最終更新: 2022年5月15日

Daft Punk(ダフト・パンク)が突然の解散を発表した。

2021年2月22日に「Epilogue」と題した動画が公開され、28年の活動期間に終止符を打つことが明らかとなった。

その「Epilogue」で使用されたのは、Daft Punkが2013年にリリースした「Touch」という楽曲だった。

そこで、この記事では「Touch」の歌詞を和訳すると共に、なぜこの曲が「Epilogue」で使用されたのかを考察していく。

Daft Punkとは

Daft Punk(ダフト・パンク)

Daft Punk(ダフト・パンク)はフランスのパリで結成されたエレクトロニック・デュオである。

メンバーはギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルの2人で、共にヘルメットを被る覆面デュオとしても知られている。

Daft Punkは1993年に活動を開始し、デビューアルバム『Homework』を1997年にリリース。

その後『Discovery』(2001)、『Human After All』(2005)、『Random Access Memories』(2013)と計4枚のスタジオ・アルバムをリリースしてきた。

第56回グラミー賞では最優秀レコードや最優秀アルバムなど、ノミネートされた5部門を全て受賞。

近年ではカニエ・ウエストやファレル・ウィリアムスを始め、The WeekndやParcelsなど多数のアーティストとのコラボでも活躍。

そして2021年2月22日に解散を発表し、28年間に及ぶ活動期間に終止符が打たれた。

Epilogueで解散発表

Daft Punk(ダフト・パンク)「Epilogue」
Daft Punk(ダフト・パンク)「Epilogue」

Daft Punk(ダフト・パンク)が2021年2月22日に「Epilogue」と題した約8分間にも及ぶ映像をYouTubeで公開し、正式に解散することを発表した。

Daft Punkが監督を務め、2006年に公開された映画『Electroma』より引用された内容となっている。

砂漠の真ん中で、トーマ・バンガルテルの背中に付けられた自爆スイッチをギ=マニュエル・ド・オメン=クリストが作動し、トーマ・バンガルテルが粉々に爆発する。

そして最後には、三角形にかたどられた2人のハンドサインと共に、Daft Punkの活動期間を示す“1993-2021”という文字が映し出される、という内容だ。

なお、解散理由については発表されていない。

Daft Punk – Epilogue

Touch

Daft Punk(ダフト・パンク)の「Touch」は、2013年に発売された4枚目となるアルバム『Random Access Memories』に収録されている。

アメリカ人SSW兼俳優として活動しているポール・ウィリアムスがゲストヴォーカルとして、参加している。

Daft Punk ft. Paul Williams – Touch (Official Audio)

「Touch」歌詞和訳

「Touch」とは触れること、すなわち人との触れ合いについて指している。

Daft Punk(ダフト・パンク)が解散を告知した動画「Epilogue」で意図した“Touch”とは一体何なのか、歌詞を和訳して内容を考察していく。

触れて、触れてくれないか
その手触りを覚えてる
触れて、触れてくれよ
その手触りを覚えてる
俺の居場所はどこだ?
頼むから触れてくれ、もっと必要なんだ
その手触りを覚えてる
心がもっと欲しているんだ

“Touch, touch
I remember touch
Touch, touch
I remember touch
Where do I belong?
Touch, I need something more
I remember touch
I need something more in my mind”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」歌詞(Genius Lyrics)

触れてくれ、その手触りを覚えている
その手触りで思い出した景色がある
記憶のペインター
君には何が見えるんだい
夢に出てくる旅行客
はたまた訪問者のようにも思えるな
ほとんど忘れ去られた歌
俺の居場所はどこだ?
君には何が見えるんだい
もっと必要なんだ

“Touch, I remember touch
Pictures came with touch
A painter in my mind
Tell me what you see
A tourist in a dream
A visitor, it seems
A half-forgotten song
Where do I belong?
Tell me what you see
I need something more”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」歌詞(Genius Lyrics)

口づけ、幸せの瞬間
まるで嵐のような空腹感
俺はどうすればいいんだ?
部屋の中の部屋
ドアの向こう側にあるドア
さぁ触れてくれ、どこへ連れてってくれるんだ?
もっと必要だ
君には何が見えるんだい
もっと必要なんだ

“Kiss, suddenly alive
Happiness arrive
Hunger like a storm
How do I begin?
A room within a room
A door behind a door
Touch, where do you lead?
I need something more
Tell me what you see
I need something more”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」歌詞(Genius Lyrics)

帰るべき家、いや待てよ、もしも愛こそが答えなら君こそが帰るべき場所だ
待てよ、愛が答えなら君がこそが僕の心の拠り所なんだ
もしも愛こそが答えなら君こそが俺の全てなんだよ
待てよ、愛が答えなら君がこそが僕の帰るべき場所だ
もしも愛こそが答えなら君こそが俺の心の拠り所なんだ
待てよ、愛が答えなら君がこそが俺の全てなんだよ
もしも愛こそが答えなら君こそが俺の帰るべき場所だ
待てよ、愛が答えなら君がこそが僕の心の拠り所なんだ
愛が全ての答えなら君こそが…

“Home, hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re home
Hold on, if love is the answer, you’re–”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」歌詞(Genius Lyrics)

触れてくれよ、あの優しい手で
数え切れないほどの愛を君から受け取ったよ
君のその手で触れてくれ
俺が生きてると思えるのは君がいるからなんだ
もっと必要なんだ
君の愛が必要なんだ

“Touch, sweet touch
You’ve given me too much to feel
Sweet touch
You’ve almost convinced me I’m real
I need something more
I need something more”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」歌詞(Genius Lyrics)

歌詞和訳からみえたTouchの意味

Daft Punk(ダフト・パンク)「Epilogue」MVサムネイル
Daft Punk(ダフト・パンク)「Epilogue」MVサムネイル

Daft Punk(ダフト・パンク)が「Epilogue」と題した動画で解散を発表し、その動画で「Touch」という楽曲が使用された。

「Touch」が発売されたのは2013年で、その当時に意図された“Touch”と、今回「Epilogue」で意図された“Touch”は異なる意味合いを持っているのではないか。

身体的かつ精神的な“Touch”、すなわち“人との触れ合い”が本来のテーマである。

孤独な人が、人間として生きるためには人との繋がりや触れ合いが不可欠なのだと気づき、愛の大切さを学んでいくという過程が歌詞で描かれている。

Daft Punkのアイコンであるロボット・ヘルメットはフィクションの象徴であるからこそ、ロボットではなく“人間特有の触れ合い”にフォーカスしたのだと読み解ける。

Touchの核心

そして今回の「Epilogue」で何度も繰り返し歌われていたフレーズ、“Hold on, if love is the answer, you’re home”というのが「Touch」の核となる一文である。

“待てよ、愛が答えなら君がこそが僕の帰るべき場所だ
もしも愛こそが答えなら君こそが俺の心の拠り所なんだ
待てよ、愛が答えなら君がこそが俺の全てなんだよ”

と訳させてもらったが、Daft Punkを聴いてきた我々こそが彼らにとっての“帰るべき家”であり、“心の拠り所”、そしてDaft Punkにとっての“全て”なのだと伝えたかったのではないだろうか。

本来の意図から派生し、愛と感謝を表す“Touch”と昇華され、Daft Punkの28年間に渡る音楽の旅路は終幕を迎えたのだ。

Touch作品クレジット

Daft Punk(ダフト・パンク)「Touch」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:Daft Punk
作詞・作曲:Paul Williams, Chris Caswell, Guy-Manuel de Homem-Christo & Thomas Bangalter
レーベル:Daft Life & Columbia Records
参加アーティスト:Paul Williams
リリース日:2013年5月17日

Daft Punkリリースアルバム

4thアルバム『Random Access Memories』

発売日: 2013/5/17
フォーマット:CD、アナログ
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3rdアルバム『Human After All』

発売日: 2005/3/14
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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2ndアルバム『Discovery』

発売日: 2001/3/7
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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1stアルバム『Homework』

発売日: 1997/1/16
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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ライブアルバム『Alive 2007』

発売日: 2007/11/14
フォーマット:Mp3、CD
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Daft Punkグッズ

素材: コットン100%
カラー: ブラック
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Daft Punkプロフィール

Daft Punk(ダフト・パンク)

“トーマ・バンガルテルとギ=マニュエルのエレクトロ・ミュージック・デュオで、母国フランスはもちろん世界中の数え切れないアーティスト達に影響を与えているダンス・ミュージック界の最高峰アーティスト。01年の2ndアルバム『ディスカバリー』では、本人達の夢でもあった日本漫画界の巨匠、松本零士氏とのコラボレーション・プロジェクトが実現、近年ではau「FULL CONTROL」篇TVCMソング等でも有名な「ワン・モア・タイム」を始め、アルバム収録全曲が映画『インターステラ5555』として発表されたことも話題となった。05年に3rdアルバム発売&ワールドツアーを行うも、その後は映画「トロン: レガシー」のサウンドトラックを手掛ける等以外は活動休止状態だった彼らが、このたび初のレーベル移籍、結成20周年を迎えた2013年にオリジナル作としては8年ぶりとなる4thアルバムを発売。

コンピュータのメインメモリ「RAM」の最後に複数形を表わす「S」を付けたアルバム・タイトル『ランダム・アクセス・メモリーズ』はダフト・パンク流のヒューマニティーを表現、オフィシャル・サイトにて今作のイメージが発表された際には、世界中からアクセスが集中してサイトが一時ダウンするハプニングもありながらたった1日で10万以上の「いいね!」と1万を超えるシェアがされ、1stシングル「ゲット・ラッキー」は日本を含む世界56カ国のラジオ局でナンバーワンを獲得、YouTube(オフィシャルオーディオ)とSpotifyでは1億回の再生回数を突破した。アルバム発売後は世界34カ国のナショナル・チャート(iTunesでは97カ国)でナンバーワンを獲得、ここ日本では「オリコン洋楽アルバム週間ランキング」や「iTunes週間アルバム・ランキング」、「タワーレコード全店の週間チャート」で2週連続1位に輝いた他、「オリコン週間アルバム総合ランキング」では、自己最高記録を10位以上も更新して総合3位にランクイン、ゴールド・ディスクにも輝いた。

そして2104年の第56回グラミー賞では、主要「最優秀レコード」「最優秀アルバム」部門を含む最多5部門を受賞、ダフト・パンクとしてはこれで計7冠に輝くこととなった。”

引用元:Daft Punk(ダフト・パンク)プロフィール(Sony Music)

Daft Punk代表曲(Youtube)

  • Daft Punk – Get Lucky (Official Audio) ft. Pharrell Williams, Nile Rodgers
  • Daft Punk – One More Time (Official Video)
  • Daft Punk – Robot Rock (Official Video)

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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