最終更新: 2023年8月20日

サウスロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)が4ADから1stアルバム『YIAN』をリリースした。

『YIAN』とは中国語で燕(つばめ)を意味することばで、彼女のミドルネームでもある。

イギリスとマレーシア、中国をルーツにもつLucinda Chuaにとってこの作品は、“温故知新”。故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、燕をめぐるアルバムである。

今回のインタビューを通して、『YIAN』についてはもちろん、彼女自身のルーツやアイデンティティを知ることができた。

そして、それぞれがこの作品に触れることで、あらゆるマイノリティを繋ぐコミュニティが築れることを願うばかりだ。

Lucinda Chuaとは

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)
Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)は、サウス・ロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、作曲家、プロデューサー、マルチ奏者だ。

彼女は、ノッティンガムの大学で写真を学びながら、音楽制作の選択科目を履修した。

実験的なトラックを制作してオンラインにアップロードし、アメリカのレーベル〈Kranky〉の目に留まり、フェリックス (Felix)名義で2枚のアルバムをリリース。

その後、彼女はFKA Twigsのライヴ・メンバーやThe Cinematic Orchestraのリミキサーに抜擢され、2019年に『Antidotes 1』でソロ・デビューした。

彼女はピッチフォーク、ガーディアン、デイズドなどで高い評価を得た。

また、ルシンダ・チュアは、広い空間から届く声とチェロの演奏でも評価されている。

彼女自身の複数のルーツについても話しており、イギリス人の母とマレーシア先住民の血を引くマレーシア系中国人の父の間に生まれイギリスで育った。

彼女は自身がどこにも属していないように感じることで起きる不安や自分は何者であるのかという問い、そして自身のルーツを学び直すことについて語っている。

Lucinda Chuaの概要

アーティスト名 Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)
出身 ロンドン
レーベル 4AD

インタビュー:Lucinda Chuaについて

Lucinda Chua
アーティスト:Lucinda Chua(ルシンダ・チュア) インタビュアー:滝田 優樹 通訳:原口美穂

-こんにちは。今日は宜しくお願いします。今はロンドンですか?
Lucinda Chua(ルシンダ・チュア):こちらこそ宜しく。そう、今はロンドン。

-ロンドンも暖かくなってきましたか?
そうね。桜や木蓮の花を見ながら外を散歩できるのはすごくいい。日本からイギリスに運ばれてきたものだと思うけど、ロンドンの街角にもちょっと桜が咲いてるの。

-ロンドンでも桜が見れるのは知りませんでした。それでは、質問をさせて下さい。4ADから1stアルバム『YIAN』のリリースおめでとうございます!聞き応えのあるアルバムでした!作品についてお聞きする前にまずはあなたのことについて、お聞かせください。ノッティンガムの大学でフォトグラフィーを専攻していたそうですね。そこで音楽制作の選択科目を受講したのをきっかけで本格的に音楽をはじめたそうですが、合っていますか?もしその当時、どのような音楽をやっていたのかなど詳しく教えてもらえますか?
音楽を習い始めたのは3歳の時。音楽教室に通い始めてから、音楽は常に私の人生の一部だった。特に小さい時は即興で音楽を作ったりしていたの。ピアノの前に座って、自分の曲を作ったりね。でもそのあと、音楽の奨学金をもらってチェロやピアノ、弦楽四重奏のオーケストラを無償で習う機会を得て、もっと本格的に音楽を学ぶようになった。そして、バンドを始めたのは15歳か16歳の時で、私はバンドの中でチェロを弾いていたんだけど、演奏していたのはロックやメタル(笑)。私の10代はそんな感じだった。で、大学で写真を学んでいた時に、選択科目で音楽制作を選んで、そこから初めて自分でレコーディングをするようになったの。音楽や作曲は昔からやっていたんだけど、レコーディングをするようになったのはその授業がきっかけだった。

音楽の始まり

-音楽教室は、スズキメソードだったんですよね?
そう。だから、音楽は全て耳で覚えていたの。音楽で自分を表現することはすごく楽しかった。もちろん音楽には面倒な部分もあったし、つまらないと思った部分もあった。でも、友達と一緒に時間を過ごしたり、楽しい時間も沢山あったのよね。今でも子供の頃のようにクラシック音楽を聴きたくなる時もあるし。人生の中で、音楽の存在感が薄れたような時期もありはしたし、チェロを弾くのを休んでいた時もあった。でも、音楽を始めた3歳の頃から音楽はいつも背景にあり、私の生活の一部になっていることは確かね。

チェロとの出会い

-チェロを始めたのは何歳の時ですか?
10歳の時。きっかけは5歳の時で、コベントガーデンで弦楽四重奏が演奏しているのを見て、私もチェロを習いたいと思ったの。でも両親は、私がピアノ以外の楽器を始めることを躊躇してた。だから、もし私が10歳まで勉強とピアノを続けるなら、第二楽器としてチェロを始めてもいいと提案してきたの。

-なるほど。ついにチェロを手にした時はどんな気持ちでしたか?
親が決めた楽器ではなく、自分で選んだ楽器だったからすごく興奮した。そして、見た目も弾いた感じもすごく良かったから、すぐに気に入ったの。赤いリボンがついていて、すごく素敵だった。

アーティスト名について

-ちなみにですが、Lucinda Chuaは本名ですか?もしアーティストとして別で名乗っているものでしたら由来を教えてください。
そう。それは私の本名。

-プロジェクトのために、本名ではないアーティスト名を考えようとは思ったりはしませんでしたか?
前は、芸名を考えるのに必死だった。最初の頃は、音楽では別のアイデンティティを選んだ方がいいんじゃないかと思っていたから。私の友人でNabihah Iqbalっていう“Ninja Tune”に所属しているアーティストがいて、彼女はDJでもあるんだけど、以前彼女はThrowing Shadeっていう名前で活動していたの。でもあとから本名のNabihah Iqbalに名前を戻し、名前を通して自分のレガシーを表現することが本当に重要だと感じていると話していた。彼女がイギリスで育った時、学校では彼女の名前が他とは違うから、どう発音したらいいか皆わからなくて、大変だったらしいの。私の名前も同じ。イギリスでは、私のクラスに中国人の名字を持っている子はいなかった。だから、名前のことでからかわれたりもしたのよね。でもだからこそ、自分が持って生まれた名前で演奏したいと思った。もしもちょっと変わった名前の人がいたら、私がこの名前で活動することで、自分の名前はこれでいいんだと思ってもらえるかもしれないって。かっこいい名前を選ぶよりも、本名で活躍することのほうがもっと大切なんじゃないかと思ったの。自分のアイデンティティに誇りをもつことも大切だしね。もしもクラスに一人しかいない名前を持っている人がいて、学校で寂しい思いをしているとしたら、こうして私が自分の名前で活動している姿を見て、自分の名前に誇りをもってほしいなとも思う。

YIAN

-続いて、レーベルのことについて聞きたいのですが、まずあなた自身のレーベル名の読み方から確認させて下さい、“秀燕”は何と読むのでしょう?
それは、“Siew Yian”と読むの。Yianはアルバムタイトルの”Yian”と同じ。Siew Yianは私のミドルネームで、ツバメを意味する言葉。私はイギリスで育ったから、あまり中国語を話したり書いたりすることを学ぶ機会がなかった。でも私の両親は、中国人の祖先と私を結びつける手段として私に中国名を与えてくれたの。

アルバム・タイトルについて

-なぜアルバムタイトルに“ツバメ”という言葉を選んだのでしょう?
ツバメは、二つの場所を行き来するシンボルだから。私には東洋と西洋の文化の狭間に存在している感覚があるんだけど、中国語が母国語でないから、ある意味自分の中国名の部分が、私の中で未知の部分だった。でも今回のアルバムを作っている時、私には、その部分をもっと知りたい、もっと時間をかけて大切に育てたい、という気持ちがあったの。

4ADとの契約

4AD
-2019年には自身のレーベル“秀燕”から『Antidotes 1』をリリースされて、その後『Antidotes 2』は“4AD”と契約してのリリースとなりました。“4AD”と契約に至った経緯を教えてください。また自身のレーベルでの活動と“4AD”での活動での違いがあれば、そちらも教えてください。
“4AD”との契約のきっかけは、レーベルのスタッフが長い間私のライブを見に来てくれていて、彼女が私を誘ってくれたこと。でも私は、彼女がずっとライブを見に来てくれていたなんて契約するまで知らなかった(笑)。声をかけてもらって、話をして、契約が決まったの。『Antidotes 1』の時はまだ“4AD”と契約してなかったから自分のレーベルからリリースしたけど、今、自分のレーベルの方は、レコードレーベルというよりも、クリエィブ・スタジオのような存在になってきたと思う。私が仕事をする空間というか。音楽をリリースすることは、私のクリエイティビティーとレコード会社のコラボレーションなの。そして、私がリリースするための作品を作る空間が“秀燕”という感じかな。

Lucinda Chuaとロンドン

-ロンドンで生まれて、現在もあなたはロンドンで活動されていますよね?ちなみにですが、YouTubeで公開されているBoiler Roomの動画見ました。チェロで弾き語りしている姿、とてもかっこよくて興奮しました。ロンドンはロックからクラシック、ジャズなど音楽的な文化も様々です。そういった土壌もあなたの音楽と通ずるものがあると思いますが、あなたから見たロンドンはどんな街ですか?そこで刺激を受けたカルチャーや音楽などあれば教えてください。
ロンドンは、本当に様々なことが経験できる場所。私は、時間がある限り外に出て、色々なことを体験するように自分に言い聞かせているの。クリエイティブな人たちも沢山いるし、コンサートや演劇もよく見に行く。最近では初めてオペラも観に行ったんだけど、すごく素敵だった。

1stアルバム『YIAN』について

-ご自身のキャリアのなかでもフルアルバムというフォーマットでの音楽作品は初だと思います。アルバムという形にまとめ上げていく過程で、方向性やコンセプトは事前に決めたうえで制作を進めていったのでしょうか。もし、そうでしたら、どのようなものだったのか、そうでなければどのように制作を進めていったのか教えてください。
アルバムの製作中は、あまりテーマといった概念はもたないようにしていた。何か意識していたとすれば、私の頭の中では、魂に語りかけるような音楽という意味で、ソウル・レコードを作りたいという気持ちはあったと思う。あとは、プログ・ロック(笑)。プログ・ロック(プログレッシヴ・ロック)のレコードを聴いているような、旅の中で一緒に流れていくような感覚になる作品をつくりたいという気持ちはあった。でも、そのためのサウンドをどうやって作っていくかは、曲を作りながら流れで考えていったの。それをどうやって作っていけばいいか、最初はわからなかったから。

-作業をしていく中で、自然と出来上がっていったテーマやコンセプトはありましたか?
アイデンティティや何かに属しているという意識、そして新たな発見かな。作業を進めていくことで、音楽の中に居場所を作り、音楽の中に目的意識と相互信頼を見出すことが出来るようになっていったと思う。

プロデュースとエンジニアリング

-今回ほぼ全曲のプロデュースとエンジニアリングをご自身で手がけたそうですね。今作はストリングスからピアノ、シンセサイザーなどの楽器のほか、コーラスアレンジも他要素を静謐にまとめあげた作品になっています。今作をプロデュースとエンジニアリングするうえで大変だったことやセルフで行うに至った経緯などあれば教えてください。また、率直に作品が出来上がってリリースされた感想はいかがですか。
一番大変だったのは、エンジニアと奏者の両方をやらないといけなかったから、ライブルームとミキシングデスクがある部屋を行き来しなければいけなかったこと。でも、誰にも見られずにアルバムの制作に取り組むことができたから、リスクを冒したり、新しいことに挑戦することを躊躇なくできたのはいいことだったと思う。全部セルフでやりたいと意図してそうしたわけではなく、なんとなくそうする方がいいと思って自分でプロデュースとエンジニアリングをやることにしたの。一人でやったほうが楽かなとも思ったしね。作品作りあげることができて、無事にリリースされたのは本当に嬉しい。

作品の評価

-『YIAN』は.感情の機微を音楽に乗せた繊細であると同時に力強い作品だと思いました。特に作品の中盤以降から自身が開放された印象も感じました。今回Lucinda Chuaとして進化を感じさせる曲を1曲挙げるとしたらどれですか? 個人的には『Do You Know You Know』が特にフェイバリットです。アンビエントとドローンサウンド、ストリングスなどのグレデーションが豊かでレディオヘッドの『Kid A』を聞いたときと似たような興奮を覚えました。
「Autumn Leaves Don’t Come」 は、作っている時にすごく新鮮に感じた。他とはちょっと変わっていて、あまり表に出て来ない自分の一面が出てきたように感じたのよね。この曲のボーカルはほとんど家でレコーディングしたの。風邪をひいていて、マイクを持ちながらソファで横になっているような状態でレコーディングした。そのあと何度もスタジオでボーカルを録音しなおしてみたんだけど、結局体調が悪くてソファに寝転びながらレコーディングした最初のボーカルテイクに戻って、それを使うことにしたのよ。

Echoと中国文化

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)
-「Echo」のミュージックビデオも見ました。中国舞踊を学び、オマージュとしてパフォーマンスされていましたね。こちらのいきさつやエピソードを教えてください。
ウエストロンドンにあるスタジオで撮影したんだけど、エアコンがないスタジオで、うだるような暑さの中撮影しなければいけなかった(笑)。しかも、そんな中で雪をふらせないといけなくて(笑)。あのビデオのために、私はかなりダンスを練習して撮影の準備をした。中国の古典舞踊のレッスンを受けたし、私の友人のシャンテル・フーがムーヴメント・ディレクター兼振付師として参加してくれたんだけど、私が住んでいるサウスロンドンにあるダンススタジオで、何度も一緒にセッションしたの。曲のストーリーを分解して、それを振り付けの中でどう伝えるかを考えるのは、本当に特別なフィーリングだった。私にとってすごく新しいことだったし、曲を体現することで、自分の曲を他の視点から見ることができたのも良かったと思う。ビデオでは、過去と未来の間に線を引くことがテーマになっていて、手や扇子を使って、過去が私を引き戻したり、手招きしている様子を表現している。そして、私は過去に敬意をはらいつつ、自分自身を切り開く自由も欲しているの。

中国文化とLucinda Chua

-また、今回のアルバムタイトルや「Echo」のミュージックビデオなどで中国文化へのオマージュが随所に散りばめられています。差し支えなければ自身のアイデンティティとしての中国文化について教えてもらえますか。もし難しいようでしたら、音楽を通して、オマージュされている理由でもかまいません。
私にとって最も重要だと感じるのは、アーティストとして、私と同じようにディアスポラ(移民や植民を意味する思想用語)のクリエイティブな人々とつながってコラボレーションをすること。その理由は、何が本物だと感じるかは人それぞれだと思うんだけど、特にディアスポラでは、その考え方や経験が本当に多様だから。そして、ディアスポラのアーティストたちとコラボレーションすることで、ディアスポラが私一人しかいないと感じることがなくなるし、皆で集まって、決まった常識やイメージにとらわれることなく好きなことができたら素晴らしいと思うから。一つの国の文化だけでなく、自分たちだからこそ作り出すことができる文化、ディアスポラ・カルチャーを自分たちの作品で表現できる友情とコミュニティを築くというのは、私にとって大切なことなの。“4AD”と契約して、人生で初めて自分で一緒に作業したい人々を選ぶ機会をもらったことで、同じような経験をしている、安心して経験を共有できるような人たちと一緒に作品を作りたいと思うようになった。学生時代はクラスの中で中国語の名前を持っているのは私一人だったけど、私の作品の中では、それと同じ感覚をもちたくないのよね。私にとって、似たような経験をしていて、気持ちをわかりあえる人たちと自分たちの文化を祝福することはとても大切なの。

YIANのアルバムジャケット

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)『YIAN』
-『YIAN』アルバムジャケットも素敵ですよね。燕の羽を模したものが背中にあしらわれて手の先から足の先までこだわり抜かれたので、伝わってくるのですがこれは大学時代の経験をもとに制作されたのでしょうか。
あの写真は、私の友人のNhu Xuan Huaと一緒に制作したもの。『Antidotes 2』のアートワークで一緒に共演したんだけど、彼女は本当に素晴らしい写真家であり、アーティストでもある。彼女がパリに住んでいるから、彼女に会いにパリへ行って、沢山の古い本、写真集、アートブックを見て回ったんだけど、そこから沢山インスピレーションを得たの。美術館や博物館にも沢山行ったし、古代の芸術品を沢山見た。そしたら彼女が、私が羽の生えたツバメになるというコンセプトを思いついて、私に提案してきたの。そして、女性的でありながらも鎧のようにも見え、優雅さと強さを同時に表現したあのイメージが生まれたのよ。

YIANを聞く人へのメッセージ

-『YIAN』をどのような人に聞いて欲しいと思いますか?
聞きたいと思ってくれる全ての人。

-では、どんなシチュエーションで聞いてほしいですか?
このレコードは、色々な聞き方を楽しめるレコードだと思う。あと、私もよくこのシチュエーションで音楽を聞くんだけど、長い列車の旅で窓を眺めながら聞くのもいいかもしれない。

-最後に日本のリスナーにメッセージを頂けますか?
みなさん、本当にありがとう。日本からこうして取材を受けていることもすごく嬉しいし、イギリスから遠く離れた日本のみなさんからの愛をすでに大きく感じています。来日が本当に楽しみです。できるだけ多くの時間を日本で、そして皆さんと過ごせますように。

Lucinda Chuaアルバムリリース

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)はこれまでに1枚のアルバム(『YIAN』)をリリースしています。

1stアルバム『YIAN』

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)『YIAN』
発売日: 2023年3月24日
収録曲:
1.Golden
2.Meditations On A Place
3.I Promise
4.You
5.An Ocean
6.Autumn Leaves Don’t Come
7.Echo
8.Do You Know You Know
9.Grief Piece
10.Something Other Than Years
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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Lucinda Chuaプロフィール

Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)

“ルシンダ・チュアは、南ロンドンを拠点に活躍するシンガー、ソングライター、作曲家、プロデューサー、マルチ奏者です。主に彼女の声、チェロ、エフェクトユニットを使用して、チュアは親密で雰囲気があり、完全に魅力的なアンビエントポップソングを書いています。ロンドン生まれのミルトン・キーンズ育ちのチュアは、英国、マレーシア、中国の祖先のルーツを持っています。3歳からスズキメソッド(幼い子供たちが母国語と同じように音楽を教えられる方法)を使用して耳で音楽を学んだチュアは、音楽を非言語的な自己表現の自然な形態とみなしています。ノッティンガムの大学で写真を学んでいる間、チュアは音楽制作の選択科目を受講し、彼女が作成してオンラインにアップロードした実験的なトラックが米国のレーベルkrankyの注目を集めました。まもなく彼女はStars of the Lidのツアーにチェリスト兼ストリングアレンジャーとして参加し、20代前半に彼女の最初のバンドFelixと2枚のアルバムをリリースしました。 Felixが解散した後、チュアはロンドンで数年間過ごし、都市の創造的なシーンを探索し、チェロで実験し始めました。それらの探求は彼女の2019年デビューEP『Antidotes 1』になりました。それは静かなソングライティングと広がりのあるテクスチャルサウンドスケープの間を行き来しました。 チュアはNTS Radioの「Work In Progress」メンターシップ計画中にEPをセルフリリースし、同時にFKA twigsのMagdaleneツアーでライブバンドとして演奏しました。 Pitchfork、The Guardian、Dazedおよびgal-demから称賛された『Antidotes 1』は、チュアが英国およびヨーロッパ全体で1人ショーを行うことにつながりました。これにはRed Bull Music Festival London、MUTEK Barcelona、Tate ModernおよびSomerset Houseが含まれます。”

引用元:Lucinda Chua(ルシンダ・チュア)プロフィール(4AD)

Lucinda Chuaの評価

“シルクで紡がれた言葉が奏でる戦いの叫びだ”
The FADER

“残響がこれほどまでにカタルシスを感じさせたことはない”
MTV

“彼女のゴッサム的でソウルフルな曲は、歌というよりも夢のような瞑想のように感じられる”
NYLON

“小さな大聖堂のような音楽だ”
Pitchfork”

引用元:Lucinda Chuaの評価(Beatink)

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ライター:滝田優樹

1991年生まれ、北海道苫小牧市出身のフリーライター。TEAM NACSと同じ大学を卒業した後、音楽の専門学校へ入学しライターコースを専攻。

そこで3冊もの音楽フリーペーパーを制作し、アーティストへのインタビューから編集までを行う。

その経歴を活かしてフリーペーパーとWeb媒体を持つクロス音楽メディア会社に就職、そこではレビュー記事執筆と編集、営業を経験。

退職後は某大型レコードショップ店員へと転職して、自社媒体でのディスクレビュー記事も執筆する。

それをきっかけにフリーランスの音楽ライターとしての活動を開始。現在は、地元苫小牧での野外音楽フェス開催を夢みるサラリーマン兼音楽ライター。

猫と映画鑑賞、読書を好む。小松菜奈とカレー&ビリヤニ探訪はライフスタイル。

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