前作EP『Homecoming with me?』は本当にわくわくした。彼らと同世代の20代前半の筆者にとってはNHK教育「天才てれびくん」の音楽コーナーで初めて洋楽に触れた時の新鮮さと日本人的英語発音、アノラックの愛らしさ、京都精華大独特ののびのびやんちゃしている雰囲気。聴いているこちらがいいなぁ~と羨ましくなっちゃう音楽だった。しかし革新的というよりは定型的なギターポップバンドの延長線上にあり、京都の内々に収まらないもっと突き抜けたものを求めている部分もあった。

そこからのリリース「I Want You Back」と平賀さち枝との「白い光の朝に」ではフォーキーな曲展開、琴線をこそばすフックのあるメロディ、3声のコーラスに磨きがかかり、“ホムカミらしさ”を突き詰めた器用なバンドに進化を遂げてきた。

そんな中クリスマスイブに届けられた1stアルバムはこれまでの彼らの軌跡を一旦総括するような全曲十八番と呼べるポップ作品となっている。ここで目指したのはペラペラでキラキラしたギター、靄がかったサウンド、拙いボーカルなど、いわゆるインディーロック“的”なこれまで彼らの良さとして形容されていたものからの脱却だ。畳野彩加(Vo,G)の声は冬空に寂しくもスコーンと突き抜けるような安定性を見せつつあどけなさのみを残し、彼らの愛らしさを象徴するアイドル性・カリスマ性を持ったボーカリストに開花。福富優樹(G)が紡ぐ楽曲は多様性を増し、曲構成とコーラスの妙で徐々に高揚してくる「Paper Town」や、ブラー・オアシスに引けを取らない爽快なロックアンセム「Ghost World」などはホール級のステージでも映える強力な曲だ。これは平賀さち枝とのコラボや盟友Hi,How are youを始め、シャムキャッツ、Yogee New Wavesなど日本インディーシーンのメロディメーカーである同胞たちとの交流から生まれた成果であろう。

京都のやんちゃガールズ&ボーイからロックバンドのシンデレラストーリーが見えてくる幸せな一枚。

【Writer】峯大貴(@mine_cism)

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