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「あなたの忘れられない人は誰ですか?」-耳に届ける音から、心へ届ける音楽へ。きのこ帝国の新たな一歩となるアルバム『猫とアレルギー』を、Vo.佐藤が語る。

アーティスト:佐藤千亜妃(Vol./Gt.) インタビュアー・文:桃井かおる子

-今回のアルバムタイトル『猫とアレルギ-』には、どのような意味が込められているのでしょうか?また、他の曲ではなくなぜこの曲の名前をアルバムタイトルにしたのでしょうか?
佐藤:『猫とアレルギ-』というタイトルは、詞とも勿論リンクはしていますが、どちらかというと響きのインパクトで、直感的に決めました。ちなみに、メンバーのうち3人は猫アレルギーです。なぜこの曲がアルバムタイトルになったかというと、アルバムを作るきっかけになったのがこの曲だからです。「猫とアレルギー」という曲を、世に出すためにこのアルバムを制作しました。

-今作の収録曲はピアノやストリングスパ-トが含まれている曲も多く、今までのきのこ帝国にはないアレンジが施されていると思います。なぜ、そのような音を使ってみようと思ったのですか?
ストリングスは1曲、ピアニカが1曲、ピアノが5曲ですね。生まれた歌詞とメロディーに吸い寄せられるようにアレンジしていきました。今回の音選びのすべては、楽曲にフィットしたよりよい表現へ繋がっていると思います。あと、単純にピアノの響きが好きですね。最近は鍵盤で作曲することも多くなってきたんですが、今回は鍵盤で作った曲をギターアレンジにした曲もあります。「夏の夜の街」がそうです。

-(上記の質問に関して)「桜が咲く前に」はシングルと違って、ピアノの前奏で曲が始まっています。曲の冒頭をそのようにして変えられたのはなぜですか?また、そうしたアレンジをすることで、シングルの時とはどのような違いが生まれたと思いますか?
もともと、シングルで出す前から冒頭のアレンジは3つほどパターンがありましたが、シングルではシンプルに、アルバムではより世界観を構築するためのイントロとしてピアノを足しました。ライブではアルバムのようなイントロのパターンでやることが多いので、既に聴いたことのある方も多いかと思います。

-今作の楽曲の歌詞は、これまでのきのこ帝国の楽曲の歌詞と比較すると、どの曲も主人公の目線や意思がより明確になっていたと思います。なぜ今回、こうした等身大の内容の楽曲を多く収録されているのでしょうか?
きのこ帝国の楽曲は、そのときそのとき常に等身大で作ってきたつもりですが、聴く人によって”等身大”の形は変わるので難しい質問ですね。個人的には、今回は非常にプラトニックな作品になったと思っています。

-(上記に関して)今作は今までにないアプロ-チで歌詞を書かれている印象を受けたのですが、歌詞を書く過程で大変だったことはありますか?
今回は1曲だけ詞先ではなく、曲先で作曲したのですが、メロディーに後から詞をのせるのはなかなかに時間を要するものでした。やはり自分は詞先のタイプなんだなと痛感しました。

-「夏の夜の街」の中でCANやTHE SMITHといった実在するバンド名が出てきますが、数多くいるア-ティストの中で、なぜこの2組のバンド名を出されたのでしょうか?また、この2組のバンドは、佐藤さんにとってのル-ツにもなっているのでしょうか?
実際の場面を歌詞にした曲なので、本当にたまたまです。The BeatlesだったりSystem Of A Downの可能性もあったし、Aphex Twinやユーミンの可能性もありました。ルーツになっているかときかれると微妙なところですが、CANは大学時代よく聴いていましたね。

-「スカルプチャ-」は、昭和歌謡っぽいメロディ-と女の情念のようなものを感じさせる歌詞で、今までのきのこ帝国にはない一面を感じ取ることができました。この曲は、今までとは違うアプロ-チで作られているのでしょうか?
まずコード進行ですね。手グセコードからの脱却をテーマに、今までに使ったことのないコードを用いて作曲しました。コードひとつで、メロディーの聴かせ方がグッと変わりますから。メンバーも新鮮だったようで、プレイもそれぞれの新しい面を出せたかなと思います。歌詞は少し大人っぽい表現な感じもしますが、これはこれで年相応というか、歳をとったんだなと自分でも思いました。

-「35℃」や「YOUTHFULANGER」は今までになく疾走感があって、なおかつ、初期のASIAN KUNG-FU GENERATIONや椎名林檎を思わせるような雰囲気があったと思います。今挙げた2曲を含め、今作はJ-ROCKからヒントを得て作られた楽曲も多いのでしょうか?
全然意識していませんでした。疾走感がある曲、いままでにも結構書いてます。「国道スロープ」とか、「Telepathy/Overdrivde」とか。

-過去の楽曲とは異なる雰囲気の曲が多く収録されている中、「ドライブ」は唯一のシューゲイザーサウンドで、これまでのきのこ帝国らしさを感じさせる曲だと思いました。比較的にポップでキャッチ-な楽曲が多く収録されている中、なぜこのような曲を入れられたのでしょうか?また、こうした曲をアルバムの真ん中に入れられたのは、何か意図があってのことなのでしょうか?
自分や、きのこ帝国が築き上げてきた表現の一端であるとは思います。バンドの”クセ”みたいなものですね。シューゲイザーというジャンルで括られている往年のバンドを聴いてみても思うのですが、冷静に考えてこの曲にシューゲイザーの要素はさほど無いと思います。機械のスイッチひとつで決まるほどシューゲイザーというジャンルは浅くないと思いますよ。通して聴いたとき、「ドライブ」〜「ハッカ」の流れは心臓のような部分になっていると思います。ここにひきずりこむために、序盤があります。

-今作で佐藤さんの歌い方がガラッと変わられたと思いますし、メンバ-の皆さんが出される音も丸みがあって柔らかくなったように思います。今作の制作過程で佐藤さんご自身、そしてメンバ-全体で気を付けたことや心がけたことはありますか?
音楽を、耳じゃなくて、心に届けること。

-今作がメジャ-初のアルバムとなりますが、なぜ今年から活動をインディ-ズからメジャ-に移すことになったのか、その経緯を詳しく教えて下さい。そして、佐藤さんが感じられているインディ-ズとメジャ-の違いについても教えて下さい。
この人に、きのこ帝国をサポートしてもらいたい、この人なら、もっと遠くの人にも届けてくれる、そう思える人がユニバーサルミュージックのEMIにいたので、移籍を決めました。どんな場所でも大切なのは、人と人との繋がりです。時代は変化してきていて、今やメジャーとインディーズはあまり違いがないような気がします。届ける層の違いはあるかもしれません。インディーズは音楽を好きな層が聴くイメージがあり、メジャーは聴く人を選ばないイメージがありますね。でもそういうことはあまり詳しくないです。

-きのこ帝国がメジャ-ア-ティストになられてまだ間もないですが、どのような時に「メジャ-デビュ-してよかった」と感じますか?
とくにそう感じたことはないです。

-メジャ-という環境の中で、きのこ帝国として今後どのような活動をしていきたいと思いますか?
クジラの腹破り。

-今作『猫とアレルギ-』を、どのような人に聴いてほしいと思いますか?
忘れられない人がいる人。

-今回のリリ-スツア-は2マンとなっており、Salyuやくるりといった普段はワンマンでしかライブをされないようなア-ティストとも共演されますが、今回のツア-はどのようにしてセッティングされたのでしょうか?また、なぜ2マンで回ろうと思われたのですか?
今年ワンマンをやったあと、しばらくライブ活動を休んでいて、そのあと復帰後はフェスが多かったので、誰か素敵な方と対バンがしたい、という思いがフツフツと湧き上がってきまして、こういったタイミングとなりました。好きなアーティストさんばかりにオファーしたんですけど、嬉しいことに受けていただけて。素敵な歌を歌う方ばかりなので、とても楽しみです。

『猫とアレルギー』
11月11日発売

【Live】
怪獣と猫のツーマンツアー

2015年11月19日(木)岡山県 IMAGE
きのこ帝国 / アカシック

2015年11月21日(土)福岡県 THE Voodoo Lounge
きのこ帝国 / アカシック

2015年11月25日(水)大阪府 umeda AKASO
きのこ帝国 / Salyu

2015年11月26日(木)愛知県 ElectricLadyLand
きのこ帝国 / 安藤裕子

2015年11月30日(月)北海道 cube garden
きのこ帝国 / Galileo Galilei

2015年12月2日(水)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
きのこ帝国 / ねごと

2015年12月9日(水)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
きのこ帝国 / くるり

きみと宝物をさがすツアー

2016年3月11日(金)福岡DRUM Be-1

2016年3月12日(土)広島Cave-Be

2016年3月18日(金)金沢AZ

2016年3月21日(月・祝)札幌cube garden

2016年3月24日(木)大阪BIG CAT

2016年3月25日(金)名古屋CLUB QUATTRO

2016年3月27日(日)高松MONSTER

2016年4月1日(金)仙台MACANA

2016年4月3日(日)東京・中野サンプラザホール

【BELONG Magazine Vol.10にきのこ帝国のインタビューを掲載】
※Vol.10を購入して頂いた方には限定でTHE NOVEMBERSのサイン入りポストカードをプレゼント

Vol.10表紙

¥300(送料込) 100部限定ポストカード付

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