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Taiko Super Kicksの最新作『Many Shapes』は、“見落とされてしまうものや気づかれない存在に目を向ける”というインタビュー中の言葉通り、バラエティ豊かなアルバムとなった。前作は全曲を通じて淡々としたローファイでポップアルバムであった事から、今作も同じ路線の作風かと思いきや1曲目「メニイシェイプス」からThe Strokesのセカンドアルバム『Room on Fire』を思わせるポップさを残しつつも骨太なロックソングである事に驚かされた。少しづつ、でも確かに変化していくTaiko Super Kicksというバンドは一体どんな事を考えているのだろうか?フロントマンの伊藤に話を聞いた。

アーティスト:伊藤暁里(Vo, Gt) インタビュアー:yabori 撮影:Takahiro Higuchi

―Taiko Super Kicksのバンド名の由来を教えてください。
伊藤:アメリカ留学から帰ってきてバンドを始めたんですけど、留学中に和太鼓クラブに入ってて。海外にいてジャパニーズカルチャーをやるっていう(笑)。アメリカでは和太鼓とは言わなくて、“太鼓”って言うんですよ。海外ではみんな、和太鼓のことを“太鼓”、“太鼓”って言っていて、それがいいなと思って。海外で通じる日本語っていう意味で“スシ”や“サクラ”みたいな感覚ですね。あとは“Super”って名前のバンドは好きなバンドが多いからというのもあります。SuperchunkやSuper Furry Animalsとか。

―そうなんですね。アメリカ留学はどうでしたか?海外での音楽体験があれば教えてください。
留学する前に、大学のサークルの中で自分は音楽に詳しくないなっていうコンプレックスがあったので、留学中に色々と音楽を聴いてて。それは体験としては大きかったですね。アメリカでは向こうの友達と少しは音楽をやったりもしてて。その流れでガレージロックが好きになったんですよ。アメリカでライブを見たのはNeon Indianですね。その時はアメリカのライブハウスに楽しみに行くっていう感じがあって。

―アメリカのライブハウスの雰囲気はどうでしたか?
ライブハウスと言ってもクラブに近い感じですね。音楽を鳴らす場所自体、だいたいはクラブのような雰囲気で。

―日本と何が一番違いましたか?
お客さんの雰囲気が違いましたね。どんなバンドが演奏しててもお客さんが騒いでいるっていう。それと日本と違うのは品定めをするような感じがないですね。反応がダイレクトというか。バンドがやっている事を受け入れてくれるような感じはありました。

―なるほど。バンドの話に戻るんですが、Taiko Super Kicksの音楽は“気怠さ”をテーマに制作しているとお聞きしましたが、どうしてこの“気怠さ”を音楽で表現しようと思ったんですか?
“気怠さ”をテーマに制作している訳ではないんですけど、去年の10月に“o m a t s u r i”ってイベントの時に僕らの中にあった一つの目標として、ライブをしている時にお客さんを盛り上げるんじゃなくて、気持ちよくて寝そうになるような音楽をやりたいと思って。そういう所を目指そうって気持ちはありました。

―そうなんですね(笑)。どうしてそういう音楽を目指そうと思ったのでしょうか。
アゲアゲの音楽はいくらでもあるので、僕たちはそこを担う必要もないし、自分たちが目指すとしたら気怠い感じや眠たくなるのがテーマとしていいかなと思いました。

―そういう音楽を志向されてきたと思うんですけど、今回の『Many Shapes』の1曲目「メニイシェイプス」を聴いて眠たくなるどころか、The Strokesみたいな曲だなと思いました。
あの曲は割と元気ではありますけど、歌の温度は低いと思います。静かな部分と激しい部分は思いっきり激しく緩急をつけたいっていうのはありましたね。曲の中でも、間奏や歌だったり、サビはちょっと頭打ちで前のめりなリズムだったりすると思うんですけど、バースの部分やAメロっぽい部分は、少し退屈めな感じがあるかなと思ってて。なので静かな部分と激しい部分は気にしていましたね。

―歌のテンションは変わってないかもしれませんが、演奏の激しさという部分で緩急のつけ方が上手くなっていますよね。
歌はこれまでどおりなんですけど、フォークっぽさはあるかもしれないですね。

―今作を制作するに当たり、参考にしたアルバムやアーティストはいますか?
曲によるんですけど、「メニイシェイプス」だとサビの感じはDeerhunterが頭の中にあって。頭打ちでタッタッっていうリズムだったり、ギターはアルペジオだったりというのは彼らの音楽を参考にしています。間奏や最後の部分は僕が好きなオルタナティヴ・ロックからきていますね。

―では今作を制作した際にどういう部分を工夫しようと思ったのでしょうか。
まず楽曲のバラエティを増やそうと思って。『霊感EP』の時はワンパターンだったって話を周りの人からよく聞いてて。イントロと歌とリフがあって、樺山くんのギターソロに向かってテンションあがっていくというような。そういうパターンが多かったので、前作の場合は5曲であの短さだから成立したんじゃないかとよく言われてて。フルアルバム作るとなると、もっとバリエーションは必要だよねっていうのは意識としてはありました。

―その『Many Shapes』というアルバムタイトルにはどういう意味があるのでしょうか。
色んな多様性を認めたいという意味です。一個の音楽に対しても色んな解釈があると思うんですけど、そういうものを自分たちは認めていきたいっていう意味です。日常の生活の中で、見落とされてしまうものや気づかれない存在って常にあると思うんですけど、そういうものもあるんだってことに意識を向けたいし、認めていきたいっていう。大きなものも小さいものも全て含めて認めていきたいという意味で『Many Shapes』ですね。

―今回のアルバムは葛西さんがエンジニアをされてますよね。最近だと、D.A.N.やLUCKY TAPESも手掛けている方ですが、どうしてこの方にお願いしたんですか?
過去に葛西さんがエンジニアした蓮沼執太さんや森は生きているの作品を聴いていたので、僕たちにも合いそうだと思ってお願いしました。あと過去に一度、ライブのPAをやってもらったことがあって。いきなり初めましてのエンジニアさんとやるよりは顔を知ってる人ってところでお願いしたというのもあります。

―今回のアルバムをどういう人に聴いて欲しいと思いますか?
今回の作品を色んな人に聴いてもらって、その意見も踏まえて考えたんですけど、やっぱり色んな人に聴いてほしいですね。折に触れて聴いてほしいと思ってて。例えば一回このアルバムを聴いてみて、最初に引っかかる部分やよく分からないけど、どういう意味なんだろうって頭に残ったりすることがあると思うんですけど。そういう気持ちを大事にして欲しいなと思います。時間を置いて思い出したときにもう一回聴いてみたら、また何か思うものがあるんじゃないかって。要は色んな面から聴いてほしいです。

―最後に言い残した事はありませんか?
このアルバムは僕らの人となりが溢れ出てるというか。如実に人間性が表れてるので、そういうところを面白がって聴いてくれたら嬉しいです。そういう意味でも音楽って素敵だなと思いますし、それで新たな発見とかで人生の中で長く聴いて欲しいっていうのはありますね。

Taiko Super Kicksが語る、“邦楽への扉”(ルーツになった日本の音楽)は後日公開!

『Many Shapes』
Now On Sale

【Live】
“Many Shapes” Release Tour 2016
2016年2月20日(土)京都府 UrBANGUILD
出演:Taiko Super Kicks / 山本精一 / and Young…

2016年2月21日(日)愛知県 K.D ハポン
出演:Taiko Super Kicks / LOGMEN / 小池喬(シラオカ)

“still dancing”
2016年2月27日(土)岡山県 PEPPERLAND
出演:Taiko Super Kicks / LUCKY TAPES / and more

2016年3月10日(木)東京都 WWW
出演:Taiko Super Kicks / 井手健介と母船

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