最終更新: 2022年5月15日

サンプリング界の巨匠、The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)の新作アルバム『We Will Always Love You』がリリースされた。

今回はその中でも、MGMTとThe Smithsのギタリストとしても知られるジョニー・マーをゲストに迎えて制作された新曲「The Divine Chord」の歌詞の和訳を行った。

コロナウイルスが蔓延する現状において、The Avalanchesが新曲「The Divine Chord」で我々に伝えたかったものとは?

The Avalanchesとは

The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)
The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)はオーストラリアのメルボルン出身のエレクトロニック・グループ。

メンバーはロビー・チャター、トニー・ディ・ブラシによる2人組。

2000年にファーストアルバム『Since I Left You』をリリース。

その後活動休止状態とメンバー変更を経て、2016年にセカンドルバム『Wildflower』をリリース。

2020年12月11日にサードアルバム『We Will Always Love You』をリリースした。

The Divine Chord

The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)の新作アルバム『We Will Always Love You』の新曲「The Divine Chord」。

「The Divine Chord」ではMGMTとジョニー・マーがコラボレーターとして参加している。

The Avalanchesはサンプリングをメインに展開するアーティストとして知られているが、MGMTのアンドリュー・ヴァンウィンガーデンによるヴォーカルがメインに提示され、コラボならではの化学反応が味わえる一曲となっている。

The Avalanches – The Divine Chord ft. MGMT, Johnny Marr

「The Divine Chord」和訳

The Avalanchesの新曲「The Divine Chord」を直訳すると“神聖なるコード”。

コードとはギターの和音のことで、コラボしたThe Smithsのギタリストであるジョニー・マーへ対する敬意ではないかと読み解ける。

今だに君のことを覚えているよ、夢を見るのと同じように
そして君が抱く想像上の僕を見るかのようにね
辛い現実を突きつけられるかなり前のこと
物事はいつも君の思う通りには行かないよ
今はもう隠すことじゃ無いな、僕らは上手くいかなかったんだ
それがこんなに辛いなんて知りたくなかったよ
だから僕の知ってた本当の君に固執し続けてる
僕と知り合う前の君の姿にね

“I still remember you, the way I dreamed of you
The way I hope that you imagined I’d be
Long before we came to realize the hard truth
Things aren’t always what you want them to be
It’s not a secret now, we couldn’t work it out
We didn’t want to know how hard it could be
So I’ll keep clinging to the real you I knew
Before you ever met me”

引用元:The Avalanches「The Divine Chord」歌詞

ほら、星が夜空を形作っていくよ、ハニー
(君のことを覚えているよ)
ほら、僕たちの魂が重なり合っていくよ、ハニー
(君のことが忘れられないんだ)
ほら、星が夜空を彩っているよ、ハニー
(君のことを覚えているよ)
ほら、僕たちの心が交わってるよ、ハニー
(君のことが頭から離れないんだ)

“And now the stars are rearranging, my love
(I still remember you)
And all our souls are intеrchanging, my love
(I still remembеr you)
And now the stars are rearranging, my love
(I still remember)
And all our souls are interchanging, my love”

引用元:The Avalanches「The Divine Chord」歌詞

今度こそは絶対にチャンスを掴んで、全ての嘘をリセットするんだ
この炎を絶やさずに燃やし続けなきゃ
君が望んでた理想の僕になれると思うんだ
僕らが出会う前のようにね

“I’ll take a chance this time, and reset all the lies
We’ll keep the fire burning long as can be
Maybe I’ll become the person you wished I was
Before you ever met me”

引用元:The Avalanches「The Divine Chord」歌詞

ほら、星が夜空を形作っていくよ、ハニー
ほら、僕たちの魂が重なり合っていくよ、ハニー
(君のことが忘れられないんだ)
ほら、星が夜空を彩っているよ、ハニー
(君のことが頭から離れないんだ)

“And now the stars are rearranging, my love
And all our souls are interchanging, my love
(I still remember you)
And now the stars are rearranging, my love
(I still remember you)”

引用元:The Avalanches「The Divine Chord」歌詞

コロナ時代のラブソング「The Divine Chord」

The Avalanches「The Divine Chord」サムネイル
The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)がMGMTとジョニー・マーをフィーチャーした新曲「The Divine Chord」。

新作アルバム『We Will Always Love You』(僕たちはずっと君のことを愛しているよ)のタイトルとも共鳴するのが愛についてのテーマだ。

今回の歌詞で多く登場したのが、“理想と現実”、そして“星と魂”という単語だが、ディスタンスを乗り越えて愛を伝える表現方法として比喩的に使用されているのではないだろうか。

宇宙空間を連想させる煌びやかで幻想的なサウンド。そこへゲストのMGMTのアンドリューによる浮遊感溢れる歌声が“理想と現実”、

そして“星と魂”という言葉を結びつけ、満点の星空をロマンチックに演出する。

場所に時間、そして空間と、全ての次元を超越したラブソングこそが「The Divine Chord」であり、コロナ禍で離れ離れになってもThe Avalanchesは我々に愛を届けてくれるのだ。

The Divine Chord作品クレジット

The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)の新曲「The Divine Chord」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:Andrew Szekeres & The Avalanches
作詞・作曲:Hal Davis, Burt Bacharach, Ben Goldwasser, Andrew VanWyngarden, Robbie Chater, Tony Di Blasi & Andrew Szekeres
参加アーティスト:MGMT(Vo.)、Johnny Marr(Gt.)
サンプリング:It’s Love That Really Counts by The Shirelles
リリース日:2020年12月

リリース

3rdアルバム『We Will Always Love You』

発売日: 2020年12月11日
収録曲:
1. “Ghost Story” (feat. Orono)
2. “Song For Barbara Payton”
3. “We Will Always Love You” (feat. Blood Orange)
4. “The Divine Chord” (feat. MGMT & Johnny Marr)
5. “Solitary Ceremonies”
6. “Interstellar Love” (feat. Leon Bridges)
7. “Ghost Story Pt 2” (feat. Leon Bridges & Orono)
8. “Reflecting Light” (feat. Sananda Maitreya & Vashti Bunyan)
9. “Carrier Waves”
10. “Oh The Sunn!” (feat. Perry Farrell)
11. “We Go On” (feat. Cola Boyy & Mick Jones)
12. “Star Song.IMG”
13. “Until Daylight Comes” (feat. Tricky)
14. “Wherever You Go” (feat. Jamie xx, Neneh Cherry & CLYPSO)
15. “Music Makes Me High”
16. “Pink Champagne”
17. “Take Care In Your Dreaming” (feat. Denzel Curry, Tricky & Sampa The Great)
18. “Overcome”
19. “Gold Sky” (feat. Kurt Vile)
20. “Always Black” (feat. Pink Siifu)
21. “Dial D For Devotion” (feat. Karen O)
22. “Running Red Lights” (feat. Rivers Cuomo & Pink Siifu)
23. “Born To Lose”
24. “Music Is The Light” (feat. Cornelius & Kelly Moran)
25. “Weightless”
フォーマット:Mp3、アナログ
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2ndアルバム『Wildflower』

フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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1stアルバム『Since I Left You』

フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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プロフィール

The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)

“アヴァランチーズのデビュー・アルバム『シンス・アイ・レフト・ユー(Since I Left You)』(2000)は、3,500以上のレコードからサンプルして作り上るという新たな音楽の形を生み出し、世界中に革新的なサウンドを届けた。この作品は世代を越え数多くのミュージシャンやプロデューサーに影響を与えたと共に、ダンス・ミュージックの基盤を築いた。2000年にオーストラリアで、2001年にアメリカ、イギリスでリリースされた『シンス・アイ・レフト・ユー』は、現在モダン・クラシックとして親しまれている。世界中の評論家によってその年のベスト・アルバムとして名を挙げられ、その後ピッチフォーク・メディアが選ぶ2000年代のアルバムTOP 200でTOP 10入りを果たし、さらにローリング・ストーン誌が選ぶ史上最高のEDMアルバムTOP 20にもランクインした。また、アルバムのタイトル・トラックのミュージック・ビデオは2001年のMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードで最優秀ビデオ賞を獲得し、ピッチフォークが選ぶ2000年代のベスト・ミュージック・ビデオの一つに選出された。『シンス・アイ・レフト・ユー』のリリースと大反響を呼んだツアーの後、16年間に亘る沈黙状態が続き、それを破ったのは待望の2ndアルバム『ワイルドフラワー(Wildflower)』(2016)のリリースだった。ビルボードのアナログ・アルバム・チャートで初登場1位、オーストラリアの2016年度アルバム・チャートでも首位を獲得した。『ワイルドフラワー』はオーストラリア音楽界における最大の音楽賞「ARIAアワード」で6部門にノミネート。英ガーディアン誌「喜びに満ちた旅路そのものである」、ピッチフォーク「今までの音楽史の中で最高の作品」「アヴァランチーズだからこそ生み出せた傑作」など、世界各国で高く評価された。FUJI ROCK FESTIVAL ’16への出演が決定していたが残念ながらキャンセルとなり、翌年FUJI ROCK FESTIVAL ’17にリベンジ出演を果たした。”

引用元:The Avalanches(ザ・アヴァランチーズ)プロフィール(UNIVERSAL MUSIC)

The Avalanches代表曲(Youtube)

  • The Avalanches – Because I’m Me (Official Video)
  • The Avalanches – Subways (Official Video)
  • The Avalanches – Wherever You Go (Visualiser) ft. Jamie xx, Neneh Cherry, CLYPSO

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、インターナショナルビジネスを専攻。

兵庫県出身のサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年には全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をインディーズレーベル、Dead Funny Recordsよりリリース。

サイケデリック、ドリームポップ、ソウル、ロカビリーやカントリーなどを愛聴。好きなバンドはTemplesとTame Impala。趣味は写真撮影と映画鑑賞。

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