最終更新: 2025年3月27日

初ライブについて

-まりりん:去年(2024年8月)のライブが初めてのライブですか?
milano:2回目なんですけど、1回目は知り合いのライブハウスからメールが来て、“1週間後にライブやる?”みたいな感じで言われて、急ピッチで2人で出たのが1回目です。それはほぼなかったことにして(笑)。
milano:去年やったライブは準備期間をとって、サポートメンバーを呼んでやったんで、あれがほぼバンドセットでちゃんとライブをやるという1本目かなと思います。

-まりりん:バンドセットでやったことが今回のアルバムにも影響しましたか?
daijiro:ライブにあんまり自信がなくて。milano君はプレイヤーとして演奏しているんですけど、僕はほとんどそういう界隈にいなかったんで。ライブをしようとなった時も、少し抵抗がありました。あの時は5人編成で、ギター3本、ベース、ドラムで演奏して、それまでは曲づくりにおいてエレクトロ要素を色々詰め込みがちだったんですけど、シンプルでも良いかというマインドになれたのはライブのおかげかなと思います。

-まりりん:音源の方が色々詰め込むことができますもんね。
daijiro:そうですね。ずっとエレクトロ系が好きだったのもあって、色んな音を入れていたんですけど、案外そぎ落とすスタイルでも良いじゃんとなったのはライブのおかげだし、それが今回のアルバムに生きたかなという感じです。
milano:ライブはめちゃくちゃ面白かった記憶があります。2人組で作った曲を他の人に弾いてもらうというのもすごく新鮮でしたし。譜面を起こして、友達に頼んで弾いてもらったんですけど、普段ベースやギターは僕が弾くことが多いし、ドラムのパターンはお互いが打ち込みでやることが多いんで、いざ人力で本当にその場でやってもらうとなると、思ってもいなかったフレーズが出てくるのを見て、“ああ、こういうふうにアレンジする手もあるんだ”というのが見えてきて。その後作っている今回のアルバムは、人間っぽい、こういうフレーズもありだよねというのが前より見えてきたんじゃないのかなと思います。自分が作った曲が、人が聴くとこうなるんだというのはめちゃくちゃ面白いと思いました。

-まりりん:ライブを見た人からの反応はどうでしたか?
daijiro:初めてということもあって、大学の友達が多かったんですけど、数人インスタグラムを見て来てくれた人もいて。ライブをする前の月にアコースティックの曲を出していたんで、ギャップに驚く人もいるかなと思ったんですけど、みんな良かったと言ってくれました。ライブが終わった後も曲を出すとDMをくれるんで、やって良かったなと思います。

-まりりん:曲を出すとDMをくれるなんて、とても熱心ですね。今後もライブをやっていきたいと思いますか?
milano:やりたい気持ちはめちゃくちゃあって。計画中です。今回のアルバムを活かしたライブはどうやったらできるんだろう?というのが、今一番考えているところです。曲も去年のライブの時とはまたガラッと変わっていますし。

歌詞について

-まりりん:歌詞についてですが、英語と日本語が曲によって入り混じっていたりしますよね。どういうことを意識して書いていますか?また、どちらが書いているんですか?
daijiro:デモを作った人が歌詞も書くことが多いです。milano君が書いて、僕が歌うという曲も一曲ありました。僕自身があまり歌詞を聴かない人で、意味を考えないんです。日本語の曲を聴くと理解を迫られる感じがして、疲れてしまうタイプなんで。歌詞を自分で考える時も、英語のリズムが好きだから英語にしています。内容もそんなにめちゃくちゃ考えているわけではなく、韻を踏むか、聴いていて心地良いか、バースとコーラスがどうなっているかという感じですね。言いたい単語だけ決めておいて、バックをループで流しながら、聴いていて気持ち良いフレーズを何回も繰り返して探しています。4曲目の「MSR」は日本語の歌詞が出てくるんですけど、“まっさら”という単語に韻を踏むためだけに言葉を選んでいて、ほとんど意味はありません。リズムと韻だけ考えてる感じです。

milano:僕も韻や音の響きが好きなんで、それを意識して歌詞を書くことが多いです。Aメロからできる時もあれば、サビからできる時もあります。サビでこういうフレーズで、この音で、この言葉のグループで歌いたいというのが先にできて、それを発展させていきます。Aメロがこういう歌詞だったから、それと韻を踏みつつ歌って。メロディーとして心地良い歌詞が書けたらというのが一番大きいです。「superpowers」の“関内(かんない)”という歌詞から始まるんですけど、意味はなくて、“関内(かんない)”という言葉が日本語っぽくなくて良いなというところから選んでいます。そういうふうに歌詞を書くことが多いですかね。前作もそうでしたが、韻を踏みたかったり、もともとの英語という言語が持つリズムと作った曲のメロディーのリズムが合うように意識していました。

-まりりん:歌詞も含めて曲を作れるということですけど、お互いが作ってきたものに対して意見を言い合ったりしますか?
daijiro:今回は結構意見共有しましたね。前回はお互いの共通のコンセプトがはっきりしていなかったんで、milano君が出してきたものと、僕が出したものでジャンルがわりと違ったんですけど、“まあ、それはそれで良いか”という感じで一緒にリリースしていました。今回はコンセプトがはっきりしていたんで、歌詞の内容やギターのリフ、全体の構成をどうするかなど、意見をかなり出し合って方向性を明確にしました。
milano:ギターのフレーズを確認することが多かったですね。今回、“このコードどっちにする?”というのを共通認識として、この音が一番いいねというのを見つけ出すまで話をした曲が多いと思います。

-まりりん:これまでよりずっと制作に時間をかけたということですね。
daijiro:そうですね。でも割と効率的に作業は進んだと思います。僕がデモを作る時は、コード進行とざっくりとした展開だけ決めておいて、“この上に何か入れてください”という感じでmilano君にお願いすることが多いです。「19」のイントロのギターリフも、僕が作ったデモをループで流しながらmilano君にその場で弾いてもらいました。あと各曲が記憶に残るリフを持ってるアルバムにしたかったので、ソロは極力減らしました。そのリフを考えるのが結構時間かかりましたかね。でもそのおかげで、milano君の良さが全開になったかなと思います。

flip-flopsからのメッセージ

-まりりん:今回のアルバムは、特にどういう人に聴いてほしいという思いはありますか?
milano:今までは、自分たちが作った曲を評価してほしい、一人でも多くの人に聴いてほしいという気持ちばかりだったんですけど、今作に関しては、めちゃくちゃ良いものができたんで、もう誰が聴いても良いんじゃないかという気持ちがあります。街を歩いている人全てに聴いてほしいくらいの気持ちではありますが、ロックバンドが好きな人、ポップスやエレクトロが好きな人にも聴いてほしいなと思っています。曲によっては、流行りのビートを入れて遊んでみたり、最近の曲をサンプリングとまではいかないんですけど、このリズムパターンが良いよねというのを落とし込んでいたりするので。そういう曲を元々聴いている人、例えば3曲目の「(nick)name」は、NewJeansのドラムパターンだけをやっていたりするんで、NewJeansを聴いている人にも聴いてほしいですね。
daijiro:ライブハウスでライブをしているプレイヤーに聴いてほしいですね。挑発ではないんですけど、問題提起として、聴いてみてくれたら嬉しい。バンド編成で作っているんで、ライブスタジオでやっていますという雰囲気をかなり念頭に置いています。

-まりりん:flip-flopsは、バンドではなく2人組プロジェクトというイメージですか?
daijiro:バンドだと思っているんですけど、ロックバンドではないかなという感じ。

-まりりん:それぞれのSNSではどう名乗っていますか?
daijiro:ツーピースバンドと言っていました。

-まりりん:名前の横によくパートを書いたりするじゃないですか。ボーカル、ギターなど。ああいうのをもし書くとすれば、どういう振り分けになりますか?
milano:難しいんですよね。
daijiro:何を書けば良いのか分からなくて。コンポーザー、プレイヤーが両方につくというのが一番良いかも。ボーカル、ギターは両方やるし。マルチ奏者といえばいいのか…。あまりしっくりこないです。
milano:実際にライブでやるとしたら2人ともギターボーカルをやるんですけど、それを書いてしまうと、2人組でギターボーカルなんで、ゆずみたいに思われてしまう(笑)。

-まりりん:ツインギターツインボーカルと言っても、それも違うなっていう感じですよね。
daijiro:どう名乗れば良いのかは、正直悩んでいるところです。最近だといそうだけど、パッと他の例が思い浮かばないです。
milano:この形態でやっている人たちはあまりいないかもしれないですね。

-まりりん:どちらもほぼ全部作れて、全部やれるという感じですよね。
daijiro:そうですね。僕はほとんどベースは弾けないですけど。2人とも曲を作って完成まで持っていけるんで、なかなか役職の振り分けは難しいですね。一時期書こうかなと思ったんですけど、書かない方が良いかなと思ってやめました。あえて書いていないというのもあります。

-まりりん:本当にちゃんと書こうとしたら、めちゃくちゃ長くなってしまいそうですよね。
daijiro:謎がある方が良いかなと。ギターとベースがもはや入らないみたいな曲も生まれるかもしれないし、今後の期待感も含めて何も言わない方が良いかなと思っています。

-まりりん:最後に伝えたいことはありますか?
milano:今回のアルバムを作ってから、色んなSNSのIDを“Far-east Emo(ファーイーストエモ)”という名前に変えたんですけど、その意味にみんな気づいているのかどうかを知りたいなと思っています。ミッドウェスト・エモに対して、日本の極東(ファーイースト)のエモをやっているというのを気づいてくれたらなと思っているんですけど、伝わっていますかね?

-まりりん:変わったということにまず気づいていませんでした。すみません!
daijiro:“Far-east Emo(ファーイーストエモ)”は掲げたいですね。新しいジャンルを作りましたみたいな感じで言いたいけど、なかなか言うのも薄っぺらいしなと思って。とりあえず名前だけ変えておこうという感じですけど、コンセプトというか、これからも大事にしていきたいです。

flip-flopsアルバムリリース

 アルバム『the pure simulation, with no hesitation, no imitation』

flip-flops『the pure simulation, with no hesitation, no imitation』
発売日: 2025年1月31日
収録曲:
01. 19
02. sobriety
03. (nick)name
04. MSR
05. wdycfm
06. aftermath
07. tie-dye
08. shotgun-seat
09. superpowers
10. rollercoaster
Amazonで見る

BELONGからのお知らせ

ライター募集(タイプライター)
クレジット:pexels
新しい試みとして、公式メールマガジンをスタートすることになりました!

このメルマガでは、BELONG Mediaが厳選した更新情報やインタビューの際のこぼれ話を隔週でお届けします。

メールマガジン登録フォーム

下記のフォームにお名前とメールアドレスを入力するだけで登録完了です!

すでにBELONG Magazineを購読してくださっている方には、先行招待のメールをお送りしています。

まだの方も、ぜひこの機会に登録をお願いいたします。

毎週更新の新曲プレイリストについて

【New songs playlist | 新曲プレイリスト】
We update our playlist with new songs every week.

We are always happy to accept songs that you would like to add to the playlist, so please send us your information using the contact form: ✉️

BELONGでは毎週新曲プレイリストと更新しています。

プレイリストに追加希望の曲も随時受付ですので、問い合わせフォームから情報をお送りください✉️

まりりん(@Igor_Bilic)
photo
音楽イベントの企画運営やメディアでの取材を手掛ける音楽好き。

DaisyBarでのスタッフ経験を経て、個人企画“SECOND SUMMER OF LOVE”を主催。

ライターとしてはBELONG MediaでSuchmosやYkiki Beat、Never Young Beachなどのインタビューを刊行。

さらに、レコード会社での新人発掘、メジャーレーベルでの経験を背景に、多角的な視点で音楽シーンを追い続ける。

BELONGで書いた記事はこちら