最終更新: 2020年5月10日
フジロックもようやく第2弾アーティストを発表したところで、今年ぜひとも日本に来てほしいインディ・ロック・バンドと出会うことができた。
Oh MY!というそのバンドは、スウェーデン北部スンツヴァルで結成、ストックホルムで活動をしている5人組だ。
目次
『SLOW MOVES』
日本先行でリリースされた本作『Slow moves』は、彼らのファースト・アルバムにもかかわらず、早くもタワーレコードのレコメンド入りし、
渋谷店ROCK/POPチャートは7位と出だしも注目度もバッチリ。そんな彼らのサウンドは、「北欧のThe Strokes」と捉えられている。
確かに、一曲目「Just Go」は『Is This It』な王道ガレージ感と、『Comedown Machine』の伸びやかな音作りがほどよく混ざったサウンドであるし、
ヴォーカルはジュリアン・カサブランカスにも負けない色っぽさを秘めている。
そのイントロが鳴り出した瞬間から、インディ・ロック好きのアンテナがビビビと反応してやまなかったのは私だけではないはずだ。
他にも、travis「Moving」ばりのクリーンでセンチメンタルな空気感を持つ「Oh Why」や、「Long Time Ago」なんて爽快なカッティングが日産あたりの車のCMっぽくて気持ちよい。
OH MY!はStrokesはもちろん、VAMPIRE WEEKENDやTHE WALKMENからの影響を公言している。
そして直接的ではないが、同じくスウェーデン出身であるCloudberry Jamからのエッセンスもなんとなく感じられるあたり、
母国愛とでもいうのだろうか、他国ミュージシャンからの影響も最終的にはスウェディッシュ・ミュージックとして昇華できていて面白い。
日本盤はボーナス・トラックを4曲収録した全15曲。
ボリューミーなだけではなく、これからエレクトロやガレージ、さらにはポップスにも、どのジャンルにでも渡っていけるような視野の広いアルバムだと思う。
ただその視野の広さゆえに、どの曲も似たカラーになりがちだ。全体的に平坦な印象を受けてしまうのはやや残念なところ。
次回作では、アルバムの中でも頭一つ抜けたキラー・チューンが聴いてみたい!
とはいえ本作は100sでいえば『OZ』のような、現状ベスト盤ともいえるアルバムである。
ファーストにしてベストのようなこの到達点は早熟だと思うし、埋もれてしまうにはもったいないくらいスタイリッシュで好きだ。
Strokes、Phoenix、VAMPIRE WEEKEND好きは必ずチェックしてほしいバンド。早くライヴで観てみたい! きっとフェスにも良く似合うはず。(梶原綾乃)
リリース
OH MY!『SLOW MOVES』
発売日: 2013/12/18
レーベル: RIMEOUT RECORDINGS
収録曲:
1. Just Go
2. Go With You
3. Scary Conversation
4. Slow Moves
5. Long Time Ago
6. Oh Why
7. People
8. I I Did
9. Listen
10. Far Too Kind
11. Out Of Luck
12. I Know You *
13. Fifteen Minutes *
14. Twenty One *
15. Time Will Tell *
* Bonus Track For Japan Only
プロフィール
“北欧のTHE STROKESか、ネクストPHOENIXか?! MANDO DIAOやSHOUT OUT LOUDSのプロデューサーに見出だされた、スウェーデンのインディー・ロック・シーンの次世代を担う超大型新人バンド。
絶え間無くハイクオリティなアーティストを輩出し続けるスウェーデンのインディー・シーンから「真打ち」と呼ぶにふさわしいニューカマーが世界に先駆けて日本デビューを果たします!OH MY!は2008年にスウェーデン北部のスンツヴァルで結成され、現在は首都ストックホルムをベースに活動している5人組バンド。THE WANNADIESを輩出したA WEST SIDE FABRICATIONからシングルをリリースするや否や話題爆発! 現地ではメジャー・レーベルが争奪戦を繰り広げる程、「ブレイク間違い無しの超有望新人バンド」として注目されています!”
Youtube
OH MY!「Go With You」
OH MY! – People
OH MY! – “Slow Moves”