最終更新: 2022年1月23日

東京のアンダーグラウンドシーンで活躍しているバンドには、とっつきやすくはないですが音楽、表現的な面で個性的な人、バンドが多々存在します。そういったバンドがYOUTHWAVEに対しての一つのカウンターカルチャーとなれば音楽シーンはもっと面白くなると思います。


アーティスト:平子 瑛一郎(Vo,Gt.,Key)、久津間俊平(Ba,Vo)、東 克幸(Dr)
インタビュアー:yabori

※アルバムの期間限定試聴は終了しました。多くの方に聴いて頂き、ありがとうございました。続きは彼らのアルバムを手に取って、聴いてみてください。

-バンド名の由来について教えてください。
平子:「roam」という単語にはさ迷うという意味があるので、困惑し、迷いながらも一つの答えに向かって突き進もうという意思の元、バンド名を決めました。

-結成のきっかけについて詳しく教えてください。
平子:以前のベーシストと高校時代からバンドを組んでおり、進学のタイミングで一緒に上京してきました。東京で様々な事に触れ、自分やメンバーの思っているイメージを具体的に音楽で表現したくTHE ROAMERSを結成しようと思いました。友人のバンドで活動していた東が参加し、2011年に最初の形が出来上がりました。そこから、メンバーチェンジなどを経て現在に至ります。

-どの曲も英詞で歌っていますが、どうして英詞で歌おうと思ったのでしょうか。
平子:幼少の頃からThe Rolling StonesやBob Marleyなどを父の影響でよく聞いており、自然と英詩が良いと思うようになっていました。なので英語で歌うという事に特に抵抗はありませんでした。また、thattaやThe Mammalsなど英詩で歌う先輩と一緒に切磋琢磨したいという思いもあります。あと、日本人として英語でどこまで出来るかという意地みたいなものもあります。
東:スタジオの作曲段階の鼻歌も英詩のようになっているので、もともと英詩がなじみやすい声質だったり歌い方だったするんだと思います。

-アルバムタイトル『Trifles』にはどのような意味が込められているのでしょうか。
平子:『Trifles』には他愛もないという意味があります。自らのアルバムタイトルにそれを付ける事で日本人的な謙虚さを感じられるし、また本当は我々の音楽は素晴らしいんだよ、というような暗喩的な意味も込めて名付けました。

-今作は元・フーバーオーバーの遠藤ナオキという方が手掛けているようですね。どうして彼らにプロデュースをお願いしたのでしょうか。
平子:遠藤ナオキさんは地元の先輩であり、高校のときからお世話になっています。私が最初にギターを買った楽器店の店員さんでした(笑)。 長い付き合いなので私達の求めているものをよく理解して下さっています。遠藤さんがいなければ今回のアルバムは完成しなかったですね。
東:自分達も遠藤さんの作る音なら納得出来るし、こちらの要望もすぐに形にしてくれるので本当に力になってくれてありがたかったですね。

-サウンドにこだわってレコーディングされたかと思うのですが、レコーディングの時はどのような事に気をつけようと思ったのでしょうか。
平子:The CoralとmothercoatのCDを参考にし、古臭いが音の住み分けがはっきりしているキレイな音をイメージし、制作しました。ミックスの際にはギターの音のバランスにも気をつかい、それによって曲の盛り上がりや情景などをしっかり描写できるよう考えました。
久津間:ベースに関しては、太くて丸くてあたたかいという、自分の思う良い音をイメージしました。ギターとドラムに関しても音のイメージは自然と共有できている所が多くあったと思います。
東:自分も最近のベチベチしたバスドラ、カンカンしたスネアの音にしたくなくて、丸みのある音作りを研究しました。

-ガレージロックを基調としたサウンドだと思うのですが、リトル・バーリーの1stアルバム『We are Little Barrie』にあったようなソウルのエッセンスを感じます。ブラックミュージックからの影響は強いと思いますが、どのような部分で意識しているのでしょうか。
久津間:土っぽい雰囲気を意識していますね。リズムの組み立て方に関しては、The WailersのBarrett兄弟やLed Zeppelinのボンゾとジョンジー、ティン・パン・アレーの林立夫さんと細野晴臣さんなど、ブラックミュージックから直にというよりはブラックミュージックから音楽を学んだ音楽家からルーツを研究する事が多いと思います。
東:自分もリズムという点で強く影響を受けています。三連符の最後の一音をすごいためるところとか。こだわりすぎて自分の手癖になってしまっていますね。
平子:山下達郎さんなどのオールディーズやブラックミュージックに影響を受けた日本のミュージシャンからも影響を受けています。「パレード」や「DOWNTOWN」など、その無駄のない洗練された楽曲から強く影響を受けています。

-自主企画“RakugoDochu”では、どの回にも面白いアーティストが出ていますね。出演バンドはどのような基準で選んでいるのでしょうか。
平子:ライブを見てカッコいいと思ったバンドに声をかけさせてもらっています。また、その回の雰囲気に合っているか、でも少し選ばせてもらっています。thattaの「GJ」というイベントのような良いバンドが集まる洗練されたイベントでありたいと思っています。

-また“RakugoDochu(落伍道中)”というイベントタイトルには、「音楽を求めてある意味でどうしようもない人間になっていく、そんな様を体現出来るようなイベントにしたい」とおっしゃっていましたが、どうしてこういうコンセプトに行き着いたのでしょうか。
平子:単純にそういうアーティスト、芸術家が好きだからです。全てをかけてステージに立てる人間は圧倒的だと思わせられます。そして、私達も常にそうありたいです。
東:ライブはバッチリ決まっているのに終演後、お酒を飲んでグダグダになっているバンドを見てあこがれた感じです(笑)。あと、日本語でも表記出来るという点でも考えました。日本語の独特な響きが他に無いかなと思って。

“YOUTHWAVE”に対して、自分たちも何か新しい流れを作りたいとおっしゃっていましたが、どういう流れを作りたいと思っているか教えてください。
平子:YOUTHWAVEにはオシャレでヒップなバンドが多いかと思います。そういったバンドと比べると私達の音楽はもっと生々しく泥臭いものだと思います。東京のアンダーグラウンドシーンで活躍しているバンドには、とっつきやすくはないですが音楽、表現的な面で個性的な人、バンドが多々存在します。そういったバンドがYOUTHWAVEに対しての一つのカウンターカルチャーとなれば音楽シーンはもっと面白くなると思います。願わくば我々がその先鞭をつけられればと思っています。
東:YOUTHWAVEに対してというのとは少し違うのですが、日本という国にライブハウスという文化があまり当てはまってないんじゃないかと感じています。生演奏やDJがある場所で楽しくお酒を飲むという文化があまり根付いてない気がしています。根底から変えなければならないかもしれないのですがライブハウスが好き、楽しいと思える人を増やす流れを作ったり意識したいと思っています。
久津間:サウンドのイメージやファッションなど、YOUTHWAVEと同じ項目で比較した時に対になるような、リスナーの選択肢を増やして色んな音楽を聴くきっかけになる音楽や流れをつくれればと思っています。

-バンドスタイルや音楽のルーツとなっているアーティストを教えてください。
平子:最近強く意識しているのはcold war kidsです。曲だけでなくアートワークやライブパフォーマンスなど、絶妙なバランスで一般的なロックのイメージとかけ離れたところでカッコいいものを作れている彼らの想像力はすごいと思います。
久津間:はっぴいえんどやはちみつぱい、歌謡曲など外国の音楽を日本的に消化した音楽がルーツにあると思っています。
東:ジャンルだとオールディーズやブルースなどが好きです。影響を受けた人は日本人だと細野晴臣さん、海外だとDavid Bowieから特に影響を受けました。他にあがた森魚さんや吉井和哉さんなどの歌詞に特徴のある日本の方々も好きです。

-これからどんなバンドになっていきたいと思いますか?
平子:想像力のあるバンドであり、バンドを運営する資金についても考えるという部分でも、貪欲であるバンドでありたいと思います。昨今の音楽業界の不況を聞いているとmothercoatのようなDIYな姿勢の重要性を感じさせられます。
東:ライブハウスシーンの微妙な変化や機微に敏感なバンドでありたいです。馴れ合いや惰性でライブハウスに存在するのではなく、ときには主流の色にある程度自分達を染める事も重要だと思います。そのためにはさらに我々に力が必要だと思っています。
久津間:聴いてくれた人が自分の祖父母くらいの年齢になってもつい聴いてしまうという、味噌汁や漬け物のような存在になれればと思っています。

-このアルバムをどのような人に聴いてほしいと思いますか?
平子:今回のCDのラフを聴いた時点でこれなら音楽をあまり聴かない一般の人への訴求力もあると思いました。だが、率直に言えば今のシーンにいるお客さんやバンドマン、関係者に聴いてほしい。そして、ライブに来てほしい。
東:年齢、性別、国籍を問わず様々な人に聴いていただきたいです。ヒット曲しか聴かないような人にも聴いてほしい。だけどそれを現実にするには我々の、引いてはライブハウスシーンのさらなる努力が必要だと思う。
久津間:同年代のリスナーや音楽好きはもちろんの事、その人の両親や祖父母等の上の世代の方や何となく流れている音を聴いている自分達より下の世代にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

『Trifles』
2015.4.25 RELEASE

【Live】
2015/5/22(Fri.)北堀江club vijon
THE ROAMERS × vijon presents「edge」
Act:THE ROAMERS/シンデレラ・リバティズ/SUMMER BABES/リツコ/CHECHE and more…
DJ:サカグチマナブ
open/start TBA
adv¥2,000/door¥2,500(+1drink)

「Trifles」Release Party Tour
2015/5/22(Fri.)北堀江club vijon
2015/6/12(Fri.)新宿JAM
2015/7/10(Fri.)渋谷rubyroom
and more…

「Trifles」Release Party Tour Final
2015/9/11(Fri.)原宿ASTRO HALL

【Live Event】BELONG Magazine Presents “Make It Scene Vol.1”

イベントフライヤー(640)

2015.05.23 (sat)@LIVE SPACE CONPASS (心斎橋コンパス)
Live:DENIMS/The Foglands/NOWEARMAN/THE PINBALLS

【Present】
51e9b0429ab4d534516f5ad3bdf53dd6

BELONG Web Storeにて当イベントのチケットを購入して頂いた、
先着100名様限定でオリジナルチケットと全出演バンドのサイン入りポストカードを
後日郵送にてプレゼントいたします。詳しくはこちら