【Vol.11特集：“VINYL PEOPLE”】Charaが語るヴァイナル

最終更新： 2022年1月23日

アーティスト：Chara　インタビュアー：ohamu　撮影：MASAHIRO ARITA

－今作をどうしてヴァイナルでリリースしようと思ったのでしょうか。
Chara：自分でもアナログをちゃんと聴くようになったから、欲しいと思って。あと違うジャケットでやってもかわいいし。

－ヴァイナルの魅力について教えてください。
大人になったらお金の自由がきくけど、昔は1枚買ったらそれを何回も聴くっていう感じだった（笑）。自分で針を落として裏返して、何回も聴くっていうのがすごく愛着が湧くというか。それで聴きこんでライブに行くこともあったし。そういう急がない時間の使い方が贅沢だと思うし。今だったら小さい携帯とかでもいい音で聴けるんですけど、聴くぞっていう姿勢でお気に入りを聴くのはすごく贅沢。そんな風にして作った音楽を聴いていただけるっていうのは嬉しい。あと人が集まる場所だと、この曲の後にこれだねっていうのを共有できるのはいいなって思います。

－ヴァイナルは最近息を吹き返したと言われています。どうして今、アナログが注目されていると思いますか？
私の世代だと昔懐かしい部分と、聴き込んでいた気持ちを知っているから。あとはジャケットの価値感とか、アートワークの楽しみ方もあると思う。いいものを知りたいっていう、オタク度が高いっていうのもあるのかもしれないけど。

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－ヴァイナルにまつわるエピソードがあれば教えてください。
初めて買ったアルバムって思い出せないんだけど。昔は街に1件はレコード屋さんがあったんです。私も学校帰りに地元のレコード屋さんに行って、今みたいにアプリでShazamとかないからお店のおじさんに曲を説明して一緒に探してもらったり（笑）。最初は田原俊彦の「恋=DO!(恋はDO!)」と洋楽のシングルの曲をどっちを買おうか悩んで、結局洋楽の方を買った気がする。当時は歌謡曲と洋楽のディスコの曲が一緒に並んでたりしてたんですよね、その夜のヒットスタジオ感が私の中ではすごく面白かった。

－普段どのように音楽を聴いていますか？またレコードを聴きたいと思う瞬間はありますか？
普段はそんなにレコード屋さんに行かないんですけど、ネットで買ったり、探してるものを知人が送ってくれたりしますね。聴くのはゆっくり音楽を聴きたいなっていう時。レコーディングにこだわって録ってるものもあるけど、そうではなくてファッション的に出しているのも、カオス感があって個性的でいいなと思うし。自分の中のミュージシャンとしての音へのこだわりとか、純粋にいいなと思えるかどうかを確認できるっていう意味でも、感性の活性化みたいなものにはなると思うんですよね。

－Charaの世代はレコードからCDに切り替わった世代だと思います。リアルタイムでどちらのメディアも体験した事で、感じたそれぞれの良さについて教えてください。
アナログはA面、B面に分けて45分くらいの中で伝えたいことを表現していく感じ。あとは大きいところですよね、ビジュアルから入ってくるし。CDは小さいから置き場所に便利とかはあるかもしれないけど、車とかにそのまま入れられたり。それとCDの方が保存方法が楽かな。アナログはカビが生えやすかったり熱に弱かったり、繊細だから大事にしなきゃっていうのもありますね。