最終更新: 2014年12月4日

僕たちはコンセプトを持ってアルバムをつくってはないんだ。曲同士のつながりから構成されていて、影響しあっていたり、何曲かについてのアイデアがアルバム全体に広がったりっていう感じ。

アーティスト:Joe Newman(Vo./Gt.) インタビュアー:Yada Mayumi 翻訳:Yada Mayumi

-ニューアルバムを聴きました。これまで以上にボーダーレスに様々なジャンルの音楽を臆することなく取り入れた、非常に実験的かつ完成された非常に美しい作品だと思いました。このアルバムのテーマや目指したものについて教えてください。
Joe:僕たちはコンセプトをもってつくってはないんだ。それが真実だね。曲同士のつながりから構成されていて、曲同士が影響しあっていたり、何曲かについてのアイデアがアルバム全体に広がったりっていう感じ。例えば「Nara」は「This is all yours」と同じ曲から派生した一部ではあるけども、全体をつなげてる物語とかアルバム全体を通してのコンセプトはないんだ。もし聴き手が何かコンセプトを見出したならそれは興味深いし、それぞれの解釈を聞くのは好きだよ。

-今回のアルバムのジャケットは非常に芸術的で現代アートの絵画のようですが、このジャケットで表現したかったものは何ですか。
この絵はトムのスケッチブックで見つけたものなんだ。これはトムが何か別の目的のために色のテストをしてた時のもので、長年スケッチブックの中にあって日の目を見ることがなかったんだけど、僕たちはみんなこれを気に入って、ビジュアル的にインパクトもあるしアルバムの主旨にも合ってると思ったんだよね。だから1人のクリエイターのその瞬間の思いつきからきたもの以上の意味は特に求めてないね。

-今作でもピアノ、管楽器、シンセ等いろんな種類の音を使われていて、どの曲でもそれらの音が複雑に絡みあっていますよね。それぞれの楽曲は長い時間をかけて作られているのではと想像しますが、曲作りはどのように行っているのですか?
曲はみんなそれぞれの生まれ方をしてるから、かかった時間もそれぞれ違うね。曲作りは僕がまずギター1本でざっくりしたメロディーや流れや構造や歌詞を考えて、それをバンドに共有して他のパートを一緒に考えてから、レコーディングの前に余計なものを削ぎ落としたり調整していく感じかな。

-アルバムの最初の方で「arrival in nara」、「nara」、そして終盤で「leaving nara」が収録されておりアルバムの核になっているようですね。「nara」は日本の奈良と聞いており、「nara」は奈良の鹿から着想を得てできたものと聞いていますが、この3曲ができた背景とこのアルバムで果たしている役割について教えてください。
この3曲は「arival in nara」の2番目の部分で使われてるひとつのコードから派生したものなんだ。このコードから曲のつくりや連鎖反応が起こっていろんな材料が手元に集まり長い時間をかけて歌詞やリフやメロディを煮詰めてやっと全部をつなげることができた。この3曲はアルバムの中の節目でもあるしつなげる役割もしてるね。だけど奈良にはまだ行ったことがなくて…行くのが待ちきれないよ!

-これまでのものも含め、今作からの曲もあなた達のPVはとても美しく詩的ですね。みなさんは音楽のみならず、映画、本、アートなど全般がお好きと聞いていますが、やはりPVの制作にも深く関わっているのでしょうか。
最近のミュージックビデオはだいたい僕のアイディアをベースとしてる。ビデオはなるべくシンプルかつバンドメンバーが出ない方がいいと思ってるよ。バンドが出てるビデオなんて観てるのも退屈だし映画的に面白くないんだから、監督にとっても無駄な時間だよね。僕の場合は監督と話し合って、そこから撮影にも同行することがよくあるんだ。自分で監督できたらって段々思い始めてるんだ。たぶんね。

-実は個人的に映画「世界に1つのプレイブック(Silver linings playbook)」であなた達が提供した”Buffalo”が非常に好きで、もちろんこの映画自体も大好きなのですが曲を提供した経緯について教えてもらえますか。
あの曲は映画のずっと前からつくってた曲だよ。彼らが曲を聴いてシーンにぴったりくるってすごく気に入ってくれてそれで僕も話にのったんだ。

-日本へもフジロックを初め、何度か来られてライブをされてきたかと思いますが、日本のオーディエンスの印象はどうですか?
素晴らしいね。またすぐにでも会いたいよ。ライブで踊ってほしいな!

『This Is All Yours’』

単独来日公演決定!

2015年1月13日(火)
東京 TSUTAYA O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
http://www.creativeman.co.jp/artist/2015/01altj/