最終更新: 2025年8月27日
ロンドン拠点8人組、caroline(キャロライン)が名門Rough Tradeより3年ぶりの新作『caroline 2』を発表し、東京・大阪での来日公演が決定している。
carolineの音楽を全身で体感できる待望の初来日ツアーは、いよいよ来週。
9月3日の東京・WWW X公演はすでにソールドアウトしており、9月4日の大阪・BANANA HALL公演もチケットは残り僅かとなっている。
今回、その大阪公演終了後には、BEATINK Listening Spaceにてミート&グリートが開催されることも決定した。
とはいえ、carolineの音楽は一聴するとつかみどころがないものの、シーンの最前線を突き進むキャロライン・ポラチェックとのコラボも実現している。
どうして彼らの音楽はこんなにもわからないのに私たちを魅了するのだろうか?
carolineとは
8つの魂が織りなす奇跡のアンサンブル
ロンドンを拠点とする8人組、caroline。その成り立ちはユニークだ。
2017年初頭、マンチェスターの大学で出会ったジャスパー・ルウェリン(Vo./Dr./Cello)とキャスパー・ヒューズ(Gt.)が、ロンドンでジャスパーの旧友マイク・オマリー(Gt.)を加えて始めた週に一度の即興セッションがその原点であった。
ミッドウェスタン・エモ、アパラチアン・フォーク、そしてクラシカル・ミニマリズムといった、メンバーそれぞれが持つ多様な音楽的背景が、この予測不可能なアンサンブルの土台を築いている。
やがて2人のヴァイオリン奏者、2人目のドラマー、管楽器奏者、トランペット奏者が加わり、8人という大所帯バンドへと変貌を遂げる。
名門Rough Tradeが廃墟から見出した逸材
彼らは2018年頃から、廃墟となったプールや発電所といった場所にとらわれない空間でライブ活動を開始する。そして、その活動が完全にオフラインで行われていた。
そんな謎に包まれた存在に光を当てたのが、The SmithsやThe Libertinesなど、数々の伝説を世に送り出してきた名門インディーレーベル”Rough Trade Records”の創設者、ジェフ・トラヴィス(Jeff Travis)だった。
2019年、偶然彼らのライブに足を運んだジェフは、その場で衝撃を受け、レコード契約をオファーしたという。
インターネットの喧騒から離れた場所で、ただひたすらに自分たちの音を追求していた若者たちが、最も純粋な形でその才能を見出された瞬間だった。
3年間の沈黙を破る『caroline 2』
そして2025年5月、彼らは3年ぶりとなるセカンドアルバム『caroline 2』をリリースした。
前作のコラージュ的な制作手法から一歩進み、今作はオリジナルメンバーである3人がプロデュースを担当。
18ヶ月という長い歳月をかけ、フランスやイギリスで作曲を行いながら、音色、物理的な空間、ハーモニー、そして親密な雰囲気といった要素を徹底的に探求したという。
アルバムのテーマは、”同時多発的な状態や、非常に異なる要素たちが同時に存在する状態”。
その言葉通り、アルバムを通して聴き手は静と動、緊張と弛緩、光と影が共存する複雑で美しい音響世界を旅することになる。
Caroline Polachekとの共演がもたらした化学反応
今作のハイライトの一つが、収録曲「Tell me I never knew that」でのキャロライン・ポラチェックとの共演だ。
異質な才能の衝突が生み出した、息をのむほど美しい化学反応だ。
“わからない”を楽しむ、音楽との新しい付き合い方
アルバムには「Coldplay cover」というタイトルの楽曲が収録されているが、これはColdplayのカバーではない。
こうした遊び心にも、彼らの天邪鬼な人間性が垣間見える。
“一聴しただけでは掴みきれないかもしれない。しかし、その’わからなさ’こそが、何度も彼らの世界の扉を叩きたくなる抗えない魅力なのだ”。
このアルバムは、僕たちに音楽との新しい付き合い方を提案している。
答えを急ぐのではなく、ただ音の波に身を委ね、その深淵をゆっくりと味わうこと。あなたはこの音の迷宮から、どんな風景を見つけ出すだろうか?
いよいよ来週に迫る初来日公演 彼らの音楽を全身で浴びる夜
即完の東京、残席僅かの大阪公演情報
そんなcarolineの音楽を全身で体感できる待望の初来日ツアーが、いよいよ来週に迫っている。9月3日の東京・WWW X公演はすでにソールドアウト。
9月4日の大阪・BANANA HALL公演もチケットは残り僅かとなっており、彼らへの期待の高さが伺える。
サポートアクトとして、東京公演には松丸契、大阪公演にはALTZの出演が決定している。
この音の体験を、ぜひ生で味わってほしい。きっと、あなたの日常に新しい”余白”をもたらしてくれる一夜になるはずだから。
caroline Japan Tour 2025
TOKYO – 2025.09.03(WED) – WWW X SOLD OUT
OSAKA – 2025.09.04(THU) – BANANA HALL
SUPPORT ACT:松丸契(東京)、ALTZ(大阪)
OPEN 18:00 / START 19:00
前売:8,000円 (税込 / 別途1ドリンク代 / オールスタンディング) ※未就学児童入場不可
《大阪公演》
イープラス [ https://eplus.jp/caroline2025/]
チケットぴあ [ https://w.pia.jp/t/caroline2025/]
LAWSON TICKET [ https://l-tike.com/caroline2025/]
BEATINK [ https://beatink.zaiko.io/e/caroline2025osaka]
INFO: SMASH WEST 06-6535-5569 https://smash-jpn.com/
公演詳細ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15067
大阪ではミート&グリートも開催決定
さらに、大阪公演終了後には、BEATINK Listening Spaceにてミート&グリートが開催されることも決定した。
入場は無料。彼らの音楽だけでなく、その人間性に直接触れることのできる、またとない貴重な機会となるだろう。
詳細はオフィシャルサイトで確認してほしい。
【会場】
大阪:BEATINK LISTENING SPACE
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4丁目13-12 南船場OMビル 3F
Instagram: https://www.instagram.com/beatink_listening_space/
X: https://x.com/Beatink_LS
【時間】
22:00-23:00予定
【参加費】
無料
・アーティストの都合により、当日急遽キャンセル、時間変更、お待ちいただく場合もございます。予めご了承ください。
・お荷物はお客様自身の責任で管理をお願いいたします。紛失・盗難・破損時において、主催者・会場は一切の責任を負いませんのでご了承下さい。
・お客様同士のトラブルには一切関与いたしません。あらかじめご了承ください。
・当日は撮影が入る可能性がございます。あらかじめご了承ください。
・イベント当日はBEATINK LISTENING SPACE定休日のため、ミート&グリード開始時刻からご入店頂けます。
・混雑の状況によっては、入場制限を行う場合があります。
リリース情報
アーティスト: caroline
タイトル: 『caroline 2』
レーベル: Rough Trade Records / Beat Records
リリース日: 発売中
収録曲:
01. Total euphoria
02. Song two
03. Tell me I never knew that (ft. Caroline Polachek)
04. When I get home
05. U R UR ONLY ACHING
06. Coldplay cover
07. Two riders down
08. Beautiful ending
09. _you never really get that far_(日本版限定ボーナストラック)
10. Before you get home from the club bathroom(日本版限定ボーナストラック)
国内盤CDにはボーナストラック2曲が追加収録され、解説書と歌詞対訳が付属する。
その他、輸入盤や各種Tシャツセットも展開中。
ライター:Tomohiro Yabe(yabori)
BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻
これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。
過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。
それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。
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Twitter:@boriboriyabori