最終更新: 2025年7月20日
最近、BELONGスタッフの桃井が仕事で子供向けのダンス教室に参加する機会があったそうだ。
普段、K-POPを聴くことはないのだが、練習曲となったのはBTS「Dynamite」とROSÉ(Blackpink) & Bruno Mars「APT.」だったそうで、腰を痛めながらも楽しく踊ってきたとのこと😂
本人が言うには”自然と体が動く”というものだったが、この話を聞いて、K-POPもキリスト教の二大巨頭であるプロテスタントとカトリックという文化的背景から読み解けないかと考えた。
先日公開した連載第1回では、日本のバンド・メコンのインタビューの内容からアメリカとヨーロッパの音楽の”質感”の違いについて取り上げた。
前回はRed Hot Chili Peppersの肉体的なファンクネスにプロテスタント的な”個”の衝動の一方で、Radioheadの構築的な美しさにカトリック的な”共同体”の荘厳さを見出すという内容で解説している。
この視点は、多くのバンドマンや音楽ファンから予想以上の反響をもらった。
K-POPはなぜアメリカで受け入れられたのか
テキスト:Tomohiro Yabe 使用ツール:Claude、Manus、Gemini 校正・編集:Tomohiro Yabe
話を戻すとK-POP、特にBTSはビルボードチャートを席巻し、グラミー賞にもノミネートするところまで来ている。
彼らの成功は、アジアの音楽が成し遂げた前例のない快挙である。
一見、K-POPの洗練されたビジュアルやパフォーマンスと、西洋の宗教文化は無関係に見える。
彼らと日本の音楽の違いとは何だろうか?
仮に英語が堪能で音楽もK-POPと同じ水準になれば、日本のアーティストも同じくらい活躍できるのだろうか?
しかし、もし、K-POPの躍進の背景に、音楽以外の文化的な背景にある”何か”が隠されているとしたら?
韓国に占めるキリスト教の割合

この問いを探る旅に出る前に、一つの興味深いデータを見てほしい。
2018年時点で韓国の人口に占めるキリスト教徒の割合は、約30%(27.6%)である。
その中でもプロテスタントが約20%(19.7%)を占め、カトリック約10%(7.9%)を大きく上回る、アジアでも有数のキリスト教国なのである。
この事実は、私たちのK-POPに対する見方を根底から揺さぶる。
出典:映画を通してみる韓国人の宗教観 -韓国キリスト教会におけるカリスマ運動を中心に-(立命館大学土曜講座)
プロテスタントが多数派の韓国

なぜ韓国ではプロテスタントが多数派なのか?
そして、その文化的土壌が、K-POPがアメリカの巨大な音楽マーケットに受け入れられる上で、決定的な役割を果たしたのではないか?
これは、K-POPの成功を単なるマーケティング戦略や音楽性だけで成功したのではなく、その背後にある文化的な”共鳴”を探る試みである。
また、前回も書いたことであるが、大事なことなのでもう一度記載しておきたい。
これは決して宗教の優劣や歴史認識を論じるものではない。特定の信仰を推奨したり、ましてや批判したりする意図は毛頭ない。
あくまで、私たちが愛する音楽という表現を形作る一つの重要な”パーツ”として、キリスト教文化や韓国における歴史・宗教がどう作用してきたのか。そのルーツを探るというものである。
K-POPがビルボードで受け入れられたという事実は、プロを目指す日本のインディーバンドや音楽家にとって、自分たちの音楽を世界に届けるための、重要なヒントになるはずだ。
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有料部分では、K-POPがアメリカのメインカルチャーに深く浸透した背景にある、韓国プロテスタントの歴史的・文化背景について、詳しく紹介する。
なぜ彼らの”祈り”の形が、アメリカに受け入れられたのか。
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あなたの音楽が、国境を越えるための決定的な”鍵”が、ここにあるかもしれない。