最終更新: 2025年8月11日

“四六時中、みんなに聴いてほしい”—DYGLのメンバーがそう語る5thアルバム『Who’s in the House?』は、バンドにとって特別な意味を持つ作品だ。

嘉本がエフェクターを忘れたという偶然から始まったセッションの生々しさをそのまま作品に落とし込んだ一発録りアルバムは、どのように生まれたのか?

BELONGのライター・まりりんとは2016年以来の再会となったメンバー全員インタビューでは、バンドの音楽的変遷と新作への想いを深く掘り下げる。

貴重なライブ写真と共にお送りする今回のインタビューは4ページにわたる前編で、後編は9月11日(木)の公開を予定しているので、BELONGのSNSアカウントをフォローし、最新情報をチェックして欲しい!

アーティスト:秋山信樹下中洋介加地洋太朗嘉本康平鈴木健人 インタビュアー:まりりん

再会と新作への道のり

撮影:Yukitaka Amemiya
-まりりん:改めてよろしくお願いします。私はもともと大学在学中にBELONG Mediaを手伝っていて、2016年頃にDYGLと、Ykiki Beatの方にもインタビューさせていただいた経緯があります。その後メジャーレーベルに入社し、退社後にまたBELONG Mediaに戻ってきました。

下中洋介:ライブハウスでよくお会いしていましたね。

-まりりん:よくお会いしていました。その後もDYGLのライブはずっと拝見しています。2016年の取材から10年近く経ちますが、今もこうして第一線で活動されているのがとても嬉しいです。今回は8月に5枚目のアルバム『Who’s in the House?』をリリースされるということで、アルバムについて詳しくお伺いしていきたいと思います。今年2月から定期的に配信されているシングルは、全てこのアルバムに収録されるという認識で合っていますか?

加地洋太朗:そうですね。

セッションから始まった楽曲制作

撮影:Yukitaka Amemiya
-まりりん:アルバムの楽曲制作はいつ頃から始まったのでしょうか?

下中:りんご音楽祭の1ヶ月前なので、去年の8月頃ですね。

秋山信樹:明確にきっかけとなった日があるんです。最初はアルバムを作ろうとはしていなくて、セッションをしていたら突然たくさんの曲ができた日があったんです。それからしばらくセッションを続ける中で膨大な数の曲の卵ができたので、”これを丸ごとりんご音楽祭でやってしまおう”という話になって。8月から9月の1ヶ月間でかなりの量を作ったんですけど、それが最終的に今回のアルバムの原型になりましたね。

-まりりん:そのセッションが、今回のレコーディングの大きな特徴である”メトロノームなしの一発録り”に繋がったんですね。最初から一発録りでアルバムを作ろうと決めていたわけではなく、セッションの感触が良かったから、その空気感をそのままレコーディングしたい、と。

秋山:そうですね。レコーディングの仕方も、曲を作りながら自然とそうなりました。最初はアルバムを想定していなかったので、それをどういう風にまとめるかという点で時間がかかりました。セッションで生まれた曲のたまごたちも、曲数にして30〜40曲はあったと思います。

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