Beginning』そのものと言えます。今作は、アーティスト写真、ジャケット、音源の順番に完成していきました。なので、アーティスト写真は起点です。登場人物はこれまで通りの四人ですが、新しい物語が始まったと思ってください。

-前作『ANGELS』はレーベルから、今作『At The Beginning』はMERZからのリリースとなりました。どうして再びMERZからリリースとなったのでしょうか。
小林祐介:前レーベルが解体となったことがきっかけです。もともと、MERZ主体での物作りはずっと続いており、営業や流通にまつわる作業、経営的な部分を委託していた形での契約でした。今作ではMERZのチーム編成を新たに、まず再出発しようと思いました。

-『At The Beginning』では、yukihiroさん(L’Arc〜en〜Ciel、ACID ANDROID)がシーケンスサウンドデザインとして参加されましたが、どうしてyukihiroさんと一緒に作品を作ろうと思ったのでしょうか。
いつかyukihiroさんとコラボレーションしたいと考えていました。L’Arc-en-Cielのメンバーの中でも、特にyukihiroさんが作る音楽やサウンドは自分の感性に合う部分が多いのですが、ここ数年自分が踏み込みたい領域の“本物”を扱える音楽家だと思い、力を貸していただきました。

-小林さんはyukihiroさんとACID ANDROIDで共演していますが、今回はTHE NOVEMBERSの作品で初めて一緒に作業することになったのでしょうか。また、一緒に作業されていかがでしたか?印象的なエピソードがあれば教えてください。
THE NOVEMBERSとしては初めてです。素晴らしい体験でした。僕が作ったプログラミングデータに対する推敲、機材のセレクトや音作り、その録音の工程含め、全てが丁寧で、慎重で、背筋が伸びる思いでした。音素材一つに向き合う時間や姿勢の誠実さが、そのまま彼の人間性だと思いました。これはBoom Boom Satellites中野さん(中野雅之)や、土屋昌巳さんにも同じことを感じます。彼らは皆、神聖なものを扱うように音と向き合っています。

-2曲目の「薔薇と子供」は、これまでのTHE NOVEMBERSの楽曲の雰囲気を引き継ぎつつ、yukihiroさんのサウンドデザインが巧みに組み合わされ、これまでにはない音の質感(メタリックな球体っぽさ)を感じました。実際に「薔薇と子供」は先行曲もなりましたが、今回のコラボレーションに手ごたえを感じた部分もあったのでしょうか。
僕が作った(「薔薇と子供」の)デモはもっと情報量が多く、ジャンクな印象でした。yukihiroさんが音のデザインを再構築してくれたおかげで、楽曲がより端正に、耽美になりました。

-「理解者」の歌詞からは深い怒りを感じました。この曲の歌詞になったエピソードがあれば教えてください。
具体的なエピソードは特にありません。激しい感情よりも、真顔、平熱に近い状態で“鏡”を見ているような感覚です。

-「消失点」の歌詞では、“僕らは生きがいのテーマパークで 迷子にさえなれずにいる 寄り道も遠回りも出来ずにいる”というのは、小林さんの率直な気持ちではないかと思いました。この歌詞はどのような気持ちで書いたのでしょうか。
歌詞にきちんと表せたという自負があるので、説明は割愛させてください。この曲の歌詞は、特に社会情勢によって捉え方が変わっていくと思いますが、それによってこの曲の持つ“視点”が補完されます。

-「薔薇と子供」では歌詞では、THE NOVEMBERSの代名詞でもある“美しい”という言葉が使われています。前作『ANGELS』では、“美しい”という言葉は歌詞に出てこなかったと思うのですが、どうして再び“美しい”という言葉を使おうと思ったのでしょうか。
前作で“美しい”という言葉を敢えて使わなかったというよりは、出てこなかったという認識でいます。今作(『At The Beginning』)では自然と出てきました。

『At The Beginning』の意味

-『At The Beginning』のアルバムタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。
消失点のその先で我々がするべきこと、という認識でいます。いつでもそうだとも言えます。

-アルバムタイトルが発表される前、ツアータイトルは楽曲名にもなっている“消失点”というタイトルが発表されました。“At The Beginning”と“消失点”という2つのタイトルには、何か関係があるのでしょうか。
上記と同様です。もともと“消失点”と“At The Beginning”は別々のコンセプトでした。制作の過程で、それらが一つになりました。

-最後に『At The Beginning』をどんな人に聴いてほしいと思いますか?
2020年以降のサウンドトラックを作れたという手応えがある作品です、あらゆる人に聴いてほしいです。

リリース

8thアルバム『At The Beginning』

発売日:2020年5月発売
収録曲:
01.Rainbow
02.薔薇と子供
03.理解者
04.Dead Heaven
05.消失点
06.楽園
07.New York
08.Hamletmachine
09.開け放たれた窓
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7thアルバム『ANGELS』

発売日:2019年3月13日
収録曲:
01.TOKYO
02.BAD DREAM
03.Everything
04.plastic
05.DOWN TO HEAVEN
06.Zoning
07.Ghost Rider
08.Close To Me
09.ANGELS

6thアルバム『Hallelujah』


発売日:2016年9月21日
収録曲:
01.Hallelujah
02.黒い虹
03.1000年
04.美しい火
05.愛はなけなし
06.風
07.時間さえも年老いて
08.!!!!!!!!!!!
09.ただ遠くへ
10.あなたを愛したい
11.いこうよ

5thアルバム『Rhapsody in beauty』


発売日:2014年10月15日
収録曲:
01.救世なき巣
02.Sturm und Drang
03.Xeno
04.Blood Music.1985
05.tu m’(Parallel Ver,)
06.Rhapsody in beauty
07.236745981
08.dumb
09.Romancé
10.僕らはなんだったんだろう

4thアルバム『zeitgeist』


発売日:2013年11月30日
収録曲:
01. zeitgeist
02. We
03. Louder Than War (2019)
04. Wire (Fahrenheit 154)
05. D-503
06. 鉄の夢
07. Meursault
08. Sky Crawlers
09. Ceremony
10. Flower of life

3rdアルバム『To (melt into)』


発売日:2011年8月3日
収録曲:
01. 永遠の複製
02. 彼岸で散る青
03. 瓦礫の上で
04. はじまりの教会
05. 37.2°
06. ニールの灰に
07. 日々の剥製
08. 終わらない境界
09. holy

2ndアルバム『Picnic』


発売日:2010年3月10日
収録曲:
01.Misstopia
02.Figure 0
03.dysphoria
04.pilica
05.パラダイス
06.sea’s sweep
07.Gilmore guilt more
08.I’m in no core
09.Sweet Holm
10.ウユニの恋人
11.tu m’

1stアルバム『Picnic』


発売日:2008年6月4日
収録曲:
01.こわれる
02.Arlequin
03.chernobyl
04.アマレット
05.ewe
06.僕らの悲鳴
07.ガムシロップ
08.アイラブユー
09.白痴
10.picnic

ライブDVD『美しい日』

THE NOVEMBERS 11th Anniversary FILM『美しい日』
フォーマット:2DVD
Disc1:11th Anniversary & 6th Album Release Live “Hallelujah” at Shinkiba STUDIO COAST(110min)
Disc2:11th Anniversary Documentary(64min)
レーベル:MERZ
品番:MERZ-0107
発売日:2017年4月22日(土)
価格:5,500円(本体価格)

プロフィール

THE NOVEMBERS

“2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP「THE NOVEMBERS」でデビュー。様々な国内フェスティバルに出演。
2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、 2014年には「FUJI ROCK FESTIVAL」 のRED MARQUEEに出演。海外ミュージシャン来日公演の出演も多く、TELEVISION,NO AGE,Mystery Jets,Wild Nothing,Thee Oh Sees,Dot Hacker,ASTROBRIGHT,YUCK等とも共演。

小林祐介(Vo/Gt)はソロプロジェクト「Pale im Pelz」や 、CHARA,yukihiro(L‘Arc~en~Ciel),Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO`s bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画「ラブ&ピース」にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。

2015年10月にはBlankey Jet CityやGLAYなどのプロデュースを手掛けた土屋昌巳を迎え、5th EP「Elegance」をリリース。
2016年は結成11周年ということで精力的な活動を行い、Boris,Klan Aileen,MONO,ROTH BART BARON,ART-SCHOOL,polly,Burgh,acid android,石野卓球,The Birthday等錚々たるアーティストを次々に自主企画「首」に迎える。2016年9月に6枚目のアルバム「Hallelujah」をMAGNIPH/HOSTESSからの日本人第一弾作品としてリリース。11周年の11月11日新木場スタジオコーストワンマン公演を実施し過去最高の動員を記録。2017年FUJI ROCK FESTIVAL WHITE STAGE出演。

2018年2月には、イギリスの伝説的シューゲイザー・バンドRIDEの日本ツアーのサポート・アクトを務める。同年5月、新作EP『TODAY』をリリース。”

引用元:THE NOVEMBERS公式HP

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