最終更新: 2022年3月19日

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)が新曲「King」をリリースした。

この記事では「King」の歌詞を和訳し、BELONG Media独自の解釈で内容を考察している。

フローレンス・ウェルチが30代で感じた女性アーティストとして生きていく苦悩。

女王ではなく、あえて“King(王様)”となったフローレンス・ウェルチが築き上げた王国とは?

Florence & The Machineとは

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)
撮影:Autumn De Wilde

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)は、イギリス人のシンガーソングライター、フローレンス・ウェルチによるバンド。

2006年にFlorence & The Machineとして活動を開始。

デビューアルバム『Lungs』(2009)、セカンドアルバム『Ceremonials』(2011)、サードアルバム『How Big, How Blue, How Beautiful』(2015)、フォースアルバム『High As Hope』(2018)をリリース。

そして、2022年5月13日にフィフスアルバム『Dance Fever』をリリースする。

ちなみにタレントのハリー杉山は、フローレンス・ウェルチの従兄弟である。

King

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)の新曲「King」はフィフスアルバム『Dance Fever』の先行シングル。

Starcrawlerのアロウ・デ・ワイルドの母親であり、アメリカ人フォトグラファー兼映画監督のオータム・デ・ワイルドが監督を務めたミュージックビデオも公開されている。

Florence + The Machine – King

King歌詞和訳

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)の新曲「King」について。

女性アーティストとして生きることがテーマの歌詞を和訳し、内容を考察していく。

子どもを産むかどうかキッチンで口論になった
世界の終焉や私の成功願望
そしてアートにどれだけの価値があるのかについても
あなたは人を深く傷つけることが得意ね
その腐った心とダイヤモンドの指輪のように眩しい苦悩にすがり付いて
あなたは歌のアイデアを探すために戦いに行かなきゃいけないのね
母親でも花嫁でもない、私は王様よ

“We argue in the kitchen about whether to have children
About the world ending and the scale of my ambition
And how much is art really worth
The very thing you’re best at is the thing that hurts the most
But you need your rotten heart, your dazzling pain like diamond rings
You need to go to war to find material to sing
I am no mother, I am no bride, I am King”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「King」歌詞(Genius Lyrics)

私に必要なのは悲哀に満ちた金の王冠と血に濡れた剣
空っぽの宮殿で響き渡るのは私の壮大な神話の反響音
母親でも花嫁でもない、私は王様よ
私は母親でも花嫁でもなく王様なのよ

“I need my golden crown of sorrow, my bloody sword to swing
My empty halls to echo with grand self-mythology
I am no mother, I am no bride, I am King
I am no mother, I am no bride, I am King”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「King」歌詞(Genius Lyrics)

この女性がいつも変幻自在なのはすり替えられた子供だから
全て解決したかと思うと
また新たな問題が生まれる
この掻き傷を作ったのはこの見知らぬ爪
私を狙うのは自分の内面に眠る殺し屋
母親でも花嫁でもない、私は王様よ
私は母親でも花嫁でもなく王様なのよ

“But a woman is a changeling, always shifting shape
Just when you think you have it figured out
Something new begins to take
What strangе claws are these scratching at my skin
I nеver knew my killer would be coming from within
I am no mother, I am no bride, I am King
I am no mother, I am no bride, I am King”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「King」歌詞(Genius Lyrics)

私に必要なのは悲哀に満ちた金の王冠と血に濡れた剣
空っぽの宮殿で響き渡るのは私の壮大な神話の反響音
なぜなら私は母でも花嫁でもない、私は王様よ
私は母親でも花嫁でもなく王様なのよ
私は母でも花嫁でもない、私は王様
私は母親でも花嫁でもなく王様なのよ

“I need my golden crown of sorrow, my bloody sword to swing
I need my empty halls to echo with grand self-mythology
’Cause I am no mother, I am no bride, I am King
I am no mother, I am no bride, I am King
I am no mother, I am no bride, I am King
I am no mother, I am no bride, I am King”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「King」歌詞(Genius Lyrics)

自分の理想にはいつも届かない
ただどう着飾ったらいいのかだけは知っていた
一度も満足したことはないし、それは常に付きまとってくる
後ろ髪を引かれながらステージに戻ってくるわ

“And I was never as good as I always thought I was
But I knew how to dress it up
I was never satisfied, it never let me go
Just dragged me by my hair and back on with the show”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)「King」歌詞(Genius Lyrics)

King歌詞和訳まとめ

King歌詞和訳まとめ
クレジット:Pexels

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)が新曲「King」は、フローレンス・ウェルチが女性アーティストとして生きることの苦悩がテーマである。

まず冒頭の歌詞では、アーティストとして生きていくのか、女性として家庭を持ち平穏な暮らしをしていくのか、これからの人生の生き方についてフローレンス・ウェルチとパートナーが口論している様子から物語は始まる。

No Choirとの関連性

そして、以前発表された楽曲「No Choir」の一文と関連性があり、“幸せについて曲を書くのは難しいの”、でも表現されているように、フローレンス・ウェルチは苦悩の少ない平穏な日常ではアーティストとの両立が難しいことが次の歌詞で描かれている。

“子どもを産むかどうかキッチンで口論になった
世界の終焉や私の成功願望
そしてアートにどれだけの価値があるのかについても
あなたは人を深く傷つけることが得意ね
その腐った心とダイヤモンドの指輪のように眩しい苦悩にすがり付いて
あなたは歌材を探すために戦いに行かなきゃいけないのね”

フローレンス・ウェルチとジェンダー

ジェンダー(レインボーフラッグ)
クレジット:Pexels

30代の女性として当たり前のように母親になるべき、という周囲からの期待やプレッシャー。

それは女性としての従来の生き方ではなく、アーティストとしてジェンダーの壁を感じることなく自由な表現を追求しようとするフローレンス・ウェルチの願いである。

そこでサビの歌詞、“母親でも花嫁でもない、私は王様よ”という一文から、フローレンス・ウェルチは自身を女王ではなく“King(王様)”と称し、男性アーティストと対等な立場で活躍できることを示している。

“母親でも花嫁でもない、私は王様よ”

次の歌詞に登場する“すり替えられた子供(changeling)”とは、美しい子供が生まれると妖精が彼らの醜い子供と取り替えに来る、という古い言い伝えが元になった言葉である。

その“すり替えられた子供”はフローレンス・ウェルチ自身のことを比喩しており、女性またはアーティストとしてどこに属しているのか分からない心理的状況を示していると読み解ける。

次に登場する“見知らぬ爪”とは、自分の中に眠る妖精または怪物の攻撃性を象徴し、知らないうちに自身を傷つけてきたのはその妖精の仕業だとするフローレンス・ウェルチの心情が綴られている。

“この女性がいつも変幻自在なのはすり替えられた子供だから
全て解決したかと思うと
また新たな問題が生まれる
この掻き傷を作ったのはこの見知らぬ爪
私を狙うのは自分の内面に眠る殺し屋”

次の歌詞では、先ほど登場した“内側に眠る妖精”について触れており、“どう着飾ったらいいのかだけは知っていた”という一文は、妖精が人間のフリをして生きていくことであり、本当の自分を偽り生きている人を示唆していると読み解ける。

“自分の理想にはいつも届かない
ただどう着飾ったらいいのかだけは知っていた”

フローレンス・ウェルチのコメント

フローレンス・ウェルチは「King」について以下のようにコメントしている。

“アーティストとして自分の性別についてあまり考えたことはなかったの。私は男性と同じ実力があって、対等に渡り合ってきた。でも今、30代の女性として将来について考えると、自身のアイデンティティや欲望が引き裂かれるような感じがした。パフォーマーでありながら家庭を持つことは男性に比べて難しいと思ったの。これまでは男性のパフォーマーをお手本にしてきたけど、彼らとは異なる決断を強いられることで、初めて現状の自分と理想の自分の間に大きな壁を感じたわ。”

引用元:Florence + the Machine Drop a Haunting New Song and Video About Womanhood: Watch(billboard)

フローレンス・ウェルチが自身の音楽キャリアで築き上げてきた王国。

そこではジェンダーの壁を超え、女性も男性と同じ権利を持ち自由に生きることを目指している。

実際にフローレンス・ウェルチはライブでレインボーフラッグを掲げるなど、LGBTへの理解を示しながら、女性の権利向上にも務めてきた。

Florence & The Machineは性差別や偏見に悩む人々に崇拝される“王様”であり、そんな人々が自由に生きることのできる王国を世界に提示した楽曲が「King」である。

Florence & The Machineアルバムリリース

5thアルバム『Dance Fever』

発売日: 2022/5/13
収録曲: 未定
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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4thアルバム『High as Hope』

発売日: 2018/6/29
フォーマット:Mp3、CD、アナログ、カセット
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3rdアルバム『How Big, How Blue, How Beautiful』

発売日: 2015/6/1
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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2ndアルバム『Ceremonials』

発売日: 2011/10/28
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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1stアルバム『Lungs』

発売日: 2009/7/3
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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Florence & The Machineプロフィール

Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)
撮影:Autumn De Wilde

“Florence + the Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)は、2007年にロンドンで結成されたイギリスのインディーロックバンド。メンバーはボーカルのフローレンス・ウェルチ、キーボードのイザベラ・サマーズ、ギターのロブ・アクロイド、ハープのトム・モンガー、その他のミュージシャンとのコラボレーションによって構成されています。

Florence + the Machineの音楽はメディアを通じて賞賛され、特にBBCは“BBC Introducing”の一環としてFlorence + the Machineを宣伝し、彼らの出世に大きな役割を果たした。2009年のブリット・アワードでは、“批評家賞”を受賞しています。

2009年7月6日にリリースされたデビューアルバム『Lungs』は、イギリスのアルバムチャートで28週連続でチャートインし、最終的にナンバー1を獲得。2010年10月の時点で、イギリスでは65週連続でトップ40に入り、2009年と2010年に最も売れたアルバムに数えられています。2011年10月にリリースされた2枚目のスタジオアルバム『Ceremonials』は、イギリスで1位、アメリカで6位のチャート入りを果たしました。2015年6月2日に発売されたサード・アルバム『How Big, How Blue, How Beautiful 』は、同バンドの代表作となり、全英チャートで首位を獲得し、全米ビルボード200では初の1位を獲得。このアルバムは合計8カ国で1位、20カ国でトップ10入りを果たしました。また2015年にはグラストンベリー・フェスティバルのヘッドライナーを務め、フローレンス・ウェルチは今世紀初のイギリス人女性ヘッドライナーとして起用されました。

また、最優秀新人賞と最優秀ポップ・ボーカル・アルバムを含むグラミー賞の6部門にノミネート。さらに、バンドは“2010 MTV Video Music Awards”と“2010 Nobel Peace Prize Concert”でパフォーマンスを行っている。”

引用元:Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)バンドプロフィール(Wikipedia)

Florence & The Machine代表曲(Youtube)

  • Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン) – My Love
  • Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン) – Heaven Is Here
  • Florence & The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン) – Florence + The Machine – Shake It Out

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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