今まではどこか避けていた表現方法にもトライしてみて、結果面白いものが生まれた気がしています。

アーティスト:佐藤(Vo.、Gt.) インタビュアー:桃井 かおる子

-アルバムタイトルを直訳すると『模造の世界・驚異の世界』となりますが、なぜこの二つの言葉をタイトルに使ったのですか?
佐藤:例えこの世界が色々なまやかしで出来ているとしても、感じ方ひとつですばらしい所だと思えるはず。『フェイクワールドワンダーランド』というタイトルには、そんな意味合いが込められています。

-先行シングル「東京」をはじめ、恋愛をテーマにした楽曲が多く、アルバム全体をとして短編集の一冊の少女マンガを読んでいるようでした。どのようなコンセプトでこの作品を作られたのでしょうか?
実際のところ、”恋愛”というもの自体がテーマになっている楽曲は1曲もありません。人との出逢い、喜び、希望、心の揺らぎ、別れや、悲しみ、諦め、アルバム全体を通してそういった人間らしい感情を描いています。口ずさみたくなるようなメロディーを意識しながら、等身大の言葉を選んでアプローチしました。

-歌詞に注目してこの作品を聴くと、前半は比較的に大人っぽい内容やダークな曲が目立ち、後半は前向きで若々しい印象を受けました。さらに前半と後半で、佐藤さんの歌い方や声の出し方も違いますよね。アルバムの前半と後半で内容や雰囲気を変えているのはなぜですか?
受け取り方は千差万別ですね。色んな人がいると思います。曲順に関しては、いつも全ての楽曲を録りおわってから並べます。基本的に、聴いていてハッとしたり、ジーンときたり、という感覚を大事にしているので、ニュートラルな感覚で純粋にサウンドから曲順を導き出します。楽曲制作のときの展開を練る作業に非常に似ています。感覚で作り、そこから頭で整頓していく作業です。試行錯誤でしたが、今回も曲に導かれて順番を決めました。

-収録曲中に雰囲気の全く違うインスト曲が2曲、6曲目の『あるゆえ』を間に挟むようにして収録されています。インストの曲がアルバムの最後辺りに来ることはよくあると思いますし、何より、きのこ帝国が作品中にインスト曲を使用されるのはとても珍しいと思います。なぜ今回インスト曲を入れられたのか、どうしてこの順番にしたのかを教えて下さい。
「あるゆえ」は個人的に少し異質な楽曲だと思っていて、インストはその前後でスイッチを切り替える役目を果たしているかと思います。

【BELONG Magazine Vol.10にきのこ帝国のインタビューを掲載】
配布先はこちら  購入はこちら
Vol.10-表紙

-ゆったりしたメロディーやアッパーチューンなど、今回のアルバムはリズム感が非常に多彩な作品に仕上げられていると思います。以前ナタリーのインタビューで、制作過程でテンポにはいつも悩んでいるという内容のお話しをされていますが、今作で特にテンポなどに悩んだ曲はありますか?
クロノスタシスです。気持ち良く聴けるようにするため、実はブロックごとにBPMを変えていたりします。

-(上記の質問に関して)2曲目に収録されている「クロノスタシス」はレゲエやヒップホップの要素を含んでいて、今までのきのこ帝国にはない新しい一面を見せていると思います。なぜこのようなリズムの曲に仕上げたのですか?
”仕上げた”というよりも、元々、宅録デモの段階でそういった遺伝子を持っている曲でした。デモでは簡単な打ち込みを使用し、ギターなどのうわものは音数を極力シンプルにして、歌とコーラスをのせました。そこには、リズム隊のグルーヴと歌メロを打ち出した曲にしたいという明確なイメージがありました。

-この曲に関しまして、歌詞にある〈BPM83〉とはどのくらいの速さを意味しているのですか?
この曲の1サビのBPMが83になってます。厳密に言うともう少し細かい数字なのですが、楽しくて、帰るのが惜しい気持ちでゆっくりと歩いている、そんな感じの速さです。

-最後に収録されている「Telepathy/Overdrive」についてですが、歌詞の中でも「馬鹿な僕たちだから手は繋いだままで」とあるように、今のきのこ帝国のスタンスなどを表現しているように感じました。この曲に込めた思いなどがあれば聞かせてほしいです。
プライベートのひとこまを切り取った曲です。2年ほど前でしょうか。あの頃の気持ちは今でも鮮明に蘇ります。聴く人の自由な解釈で聴いてほしいと思います。

-例えばART-SCHOOLの木下 理樹さんなど、【今10代に聴いてほしいアーティスト】にきのこ帝国の名前を挙げている方が増えています。今作は過去の作品と比較すると、とてもキャッチーでポップな仕上がりになっていると思うのですが、制作過程でそのようなことも意識されましたか?
意識しました。今まではどこか避けていた表現方法にもトライしてみて、結果面白いものが生まれた気がしています。

-今回このアルバムを作る上で、ヒントなどを得たアーティストやアルバムがあれば教えて下さい。
アカシックという人たち。バンドなんですけど、自分は良い意味でバンドらしからぬグループだと思ってます。曲が良くて、とても刺激を受けました。

-ミュージックビデオの話になるのですが、以前「ユーリカ」のPVの監督に映画監督の豊田 利晃氏を起用するなど、きのこ帝国は映像面でも力を入れられてますよね。先行シングルの「東京」では、女優の臼田 あさみさんが出演されていますが、なぜ彼女を起用したのですか?
透明感がありつつも、表情ひとつでは単純に感情を読み取れない複雑そうなパーソナリティに惹かれました。幸せな側面だけではなく、その裏側に潜む不安や悲しみなどが映像としても表現できたのではないかと思います。

『フェイクワールドワンダーランド』
91XvmZR0OAL._SL1500_

【きのこ帝国のインタビューを掲載】
BELONG Magazine Vol.10(Door To The Rock~ロックへの扉~)
配布先はこちら
購入はこちら
Web Storeで購入して頂いた先着300名様には、THE NOVEMBERSのサイン入りポストカードをプレゼント致します。
Vol.10-表紙

1件のコメント

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中