最終更新: 2020年5月16日
10.The fin. – Days With Uncertainty
日本人でありながらどこまでも洋楽に近づこうとする彼らの現在地を示すアルバム。傑作であったデビューEPよりも立体感のあるシンセサイザーの音像が実にクールである。
9.Jungle – Jungle
ブラックミュージックを現代的に洗練させたJungleの1stアルバムは、新人とは思えないほどの風格と一撃必殺の名曲「Busy Earnin’」の裏側から透けて見えるような余裕(渾身のドヤ顔)を兼ね備えた破格のデビューアルバムとなった。
8.Foster the People – Supermodel
1stアルバムのリリース時は何だかチャラいバンドだなと思っていたのが、「Coming of Age」のPVを見て本気で後悔してしまった。なんてかっこいいんだ・・・と。ここまで王道感のあるバンドになるとは全く思っていなかったので、嬉しい驚きである。
7.Julian Casablancas + The Voids – Tyranny
最初は全く意味不明だった本作であるが、聴くにつれてこのアルバムは現代から不要だと切り捨てられたビートを拾い集めて、繋ぎ合わせたアルバムなんだなと思った。その瞬間からひょっとしたらとんでもない作品なのではという実感が沸いてきた。何よりここまで大胆にサウンドを変える勇気のあるミュージシャンなんてなかなかいないだろう。
6.Yogee New Waves – PARAISO
2014年、都市に住む若者の心を掴んで離さなかった音楽は?と聴かれたら、この『PARAISO』の右に出るものはないだろう。ボーカル、角舘の書く歌詞は都市の息苦しさからの逃避とそれでもここで生きて行くという心模様を描いているようで、それを淡いサイケポップで包んでいく・・・。これほどチルアウトできる音楽は他にはない。
5.くるり – THE PIER
前作『坩堝の電圧』はとびきりの名盤だったので、今回はどうなんだろうと思っていたが、前回よりも素晴らしい内容。リリース前に変な曲と騒がれていた「Liberty&Gravity」がこんなにアルバムの中で順応するとは・・・。シンプルさと曲順の妙味のある作品。
4.Gotch – Can’t Be Forever Young
アジカンとは全く異なるアウトプットで作られた、『Can’t Be Forever Young』はフォークあり、オルタナティブロックあり、彼のルーツがいくつも散りばめられている。だが何といっても、チル・ウェイブを通過した音像の「Great Escape from Reality」がこのアルバムの最大のハイライト。過去の音楽と現在の音楽が交差するこの作品は、現代の音楽家として理想的なスタイルなのではないだろうか。
3.the HIATUS – Keeper Of The Flame
ライブのMCで収録曲「Waiting For The Sun」を思いついた時、暗闇の砂漠を旅していて太陽が昇った神々しさを曲にしたと細美さんが言っていて、妙に納得した覚えがある。確かにこのアルバムには神がかった瞬間がいくつも記録されている。
2.OGRE YOU ASSHOLE – ペーパークラフト
メロウだった前作とは異なり、独自の音世界を極限まで追求した『ペーパークラフト』の恐ろしさたるや。その音はまるでオチのないシュールな映像作品のバックで流れてるようなもの。まるで子供のころに見たウルトラQ(昔見てトラウマになった)のオープニングテーマのように。根源的な記憶を思い出させるほど、心をかき乱される強烈なアルバム。
1.The Kooks – Listen
ヒップホップに片足を突っ込んだ先行曲「Down」が発表された時は、ルーク大丈夫?と心配したものだが、蓋を開けてみればブラックミュージックという、今まで小出しにしていた彼らのルーツを王道感のあるサウンドに落とし込んだ内容で安心した。だが安心というよりむしろ、ヒップ・ホップ畑のプロデューサーである“inflo”と一枚のアルバムを作り上げたという彼らの音楽的な冒険心に感服した一枚。