「知らねぇよ」すら言われない、何もかもなかったことにするような雰囲気に負けたくない。引っかき傷でもいいから、世の中に爪痕を残したいなって思います。単純に聴いて欲しいっていうのもありますね。

アーティスト:後藤正文(Vo.,Gt)、喜多建介(Gt,Vo.)、山田貴洋(Ba)、伊地知潔(Dr) インタビュアー:yabori

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-「Easter」は復活祭という意味ですが、この曲に込められた意味について教えてください。
後藤:歌詞が「どうするの?」みたいな内容じゃないですか。イースターって実際、欧米では祝日なんですよね。深刻な曲にそういうタイトルも良いんじゃないかなと思って。基本的には、祭典とまではいかなくても、今一度何かを取り戻すようなタイミングがくるといいなと思っていて。皮肉っぽい歌詞を書きながらもポジティブなことを願ってはいるんですよ。

-この曲はコーラスで“Ghosttown”と何度も繰り返している所が印象的です。
後藤:これは皮肉ですよね。もっといろんなところに活力があるといいんじゃないかなって思います、社会とか世の中とかね。聴いた人に考えて欲しいっていうのもあるんですけど。

-歌詞のテーマも生きながら燃え尽きることについて歌っているように思うのですが、被災からの復活を願っている曲のようにも思います。実際、この曲にはどのような意味が込められているのでしょうか。
後藤:震災への想いは、直接的には込めてなくて、僕がイメージする東京や、都市生活者に対する皮肉ですね。物欲が屹立したような街でしょう、東京って。高層ビルって、僕らの欲望をそのまま映してるようにしか見えなくて。東京はある種ゴーストタウンの様に見えることもあるんです、煌々と光っている街が。だけど文化的に見たら、更地なんじゃないんですか、っていう皮肉も込めつつ。

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-そういうのがあって考えさせるような歌詞にされたのでしょうか?
後藤:こういうことを歌っている時は、考えてほしいときですね(笑)。古川日出男さんがインタビューで「文学の役目は立ち止まってもらうためにあるんだ」って仰っていて。放っておけばサッと流れていくようなものに対して一石を投じるというか、あれって何だろうって思わせるものでありたいです。かつ、ひたすら気持ちの良いものであったらいいなと思います。アンビバレントな方がいいと思うんです。引き裂かれていた方がいいなって。特にこういうビートの速いロックだと。しみじみ聴いてもらうような曲でもないし。

-アジカンは心血を注いで、身をすり減らして取り組んでいるとおっしゃっていましたが、ソロとアジカンのスタンスの違いはどのような所にあるのでしょうか。
後藤:まずはこの3人と音楽をやるかどうかということですね。この3人とやると、みんなの色がそれぞれ出てくる。良い時も悪い時もありますけど、それを楽しむのがアジカンで。そういうところの擦り合わせの大変さはお互い様なところもあると思う。すり減っちゃうのは、アジカンでは負けたくないって思ってるんでしょうね。アジカンで何かを出すときは自分にとって意味のあるものだし、気合が入っちゃうんでしょう。ソロに関しては本当に自分が良ければいいと思ってるから。バンドだとそうはいかないでしょ、まずは自分が作ったものをメンバーに批評されるし、リフを持ってきたらそれを気に入ってるかどうかくらいは顔を見たらわかるし、時には口を出したりとか。その違いかな。

-負けたくないっていうのは何に対してですか?
後藤:流そうという世の中の意思というか、無関心ですね。「知らねぇよ」すら言われない、何もかもなかったことにするような雰囲気に負けたくない。引っかき傷でもいいから、世の中に爪痕を残したいなって思います。単純に聴いて欲しいっていうのもありますね。聴いてもらってかっこいいバンドだなとか思われたいだけなのかもしれない。

-ちゃんと意見を持ってほしいということですか?
後藤:いや、引っ掛かって欲しいだけです。だって誰にも聴いてもらえなかったら、なかったことにされちゃうでしょ。

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-TwitterやSNSもそうですよね、無関心なものに関してはスルーされるっていう。
後藤:音楽は要らない人にとっては要らないものだし、自分達が何千人か集めてライブするって言っても、その街にどれほどの人が住んでいるかってことに比べたら、微々たるものだし。そういう意味で、音楽はまだ全然楽しまれてないと思います。海外に比べても、もっと身近にあっても良いのになと思いますね。アメリカは身近にある音楽のクオリティーが高いので。

-身近にある音楽のクオリティーが高いというのは?
後藤:アメリカではグラミー賞を取るような音楽がラジオからトップミュージックとして流れてくるわけで、そりゃリスナーの耳も肥えますよね。日本の環境が悪いとは言わないけど、さすがに向こうと比べると見劣りするわけだし。何とかして良くならないかなって思いますね、そうすれば自分も楽しいし。

-なるほど。それでは、今作の聴きどころはどこでしょうか。
喜多:カップリングで僕が10年ぶりに歌ってるんで、それも聴いてください。

-「シーサイドスリーピング」の歌詞は、前の2曲とは視点が違う様な気がしてて。日常が描かれていますよね。
後藤:あれは建さんが歌うので、建さんっぽい歌詞を(笑)。作詞が最後の方だったんで、ギブアップ寸前で。しょうがないから建さんをネタにするしかないっていう。嘘とワンダーランドも建さんっていう感じするでしょ(笑)。

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-皆さんにお聞きしたいのですが、アジカンは後藤さんがリーダーとしてサウンドの方向性やバンドの進む道についてのビジョンを提示しているかと思うのですが、今までにないような試み、ヒップホップのビートがある「新世紀のラブソング」や「Loser」のカバーなど新しいアイデアに対しても形にしていったのではないかと思います。そのような提案があった時にどう思ったか、またどういう風に貢献していこうと思ったのかについて教えてください。
喜多:ギターに関してはそんなに難しい事は言われないというか。ゴッチの中である程度イメージができていれば、ギターワークもスムーズに進むんですけど。弾き語りできるような曲の時は、自分で考えていますね。その時々で、ゴッチのモードに寄り添う感じでやってます。
伊地知:『新世紀のラブソング』の時は、まず消化しなきゃいけなかった。打ち込みでビートが入っていて、その通りに叩くことはできるんだけど、それだとアジカンに参加してる意味がないから。自分で勉強して、自分のものにしてから楽曲に参加したいなと思って。そうすると時間が必要じゃないですか。だからレスポンスが遅くなっちゃって、そのレスポンスの遅さを怒られました(笑)。対応力というか、ゴッチのモードを事前にどうやって知れるかっていうのが課題だったり。最近は何を聴いているのかなっているのは気にしてます。ツアー中に聴いてる音楽が次の作品に影響したりするので、コンセプトを事前に知るっていう。

-山田さんはどうですか?
山田:ゴッチが気持ちよく歌えることが自分たちのバンドにとって大事なところなので、そこは意識して。曲を作ってる時も、経験的にこれはゴッチの気分が乗らないだろうなって思うものもあって、例えば潔と建ちゃんが無邪気に、それ多分採用されないよっていうものを一生懸命作ってる時もあって。それはそれで微笑ましいんだけど(笑)、そこを歩み寄らせるというか。ベースっていうパートがそういう役割でもあるし。
後藤:ファシリテーターですよね、山ちゃんが仲介してくれるの。潔と建ちゃんはそれぞれの楽器に対してはスペシャリストだけど、まだ構成とか仕組みが分かってないところがあって、そのコードで終わってこのコードには行けないんだっていうのを山ちゃんに説明してもらうっていう。

-中立ちする感じですか?
山田:そうなっちゃうことが多い(笑)。

-今作のルーツに当たるアルバムについて教えてください。
後藤:今作についてはWeezerの『Pinkerton』、ASHの『MELTDOWN』、Foo Fightersの『One by One』。この3枚と同じ機材で作ってるんで。それと、Foo Fightersのデイブが作ったサウンドシティの映画『Sound City-Real To Reel』を見てもらえればそれが一番いいかもね。それと同じ卓が使いたくてレコーディングに行ったんです、いろんなバンドの名盤を作って来たといわれる機材を使いたかったから。

-歴史的な瞬間に立ち会ったようで嬉しいですよね。
後藤:いろんなものが繋がってるようで面白かったですね。録音してくれたルーもミックスしてくれたニックも、もともとWeezerのブライアンの招き入れでサウンドシティで働き始めたそうだし。Weezer繋がりの人脈がたくさんあって、ここに辿り着くんだな、ちゃんとやってたら繋がるな、と思いました。『Pinkerton』が上流にいるなら、自分たちはその川下にいるような、同じ流れの中にいる物を作りたいと思っていて、行ってみたら実際に繋がってたっていうのが嬉しくて。バンド始めてもうすぐ20年ですけど、結成当時によく聴いていたアルバムに接続していくっていうのは、スタイルも変わったけどブレなかった部分もあるのかなっていう気持ちです。

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『Easter』
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『Wonder Future』
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